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「冨田渓仙展」 後期 茨城県立近代美術館

keisen

アートブログ界の先輩「いづつや文化記号」様をして「感動二段重ねの冨田渓仙展」と言わせしめただけのことはある。

前期も感動の「冨田渓仙展」の後期展示を見に茨城県立近代美術館を再訪した。
思えば水戸行きは、この冨田渓仙展が9月23日で終了してしまうがため本日決行となったのである。もう一つのお目当てだった水戸市立博物館については後日記事にする予定。

さて、後期ともなれば同じ作品も当然あるにも拘らず、やはり感動の連続。
何度見ても良いものは良い。冨田渓仙は私の好みなのだった。

今、もっとも見るべき展覧会はこの「冨田渓仙展」だと私は思っている。これほど名作が集まることはなかなかないだろう。しかもはるばるフランスのパリからの里帰り品まで出展されている。

前期展示の感想はこちら
なお、全ての展示作品リストはこちら

今回は簡単に後期の見どころのみ書いておく。

1.画帖関連のページ替え
今回何点も画帖作品が出展されているが、中でも「優雲鉢羅」個人蔵 1972年は前後期とも楽しませていただいた。渓仙らしさ満載の美麗極まる画帖である。
これを所蔵されていらっしゃる方が羨ましい。

2・名作中の名作
・「御室の桜」 1933年 福岡市美術館
今回運よく、担当学芸員の方によるギャラリートークに途中から参加できた。
学芸員さんによれば、この「御室の桜」は、庭園美術館でお馴染の朝香宮様が購入した作品。その後、人出にわたり、落ち着いた先が現在の福岡市美だという。
この作品よくよく注意して見ると、それぞれ描かれている桜の種類が皆違う。桜の名前が幹の下部などに金文字で記載されているのだ。
学芸員さんに教えていただかなければ、全く気付かなかったに違いない。かなり近づいてよく探さないと見つけられないものもある。
ぜひぜひ、忘れずに桜の名前を確認してくださいね。更に、桜の花の色、微妙に皆違っています。

・「雲上鶴図」 滋賀県立近代美術館
鶴の動きがアニメーションの映像のよう。斬新極まりない。

・「蒙古襲来」(試作) 個人蔵
冒頭前半部分に出てくるが、この作品を見た時には、心底驚いた。残念ながら試作のこの1点しか現存しておらず、本作は焼失したか不明である。
何とも大胆な構図で、馬のドアップと数名の人物が同じ大きさで縦横無尽に描かれている。
この作品の完成品たるやさぞかしと思わせる。

・「訶利帝母」 1908年 清水寺
上記「蒙古襲来」同様、渓仙の画風模索期の作品。渓仙らしい大胆さはないが、緻密な構成と色遣い、技の冴えが光る大作。

・「沈竈・容膝」 1913年 福岡県立美術館
紙本墨画淡彩の双幅で、特に「容膝」の画面びっしりと描かれた葉が独特。渓仙らしさはこの頃既に現れている。大観激賞の1枚である。

3.随所に溢れる渓仙のユーモア
ギャラリートークで初めて気付いたのだが、今回のチラシになっている「風神・雷神」。特に雷神の履いている虎のパンツに要注目。
虎シマなだけでなく、よくよく見ると、前に虎の顔まで付いているではないか。
学芸員さんも「顔まで付けてしまうところが渓仙らしくてユニーク」とおっしゃっていた。
しかもこの虎、何ともとぼけた表情をしている。

そういう視点で作品を見直してみると、確かに描かれている動物、人、みな時々にユーモラスな表情をしている。
単に美しいだけでなく楽しい所が渓仙は良いのだ。

大大大満足の「冨田渓仙展」。私の今年度ベスト10上位入り間違いなしである。

*9月23日まで開催中。お見逃しなく。

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冨田溪仙展

2009年8月8日(土)~9月23日(水) 京都画壇の風雲児 冨田溪仙展 茨城県

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マティネ様

こちらこそ、はじめまして。
コメント有難うございます。

> 緻密に調べながら柔らかいタッチで描く渓仙の絵が大好きです
⇒ 私もこの展覧会で大好きになりました。
  旅行のスケッチなんかも良かったですよね。

はじめまして

冨田渓仙でiメニューを調べたらブログがあって思わずコメントしたくなりました
私は初日に行きました
すいていてじっくりみることもできて
学芸員さんの話も聞けて良かったです
この企画展に行こうと思ったキッカケは銀行のポスターの雷神?でした
ユーモラスで一目惚れしました
緻密に調べながら柔らかいタッチで描く渓仙の絵が大好きです

ベンゼン様

記事を書いて、一人でも多くの方に見ていただければ
とても嬉しく思います。
蓬莱仙境図は覚えてます。
色の奇麗な作品でしたよね。蘭亭曲水に似た雰囲気で。

茨城県は良い美術館・博物館が沢山あります。
ぜひ、また足をお運びください。五浦もお薦めです。

No title

行きましたよ、前期の記事を拝見して後期に。
たまたま青春18キップが1回分余っていてどう使おうか考えていた時にグッドタイミング!

私も溪仙は名前だけ知ってました。
特に通路を挟んだ後半が良かったですね。
雷神には笑ってしまいました。
1番気に入ったのは、memeさんははずしてましたが蓬莱仙境図。
派手好きなんです。
最後の部屋は、万葉春秋・御室の桜と凄かった。
常設も春草などあったし。

情報ありがとうございました。またよろしくお願いします。

では、また。

いづつや様

こんばんは。
いづつや様のコメントにただただ同感するばかり。
私など不覚にも今回感動のあまり涙が出そうになりました。
渓仙、凄い!

> 大観は南画風のユーモラスでのんびりした絵も春草のよう
> な静かでしかも装飾的な花鳥画も描ける渓仙の才能に200%
> 唸ったと思います。

こんなに渓仙の才能豊かな画風に触れることができたのも
今回の展覧会のおかげです。
これだけの作品を揃えていただけたからこそ、その才能に
触れられることができました。
開催者に本当に感謝したいと思います。
そして、一人でも多くのお客様に渓仙の画業を堪能していただきたいです。

No title

大観は南画風のユーモラスでのんびりした絵も春草のよう
な静かでしかも装飾的な花鳥画も描ける渓仙の才能に200%
唸ったと思います。

雷神をゆるキャラに仕立てヘタ上手的に描き、京の風景を
赤や青、緑で輝かせ、御室の桜のように巧みな構成とたらし
こみで見る者を魅了する。まったくすごい画家ですね。
エポック的な鑑賞体験になりました。
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