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2009年9月22日 埼玉 長澤英俊展他 観賞記録

本来ならば、ひとつひとつ記事にすべきところですが、今日の埼玉ツアーの行き先で開催されている展覧会は全て明日9月23日まで!

とてもせっかくこのブログを読んで行ってみようと思っても明日以後では手遅れ。
いや、既に手遅れかもしれませんが、お時間のある方はぜひ行ってみてくださいませ。

では、回った順でまとめます。先に結論を申し上げると、川越市美が一推しです。で、そこまで行くなら遠山記念館、特に建築に関心がおありの方は、セットでおでかけください。
明日は川越駅から無料シャトルバスが2往復遠山記念館まで出ています。あの昭和初期の邸宅を一見するだけでも、足を運ぶ価値があります。

1・「長澤英俊展-オーロラの向かう所」 埼玉県立近代美術館

saitama

現在埼玉県の3つの美術館共同で、郷土出身の世界的に活躍する彫刻家長澤英俊の展覧会を開催している。
まずは、JR北浦和徒歩3分の埼玉近美の展覧会へ。本会場での展覧会については、「はろるど・わーど」さんが詳細な記事を書いていらっしゃるので、そちらを併せてご参照ください。
なお、三会場とも展示プランは長澤本人が手がけています。
・「線の影」 2000年
・「ゼロ時間」 1992年
・「ゼノビア」 1994年
・「長椅子」 2002年
・「二つの石」 1972年
・「イリデ」 1993年
以上が特に気に入った作品。以外にも材料に蜜ろうを使った彫刻が上記のうち2点ある。河口龍夫も蜜ろうをよく使用するが、アーティストにとって、蜜蝋は惹かれる素材なのだろうか。「ゼロの時間」に至っては、狭い空間全てが蜜蝋で塗られており、少し中を覗き込んだだけで、甘い香がした。
大型の彫刻作品は、埼玉近美の天井がやや低い空間だと手狭な感じは否めないが、だからと言って作品観賞への影響はそれほど感じなかった。

2.「長澤英俊展-夢うつつの庭」 遠山記念館

toyama

てっきり屋外彫刻中心かと思ったらさにあらず。遠山記念館は展示棟とは別に、昭和初期の有形文化財に指定される和風邸宅でも著名。

今回は、この遠山記念館のある川島町出身の長澤の思いがかなりこめられた内容となっている。
驚いたことに、昭和初期邸宅の中に相当数の彫刻作品が家と一体になって展示されていた。
越後妻有トリエンナーレ大地の芸術祭で見た古民家プロジェクトの大規模版のよう。
ここだけご一緒した遊行七恵さんは、貴重な邸宅が彫刻によって悪影響を及ぼすのではないかと心配されておられたが大丈夫。

しかし、ふすまに銅?を貼るなど、「一体どうなってるの?」という作品の数々で400畳もの邸内のどこに彫刻が潜んでいるか、探すのも楽しかった。
天井から鉄?製の船がぶらさがっていたり、作品設置場所とタイトルなどが書かれたチラシ1枚あると見やすかったが、図録以外何も用意されていなかったのが惜しまれる。
全部で10点のこの遠山記念館のために制作された新作群は、やはり必見かもしれない。
当然、邸宅とセットの作品なので、ここでの作品は、他館への巡回はない。
作品の展示画像はこちらから一部ご覧になれます。

3.「着物の絵模様物語」展 遠山記念館

kimono

展示棟では、上記企画展が開催されている。通常の展示もちゃんと行われているので、この期間に行くと2倍楽しめる。
かつての「小袖」展のように江戸~明治初期にかけての着物の展示。
刺繍が見事なものなど様々だが、やはり紋様、デザインが愛らしい。子犬付きのもの、雀いっぱいのもの動物系に弱い。

4.「長澤英俊展-オーロラの向かう所-」川越市立美術館

kawagoe

シャトルバスで川越駅に戻り、川越市美に東武バスで向かう。
全く予備知識なしで行ったが、この美術館にものすごい長澤作品が展示されていた。
展覧会タイトルとなっている「オーロラの向かう所-柱の森」は、今回見た作品の中でもっとも感銘を受け、かつ楽しむことができた。
地下1階に奥から僅かな一筋の光が入る以外、真っ暗な空間に大理石の柱を49本規則的に並べ、その柱頭に大理石の板を渡している作品。
中に入って4分ほど暗さに目が慣れてこないと、柱も見えてこない。
目がなれると、これが実に不思議な空間となっている。
柱の間を自由に歩くと分かるが、一方からだと柱は白く、逆方向からだと柱は黒く見える。
森の中を歩いているような気がした。
見る方向によって、見え方が変化する彫刻は、実に楽しい体験だった。 

川越市美では、これ以外に4点、計5点の作品が展示されている。最長6.5mの「鷲」1989年も圧巻な作品。

総じて長澤の作品は、バランス、重力、力学を重視しているように感じた。特に大型の作品、鉄や木を組み合わせたものにその傾向が顕著であるが、柱の森も柱頭に大理石の板を渡すという、やはりバランスを意識した作品だった。これだけの大作彫刻を見る機会はなかなか得られないだろう。
1993年ぶりの回顧展だというが、満足のいく内容だった。

なお、川越市美をお薦めするもう一つの理由は、常設展示にある。
今話題の難波田龍起、織田一磨の作品に加え、版画作品(内田静馬、川西英、畦地梅太郎)やご当地作家岩崎勝平、更には松本竣介など気になる作家の作品が展示されていた。また、相原求一郎室では「原野」が特に良かった。

5.第1回 所沢ビエンナーレ美術展 「引込線」 西武鉄道旧所沢車両工場

hikikomisen

作家自身による手作りの自主企画展。昨年のプレ美術展に続き、昨年より会場を拡大し、新たな作家を迎え、規模を拡大して行うもの。
展覧会タイトル「引込線」には、美術に関心をもつ全ての人々の覚醒した意志を引き込む、吸引力のある磁場を作り出したいという意図が込められている。
出品作家は37名。以下印象に残った作家は、やはり既存の名を知った作家がほとんど。
知らない作家で、いいなと思った作家は3人。

・瀧健太郎 「Bild、Mull ♯4 Kern」 2009
映像とオブジェを組み合わせた作品だが、色が良かった。これ一つでインスタレーションとして完成しており、映像の色の変化が美しかった。

・橋爪彩 「Red Shoes Diary」シリーズ(Berlin♯2、♯3、♯6、♯7、♯8)他全点
平面作家の中ではもっとも気に入った。橋爪の小さな作品があの大きな会場でも決して負けていない所が素晴らしい。

・建畠朔弥 「午後二時のショッピングモール」

大友洋司の抽象絵画の他、既存作家では手塚愛子、戸谷成雄、先日馬喰町で個展を拝見した冨井大裕、遠藤利克、窪田美樹の作品がやはり力強い。

会場が大きいだけに、力のない作家の作品は訴えかけてくるものが弱く、その力量が通常空間より明確であった。シビアな環境である。
横浜のBankArtも似たような空間だが、原口直之ほど作品の力があれば、場に負けることはないのだが。

本展にひとつ苦言を申し上げるとすると、最寄駅の西武所沢駅降りてどこにも案内がないのが気になった。ポスター、道案内の立て看板のせめてひとつは駅前に置いてもよいのではないだろうか。

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「所沢ビエンナーレ - 引込線 2009」 西武鉄道旧所沢車両工場

西武鉄道旧所沢車両工場(埼玉県所沢市東住吉10-1) 「所沢ビエンナーレ - 引込線 2009」 8/28-9/23 所沢駅前の旧車両工場を舞台に、総勢40名の作家が思い思いの表現を繰り広げます。西武鉄道旧所沢車両工場で開催中の「所沢ビエンナーレ - 引込線 2009」へ行ってきま

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はろるど様

埼玉ツアーは疲れました。
時間が押せ押せだし、川越は観光客でごった返してるし。
長澤展は葉山館に巡回するので、再訪されたらどうでしょう。
また、箱が変われば展示も変わる筈。

引込線より、TWS本郷の2階の方が面白かったかなぁ。
結局既存作家さんの存在感ばかり目立ってしまって。
もう少し、地道な広報活動が必要なのでは思いました。

遊行七恵さま

お疲れ様です。
たまには、悪魔の誘いに乗るのも悪くないでしょう。ふふ。

> とてもあの距離を一人で行くことはできない・・・←根性ナシ。
⇒ 私でさえ、ひるみますからね、あそこは。
  今回のシャトルバスはありがたかったです。

いつまでも大切にしていただきたい建物であり、美術館ですね。

No title

memeさんこんばんは。引用をありがとうございます。長澤さんの展示は川越が一番でしたか。てっきり建物で遠山の勝ちかと思っていました。やはり見ないと分かりませんね。

>会場が大きいだけに、力のない作家の作品は訴えかけてくるものが弱く、その力量が通常空間より明確であった。シビアな環境である

全く同感です。力勝負の結果がストレートに出る展示ですよね。そこに面白みがあると思いました。

>ポスター、道案内の立て看板のせめてひとつは駅前に置いてもよいのではないだろうか。

そうでしたねえ…。私もプレ展の時、どこが入口か分からず、西武百貨店の駐車場の方をうろうろしてしまいました。
駅前の賑わいをもう少し取り込む方策があっても良いでしょうね。

こんにちは
昨日はお疲れ様でした。
サイタマーRUNですね~
わたしは遠山で、佐竹本の絵葉書を買い忘れたことを、サントリーで思い出してガクッでした。
とてもあの距離を一人で行くことはできない・・・←根性ナシ。

シャトルバス、ほんとありがとうございました♪
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