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小布施・北斎館 「秋の肉筆名品選」新収蔵作品『ぶどう』公開記念 はじめての美術館50

今日は長野県の小布施巡り。
無計画なまま、ほっといても7時には起きるだろうと起きてから新幹線の時間を調べて、初めての長野新幹線に乗った。長野駅で長野電鉄に乗り換え、小布施駅で下車するはずが、うたた寝して小布施到着に気付かず、終点1駅前で気付いてびっくり。すぐに折り返しの電車が来てくれて助かったけど、1時間に3本~4本しかない電車なので、時間のロスは最小限で済んでほっとする。

小布施駅に降り立った時、甘い香がした。ちなみに終点1つ前の駅で降りた時は、なぜか肥料か牧舎の匂いがした。もちろん、甘い香の方が好ましい。

小布施駅から最初に向かったのは、北斎館。北斎館公式HPはこちら

駅前周辺があまりにも閑散としていて、不安になったが、少し歩くと車の往来の激しい通りに出て、小布施と言えば「栗と北斎と花のまち」の名前に相応しく、通りの両側に栗菓子司の名店が並ぶ。

北斎館前の駐車場で、「北斎館」「おぶせミュージアム」「高井鴻山記念館」の3館セット券:1000円を購入。観光地なのに、入館料はお手頃だと思う。

小布施になぜ北斎?と思われる方(私も同じく)にざっとご説明すると、北斎は晩年何度か小布施に旅に出て、郷土の豪商・高井鴻山と知遇を得、年齢差(46年鴻山が年下)を越え親交を結び、彼の庇護<すなわち鴻山が北斎のパトロン)のもと、北斎は80代半ばに鴻山が提供したアトリエ「碧漪軒」にて、晩年の集大成として肉筆画の数々を生み出した。

と言う訳で、小布施で制作された晩年の北斎肉筆画の大作が多数この町には残っている。
北斎館は、1976年11月に開館し、東町・上町の祭屋台の天井絵を置く二基の祭屋台と肉筆画を見ることができる。北斎館には第1展示室から第5展示室まであるが、メインは1階の第1展示室から第4展示室まで。

収蔵作品の一部はこちらでご覧になれます。

まずは第1展示室から。第1、第3展示室の作品は全て北斎肉筆画で全部で20点近くあった。

いきなり、冒頭で本年新収蔵品の「ぶどう」が展示されていた。これが、実に良いのだ。長野らしい画題と今の季節にぴったりの「ぶどう」。枝から蔓と薄紫色の葡萄の実までが、あっさりと品良く仕上がっている。葉っぱの葉脈まで見える。

次の双幅に、衝撃を受ける。北斎館で見た肉筆画の中でもベスト3に入る「菊」。
左幅と右幅、いずれも大輪の菊の花、種類も色々が超絶的技巧で細密に描かれていた。発色の良さは特筆もの。余程良い絵具を使っているのではないだろうか。
隣の映像室では約15分の映像が2本立てで、毎時15分と45分に1回ずつ流される。この映像によれば、西洋画技法を巧みに取り入れた成果が、この「菊」双幅に現れているとか。
まさに、名品。

「岩上の大鷲」はどこか、京都の高島屋の北斎展で見たような記憶もあるが怪しい。このダイナミックな構図は、現代のポスター感覚。

映像を観賞して、第3展示室を先に見ることにする。

最初に、本館の誇る「七小町図」(屏風仕立て)が展示されていた。
雨乞/ 草子洗/鸚鵡/通い/清水/卒都婆/ 関寺の各小町がそれぞれ屏風貼り付けてあるが、徐々に年老いて行く小町の表情が柔らかく、優しいのが嬉しかった。

「白拍子」。静御前を描いたものと思われる。着物の模様、頭の帽子の細かさ、線が活きていてとても80代の作には思えない。

「雪の信濃路」は今回のマイベスト3のひとつ。まさに小布施で描いたのだろう。雪の街道を旅行く人々が遠近法を使って、情緒豊かに描かれる。空気感さえ感じさせる。

「富士越龍」。この作品も同じく京都高島屋で見たような記憶がある。90歳、絶筆に近い作品と言われてる。富士山から右上にかけて黒雲が立ち上る。その黒雲の中に1匹の龍が天をめがけて上昇していく図。この龍は天高く舞い上がる北斎自身に違いない。

「月下漁夫」「松と桜」(双幅)、「椿と酒の切身」(なぜ、この二つを組み合わせたのか。色のコンビネーションが面白い)、「あわび、さば、えび」などなど印象に残る作品は他にも多数あり。

第2展示室は浮世絵と版本が展示されていたが、ここはご紹介を省略。

いよいよもう一つのメイン第4展示室。

祭屋台の天井絵とはいかなるものなのか、実際にその屋台を見て、初めて理解できた。
屋台の天井絵自体はそれほど大きい物ではないが、全部で4点「龍・鳳凰図」北斎85歳、「男浪・女浪」の怒涛図86歳の作品。
現在、「女浪」と「鳳凰図」は修復中、間もなく「男浪」「龍図」も修復に入るらしい。
しかし、これは凄かった。特に、印象深いのは「男浪」。
かの有名な北斎の浮世絵「神奈川沖浪裏」を思わせる、浪頭の動きを更にダイナミックかつ巨大にした作品。
「鳳凰図」はパネル展示だったが、よく見ると天使のようなものまで描かれている。これは、実作品をやはり見たい。
いずれも、発色の良さは特筆もの。修復されるとのことだが、修復前でも十分観賞に耐えうる状態だった。
陰陽五行に基づいて制作されたという。

もうひとつ。ここには日本唯一ではないかと思われる北斎デザインの木彫、『水滸伝』に登場する皇孫勝がある。晩年にして、この多彩な仕事ぶりは感動に値する。

北斎は、「日新除魔」と言って、毎日1枚獅子舞や唐獅子など獅子を題材にした墨絵を描いていた。
魔よけの日課。1枚1枚、自由闊達な発想のもとに描かれた獅子たちや下絵なども見ることができる。

2時間弱もこの北斎館にいることになったが、それだけ見どころが多いということ。
東京から出向く価値ありでした。

この後、岩松院にある大天井絵を見に行った。続きを読みたい方はクリックをどうぞ。

*新収蔵記念展は12月17日まで開催中。
小布施 北斎館
開館時間:午前9時~午後6時 (10月~3月は17時閉館) 30分前までに入館。
休館日:12月31日、1月1日
岩松院の天井絵。
本来別記事にした方が良いのですが、このまま続けます。

岩松院までは、北斎館前よりシャトルバスを利用して向かった。歩いて行くと約30分はかかるらしい。
駅前でレンタサイクルするのも手だが、気付かず後の祭り。

この岩松院は曹洞宗のお寺。ここに、北斎が89歳で描いた「八方睨み鳳凰図」がある。
画像詳細はこちら

八方睨みと言えば、金刀比羅宮の八方睨みの虎の間を思い出すが、こちらはお寺の本堂上の天井画。
大きさ21畳分。檜の板を12枚張り合わせて制作。
使用した絵具の代金は、当時の金額で何と150両!
金箔砂子が撒き散らしてあり、このために使用した金箔4400枚!
壮大なスケール。
確かに鳳凰の眼が怖い。椅子に座って静かに観賞するのだが、色々な角度から眺めて見ると、やはりどこからでも睨まれているよう。
驚くべき発色の良さ、あでやかさは、高額で上質な絵具の賜物だろう。

この岩松院は、福島正則の菩提寺でもあり、更に有名な小林一茶の俳句「痩せ蛙、負けるな一茶これにあり」をこの寺の裏庭にある「蛙合戦の池」での様子を見て詠んだ句。
土産物や寺内には蛙グッズが多数あった。

そういえば、現在出光美術館で一茶関連の展覧会を開催している。グッドタイミング。出光が呼んでいる。

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とら様

こんばんは。
以前は、寝ころび方式だったのですね。
今は観賞方法を「椅子に座って静かに眺める」方式に
変更されていました。
堂内に「観賞方法を変更した」と貼り紙されていたので
以前はどうだったんだろうと思っていたのです。

寝ころび方式の方が見やすいですね。

No title

こんばんは。岩松院の天井画は寝転んでみました。
今もそうやって見るのですか。

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