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「THE ハプスブルク」 国立新美術館

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今年の西洋美術で最大の目玉展覧会と言って間違いなし。
展覧会公式HPはこちら
展覧会の見どころが動画で紹介されています。もちろん、以下で紹介している作品画像も多数。

「THE ハプスブルク」の初日に行って来ました。本日の金曜夜間開館は、かなり空いていましたが、係の方にお尋ねしたら午前中、午後はもっと混んでいたとのこと。

さて、今回初めて国立新美術館の広い空間に感謝しました。さすがハプスブルク家ゆかりの名品は会場負けなどしないのです。
むしろ、手狭な会場ではその濃厚さに窒息するやもしれません。
更に、私の嫌いな国立新美の白い壁が、国別に色分けされ壁面を色布で覆っています。やはり、重厚な西洋絵画には白い壁よりも今回のような深い緑、赤などの方がしっくり来ます。

私は2つの映像も(9分+5分)見て、約2時間弱会場にいました。今夜のように空いていて1周するだけなら、1時間ちょっとですが混雑状況如何で変わって来ます。本当に大作揃い+工芸品+140年ぶりに里帰りの日本古美術画帖もあるので、時間には余裕を持ってお出かけください。

展覧会会場は次の順で構成されています。
・ハプスブルク家の肖像画
・イタリア絵画
・ドイツ絵画
・特別出品
・工芸と武具
・スペイン絵画
・フランドル・オランダ絵画

ドイツ絵画とスペイン絵画の間に里帰り品や工芸と武具、そして映像コーナーがあるのが上手い配置。ちょっと休憩しつつ、分野の違う工芸など見て、スペイン絵画、フランドル・オランダ絵画に向き合えます。

しかし、よくこれだけ持ってこれたものと感心しきり。16~18世紀の巨匠たちの作品が終結しています。パンフの謳い文句に偽りなしでした。

順番に印象に残った作品と若干の感想を。

<ハプスブルク家の肖像画>
ここでは全8点のハプスブルク家の皇帝や皇妃の肖像画が展示されています。
・「オーストリア皇妃エリザベート」フランツ・クサファー・ヴィンターハルター
当代きっての美女だったというのも頷けます。今でも生産されている☆型の髪飾り、ドレスも印象深いですが、エリザベートの肩のラインの美しさに惚れました。
等身大?と思われるほど、大きな肖像画です。

<イタリア絵画>
・「若い男の肖像」 ラファエロ・サンティ
かの有名なラファエロに間違いないか、図録で確認しました。若い頃の作品。本人の自画像かと思いましたが、図録によれば、どうやらそうではないようです。

・「聖母子と聖カタリナ、聖トマス」 ロレンツォ・ロット
物語性を感じる描写。水色のドレスの色と天使の動きに注目。

・「聖母子とパウロ」 ティツィアーノ
イタリア絵画の中でベスト。聖母のまなざしが何とも言えない。更に透き通るようなベールの描写、深紅のドレス。この絵は良かった~。

他にはカニャッチ「クレオパトラの自害」、ティエポロ「聖母と6人の聖人」、ジョルジョーネ「矢を持った少年」などなど。イタリア絵画は上記を含めて全35点展示されています。

<ドイツ絵画> 全9点
今回もっとも感銘を受けたコーナー。

デューラー真作の油彩画が3点。
・「青年の肖像」
・「若いヴェネツィア女性の肖像」
・「ヨハンネス・クレーベルガーの肖像」
国内ではめったと見られないデューラーの肖像画は最高でした。「青年の肖像」は明らかに岸田劉生が彼の影響を受けたことが明確になる作品です。
一瞬、劉生の作品かと思いました。ちょっと東洋風の顔立ちの青年肖像画です。
また、「ヨハンネス・クレーベルガーの肖像」では絵の角3つにエンブレムやワンポイントがあって、これも劉生が真似ていたと、劉生のデューラーに対する傾倒ぶりを目の当たりにしました。
それにしてもデューラーの緻密な描写は凄かった。

もう一人の凄い画家、ルーカス・クラナッハ(父)の作品も2点。
・「洗礼者聖ヨハネの首を持つサロメ」
本展マイベスト。これはもう言葉を失います。3回位戻ってこの作品の前に立ちました。
まずサロメの顔。透き通るような肌にも着目ですが、薄笑いを浮かべたような表情が怖い。怖いんですね、この絵は。何しろ、サロメですから、聖ヨハネの生首、この首も血が滴りそうでリアル、持って薄笑いですから。
サロメの着衣、ターバンのような頭に巻いた赤布、帽子飾?や首飾の細かいこと!しかも絵具がキラキラと輝いていて、修復しているのか分かりませんが、全く色あせのない今描き上げたばかりかと思うような状態でした。
気になるのは、サロメの背後にある窓から見える風景。
この風景描写がまた細かい。湖にはその背景になっている山や木が映っています。

・アルブレヒト・アルトドルファー 「聖家族と聖アガピトゥス」
小品なれど、見ごたえあり。唯一のアルトドルファーの作品。非常に細かい。

<特別出品>
1869年日本とオーストリア・ハンガリー二重帝国間で修好通商条約が締結された記念に、明治天皇が皇帝フランツ・ヨーゼフ1世に友好のしるしとして贈った画帖(絹本着色)が140年ぶり里帰り、初公開されています。

パンフレットをほとんど見ずに、展覧会を見に来たのでこれにはびっくり。西洋絵画の展示なのに、いきなり明治の浮世絵画家豊原国周、三代歌川広重、狩野派、住吉派絵師、松本楓湖、服部雪斎の肉筆画が現れたのですから。
恐らく、通常公開されることなどなかったのでしょう。発色が恐ろしい程良かったです。
このコーナーは混雑必至。単眼鏡もあった方が良いです。
ガラスケースに縦二列で展示されているので、奥にある画帖はやや見づらいのが難。

<工芸と武具>
てっきり絵画の展覧会と思っていたので、この工芸品にも驚きました。しかも、その上質かつ美しさはハプスブルク家のまさしく栄華の象徴でしょう。
解説パネルに町田市版画美術館で見たヴンダーカマー(驚異の部屋)について触れられていて、ちょっと嬉しくなりました。

・「シャーベット用センタービース」 1736-40年頃
皇帝や皇妃など家族の肖像を貝殻製のカメオに仕立ててあるもの。薄いピンク色が可憐でとてもかわいい。こんな器で家族皆でシャーベットを食べていたのかと想像するだけで、めまいがした。
特にセンターピースを下からも覗いて見ていただきたい。
下にも模様が彩られていて。上から見ても横から見ても下から見ても美しい。

・「ヒキガエル」 1600年頃
超リアルな置物?なぜ、ここにカエルがいるのかは不明。

この他「ココナッツ脚杯」「オウムガイ脚杯」「褐色瑪瑙の鉢」「ネプチューン像のある巻貝鉢」、玉石でできた浮き彫り象嵌の「置時計」などなど、これまで見たことのない工芸品の数々に目を奪われます。

<スペイン絵画> 全10点
本展パンフレットに表紙に使用されているベラスケスの「白衣の王女マルガリータ・テレサ」「皇太子フェリペ・プロスペロ」などこのコーナーも名品多数。

個人的には私の好きなムリーリョが3点(うち1点は工房との共作)出ていたのが嬉しい。
・「悪魔を奈落に突き落とす大天使ミカエル」
・「聖家族と幼い洗礼者聖ヨハネ」
ことに、前者の大天使ミカエルは、めったと見られないようなドラマチックな作品。背景の黄色と赤のショー^ル、神々しさが画面全体から溢れています。

<フランドル・オランダ絵画> 全21点

個人的にはルーベンスがあまり好きではないが、今回出ているルーベンスは非常に良い。

・「悔悛のマグダラのマリアと姉マルタ」
これは大作。背景にあるのはカーテン?あの赤さと更にその後ろの暗雲、後ろで何やら怪しげな様子のマルタ。人物の表情と描写力が冴えわたっている。
・「キリスト哀悼」⇒小品ながら、ルーベンスらしさが満載。

私の好きなレンブラントは1点だけ。
「読書する画家の息子ティトゥス・ファン・レイン」 1665年頃

・「森の風景」 ヤン・ブリューゲル(父)
小品なれど、ブリューゲル(父)らしい一作。

・「女と子供と使用人」 ピーテル・デ・ホーホ
構図が面白い。ホーホの風俗画と言ってよいのだろうか。

忘れてならないのは、アンソニーヴァン・ダイク。イギリスで何点も見たけれど、今回は4点展示。
一番好きなのは「神父カルロス・スクリバーニの肖像」。
神父の優しさと威厳が表現されている。ヴァン・ダイクの肖像画は人柄も絵に現れているように感じる。

オランダ風景画と言えばこの人。ライスダール「渡し舟のある川の風景」1644年。
ライスダールの数ある作品の中でも名作ではないだろうか。少なくとも私個人の評価は、過去見た中でも最高レベル。とても素晴らしい作品だと思う。

ミュージアムショップもウィーン王家御用達デメルが出店していたり、ついつい買い物してしまいます。
会場限定販売の「ショコラーデントルテ」は1050円で、思わず手が出てしまった。

図録は通常2300円のところを10月25日まで期間限定で2000円で販売しています。
絵葉書も名品はきっちり抑えていて1枚100円、印刷も良かったです。

展覧会の記念講演会も下記日程で予定されています。「ハプスブルク家」についてもっと知りたいという方、ぜひご参加されてはいかが。
★9月26日(土)カール・シュッツ ウィーン美術史美術館絵画館長
「デューラー、ティツィアーノ、ブリューゲル、ルーベンス、ベラスケス ―ハプスブルク家とその画家たち」

★10月24日(土)中野京子 早稲田大学講師
「怖い絵―華麗なるハプスブルク家の人々」

★11月14日(土)千足伸行 成城大学教授
「ハプスブルク家栄光の軌跡:ルドルフ2世から美術史美術館へ」

■会場=いずれも国立新美術館3階講堂
■時間=いずれも午後2時~3時30分
■定員=いずれも先着260名 ※定員になり次第受付を終了します。
■聴講無料。ただし本展入場券(半券可)が必要です。 

何はともあれ、本展間違いなく今後混雑必至。
お早目の観賞をお薦めします。

日本橋高島屋の「ウィーン世紀末展」、今回の「THE ハプルブルク」と見てたら、まだ見ぬ地ウィーンに行きたくなってしまいました。

*12月14日(月)まで開催中。
来年1月6日~3月14日(日)まで京都国立博物館に巡回。
京都でも見たいなぁ~。

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あべまつ様

こんばんは。
最近パワーに翳りがある私です。
西洋絵画でこれだけの内容の展覧会は、ここ最近で一番のヒット。
あべまつ様は図録買われましたか?
私はとっても迷って迷ってやめました。

ところで、「双頭の鷲」っていう佐藤賢一の小説ありませんでしたっけ?

No title

こんばんは。

デューラーの「青年の肖像」本当に岸田劉生感じました。
同じところではろるどさんに、同じこと申し上げたのでした。
アジアな顔立ちでした。
それにしても超大な展覧会で、頭の中双頭の鷲です。
ぱわふるなmemeさんから栄養をいただきたいものです。

nole様

今日はお目にかかれず残念でした。
新版画めがけて両国に向かわねばなりませんでしたので。

ウィーン物価高ですか。
ヨーロッパ圏は皆同じように感じます。

Tak様

これだけの作品はなかなか持って来れないでしょう。
特にブタペストから良い作品を貸し出していただいていたような。

ウィーン一度も行ってないので、やはり行ってみたくなります。

No title

初日とはさすが!そして早速のレポ、素晴らしい~ 私は今日伺います!
ウィーン大好きですが物価高いのが難点...

No title

こんばんは。

大満足の展覧会でしたね。
また明日伺います!

ウィーンは行かれた方の評価二分する街。
私はまた行きたい!派です。
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