スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「ウィーンミュージアム所蔵 クリムト、シーレ ウィーン世紀末展」 日本橋高島屋

wiin

日本橋高島屋で本日スタートした「ウィーンミュージアム所蔵 クリムト、シーレ ウィーン世紀末展」に行って来ました。
この展覧会、ず~っと首を長くして待ってました。
何しろ、国内ではクリムト・シーレの作品にはなかなかお目にかかれません。
我が地元、愛知県美と豊田市美がクリムトの素晴らしい作品を各1点ずつ、シーレはこれまた豊田市美が良いものを持っていて、この2館くらいしか常設で見られる美術館が浮かびません。

豊田市美に何度も通ううちシーレが好きになっていた私。

展覧会タイトルに「クリムト、シーレ」の名前を見るだけでワクワクします。
思ったより、会場は空いていて、今日はゆったりゆっくり観賞できました。更に、高島屋さんの展覧会では初めてではないでしょうか、受付に申し出ると作品リストをいただけます!
今回は駄目もとで「作品リストってありますか?」と伺ったら、「はい」と返されてびっくり。
これだけで、かなりご機嫌になりました。

本展では、ウィーンミュージアム(旧ウィーン市立歴史博物館)のコレクションの中から、クリムト、シーレをはじめ、マカルト、モル、モーザー、オッペンハイマー、ココシュカらの選りすぐりの絵画約120点を公開し、19世紀末から20世紀初頭のウィーンの絵画、芸術の流れを概観するものです。

構成は次の通り。
第1章 装飾美術と風景画
第2章 グスタフ・クリムト
第3章 エゴン・シーレ
第4章 分離派とウィーン工房
第5章自然主義と表現主義

実はウィーンの絵画史などまるで疎い私にとって、第1章は見事に知らない作家さんばかり。
新印象主義という、印象派もどきの絵画や、どこかで見かけたような絵画が多く、ピンと来た絵はゼロではないが少なかった。
どちらかと言えば、後半に「むむ」思う絵が多かったように思う。
一番気になったのはグラニッチュ作「イーゼルの前の自画像」とその次にあったフェオドローヴナ・リース作「自画像」であった。この両極端な雰囲気の2枚の女性自画像は、対照的で興味深い。前者がこれまでの印象派風のウィーン絵画を後者がその後に続く表現主義ぽい画風で、時代の狭間の象徴のようだった。
もう1点、カール・ツェーヴィ「仲人(による結婚の打診)」もドラマチックな作品で面白い。

第2章のクリムトは全部で8点、うち油彩は4点。
・「寓話」 1883年
・「牧歌」 1884年
・「愛」 1895年
・「パラス・アテナ」 1898年 (下)
kurimuto

「寓話」は初期のアカデミックな画風のクリムト作品で、知らない一面を見たという感じ。
時代が新しくなるにつれ、画風も良く知られている装飾的できらびやかな作風に移っていく。特に、「愛」はちょうど過渡期的な作品であった。三連祭壇画のように両脇が金の太い帯でかたどられ、草花が描かれる。どこか琳派の金屏風に似ているような。
「パラス・アテナ」はそれほど大きな作品ではないが、後のクリムトの代表作作風にもっとも近い。

そして、第2章で忘れてならないのは、グスタフ・クリムトの弟、エルンスト・クリムトの2作品である。
エルンストはわずか28歳で夭折、今回は「宝石商」1889年と「祈る子供たち」1890年頃2点の油彩が出展されている。
中でも「宝石商」(下)は「パラス・アテナ」に近いクリムトらしい装飾的絵画。一瞬宗教絵画のようにも見えるが、人物の表情が素晴らしく映画の一場面を見るようだった。
otouto


第3章 いよいよシーレ登場 シーレ作品は全19点、うち油彩は4点。
冒頭は、アントン・ペシュカの「エゴン・シーレの肖像」で始まる。この肖像画にも注目。衣服と背景がゴッホの影響なのか、カラフルな色彩が渦巻いている。

そんな衝撃的なシーレの肖像に続いて、シーレ作品が並ぶ。格別印象に残った作品のみ紹介。
・「意地悪女」1910年 本展マイベスト3のひとつ。
シーレの妹がモデル。この表情がたまらない。そして、シーレの特徴である体の細さ、細い顔、何といっても目が意地悪な表情を巧みに表出していた。これぞ、シーレという感じをもっとも受けた。

・「ヒマワリ」 1909年
この細く縦に長い、屏風絵のような油彩はとても印象的だった。その理由として、細長いキャンバスを使用しているということもあるが、真っ白な背景に枯れたヒマワリ、そしてヒマワリの下の方になぜか花がいくつも咲いている。本来花があるべき上部のものは枯れている。
輪廻転生を考えていたら、凄いなぁと思うがどうだろう。細長いキャンバスはジャポニスムの影響らしい。

・「自画像」1911年、「アルトゥール・レスラー」1910年
後者はシーレの代表作とのこと。レスラーの体はねじれ、顔は横向き。何とも不自然なポーズをとっている。自画像は顔の部分の二重イメージ技法より色遣いに惹かれた。

そして、シーレの版画作品、私はシーレの線が好き。よって版画作品デッサンもやっぱり好みなのだった。

第4章ではクリムト以外の分離派やウィーン工房の作家作品が続く。
全てはご紹介できないので、気になった作家を挙げると、カール・モル「メートリングの眺め」1924年。
コロ・モーザー。彼の絵は全部で5点あったが、どれも私の好みだった。色遣いが独特。
「シクラメン」1907年は一見何てことのないシクラメンの花なのに、その花の植木鉢の色と模様の大胆でカラフルなこと。

カール・オットー・チェシュカ「学問の寓意」1898年やウィーン工房のハガキ(メラ・ケーラー&マリア・リカルツ)6枚も素敵だった。ちょっと小林かいちを思い出してしまった。

第5章の最終章ではシーレと同時代の自然主義、表現主義の作家を紹介している。
・エドゥアルト・カルパリデス 「秋の風景」 1910年
これからの季節にぴったりの風景画。湖面の輝きと空の色が忘れられない。

作曲家シェーンベルクの油彩も3点並んでいたが、こちらは私の好みではない。
ユングニッケル「マース河畔にて」、ピネル「雪の食品市場」などがやや気になったが、一番はマックス・オッペンハイマーの作品だった。エゴン・シーレとも親交が厚いこの作家の「エゴン・シーレ」像は良かった。

この展覧会の監修は千足伸行氏だが、以前静岡で拝見した展覧会も構成が良いと思ったが、今回も分かりやすい構成で楽しめた。
ただ、恐らく会場の都合だろうが作品リストの順番と展示順序がバラバラなので、若干リストと作品が追いにくかった。もうひとつ、照明が光って見づらい作品が何点かあったこともちょっとだけ残念だった。

*10月12日(月・祝)まで開催中。これから混雑しそうな予感がします。お早めに。
午前10時~午後7時30分(8時閉場) 最終日は午後5時半まで。
この後以下に巡回します。
【大阪会場】 10月24日(土)~12月23日(水・祝) サントリーミュージアム[天保山]
【福岡会場】2010年1月2日(土)~2月28日(日) 北九州市立美術館

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

ウィーン・ミュージアム所蔵 クリムト、シーレ ウィーン世紀末展 【日本橋タカシマヤ】

最近、旅行や休日出勤などで中々美術館巡りができませんでしたが、もうすぐ「ウィーン世紀末展」の東京開催が終わりそうなので、これは見逃...

日本橋高島屋「ウィーンミュージアム所蔵 クリムト、シーレ ウィーン世紀末展」を観てきました。 

今日は雨なのであまり外は歩きたくない。 しかし我が息子はなぜか 美術館、博物館が絡むと3歳児にしては 異常に歩きます。 合計5時...

ウィーン世紀末展 (日本橋高島屋)

日本橋高島屋のウィーン世紀末展に行ってきました。クリムトとシ ーレの作品を中心に、その前後の時代の作品が並んでいます。 名前を聞いたことのない絵描きさんの作品にも気になる作品があっ て、この時代の層の厚さを感じます。ただ観たものを写し取るので はなく、描

コメントの投稿

非公開コメント

21世紀のxxx者さま

都内と千葉、神奈川、埼玉の展覧会であれば「月刊展覧会ガイド」
がとても便利です。
展覧会情報が地区別に掲載されているので、私はこのガイドで
見たい展覧会をチェックしています。
更に、コラムや特集記事などもあって300円の割に濃い内容。
泉屋博古館や山種美術館などの美術館で販売しています。
見つけたら、ぜひお手にとられてはいかがでしょう。

No title

タカシマヤの展覧だったらさっくり観れるだろうなと思って行ってみたら、予想以上の質・量で嬉しい驚きでした。 特にクリムトとシーレは堪能できました!!

それにしても、最近良い展示が多いのは嬉しいのですが、一気に始まってすぐに終わるので周りきれないのが悩みです。これも危うく見逃すところでした。

noel様

そうでした、近美の常設展示替え見てなかったです。
明日行くべきか。
クリムトは点数少なめで初期作品なので、装飾的な作品を求めて行くと
ちょっと失望するかもしれません。
むしろ、シーレに注目してみていただきたいな~と。

コニー様

銀座と日本橋は目と鼻の先。
銀座線に乗ればたった2つ目。
しかも高島屋は19時半までに駆け込めばOKだから
きっと見ることができると思います。
観賞時間は1時間あれば十分でしょう。
迷ったら電話してくれていいよ~。

lysander様

こんばんは。
lysander様も書かれておられましたが、シーレにメロメロです。
ウィーン夏休みに行ってしまったらいかがでしょう?

Minnet様

こんばんは。
> クリムトは、常設展示ではないかもしれませんが、東京富士美術館、飛騨高山美術館、姫路市立美術館(素描)も所蔵していますね。
⇒ 素晴らしい!東京富士は何度か行ったことがあるので、もしかすると私も見ていて
   記憶がないのかもしれませんね。
  他の2館、特に飛騨高山美術館に至っては存在を初めて知りました。
  貴重な情報有難うございます。

> 愛知県美術館では、「黄金の騎士」のほか、「エミーリエ・フレーゲの肖像」も展示されていたのを覚えています。(寄託かもしれませんが。)
⇒ いや、間違いないです。「エミーリエ・フレーゲの肖像」思い出しました。
 クリムトらしからぬ装飾的ではない17歳の少女の作品でしたね。
 自分でも記事書いてました。あな、恥ずかし。

ご感想楽しみにしています。

No title

さすが早いですね!今日ゴーギャン見納め後に行こうと思ったものの、常設に時間をとられて行けませんでした(苦笑) クリムト好きなのでこれは絶対外せません!(数年前の映画はイマイチでしたが..)

行きたい~!

ウィーン好き、クリムト好きの私にはちょっと惹かれる展覧会です。
ちょうど、10/7~10/8で東京出張に行く予定が!
8日の日は一日会議、7日も本社への挨拶回りなどがありハードスケジュールなのですが、銀座を中心に回ろうと思っていました。
日本橋にも寄れたら行ってみまーす。

こんばんは

こんばんは
これは中毒性の高い展覧会でしたね。
また行ってしまうかもしれません...(^^;

島屋美術部はすごい

こんばんは。
初日に行かれましたか。
私もこの展覧会、首を長くして待っていました。
島屋美術部は、かつて「コートールド美術館展」を開催して、マネ晩年の傑作「フォリー・べルジェールのバー」が展示されたくらいですから、さすがだなという感じです。
クリムトは、常設展示ではないかもしれませんが、東京富士美術館、飛騨高山美術館、姫路市立美術館(素描)も所蔵していますね。
愛知県美術館では、「黄金の騎士」のほか、「エミーリエ・フレーゲの肖像」も展示されていたのを覚えています。(寄託かもしれませんが。)
私も日本橋島屋をさっそく訪問しようと思います。
カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
ブログ内検索
twitter
最近のエントリ
カテゴリー
最近のコメント
最近のトラックバック
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
カウンター
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。