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「日蓮と法華の名宝-華ひらく京都町衆文化-」前期 京都国立博物館

nichiren

京都国立博物館で本日より始まった「日蓮と法華の名宝-華ひらく京都町衆文化-」に行って来ました。展覧会公式HPはこちら

京都開催の重量級展覧会、本展は日蓮が『立正安国論』を著し、時の鎌倉幕府前執権の北条時頼に奏進後、750年を記念するものです。
『立正安国論』を軸に、京都十六本山を中心とした諸寺伝来の多くの宝物を一堂に展観します。

展覧会の構成と印象に残った作品は次の通り。
第1部 法華文化の展開
しょっぱなから紺紙金字の法華経文、重要文化財クラスの名品の数々が揃う。

・花園天皇宸翰消息 南北朝時代 重文
花園天皇の書は、伸びやかでかつ気品があり端麗という言葉が相応しい。私であっても若干文字が判読できる。これは、新年の始まり、すなわち年賀状に等しい内容の手紙。

・法華経宝塔曼荼羅図 21幅のうち4幅 鎌倉時代
世田谷の「平泉」展でも同様の宝塔曼荼羅図が出展されていた記憶がある。宝塔自体が経文の文字ひとつひとつで形どられている。細かさ、金字の美しさが秀でる。

・聖観音立像 平安時代 瑞光寺蔵
なぜ、ここに平安時代の作例である聖観音立像が出展されていたのか記憶がないが、個人的に本展中一番好きな仏像。

・釈迦多宝如来像 長谷川等伯筆 室町時代 富山・大法寺
・日蓮像 長谷川等伯  同上
富山・大法寺に残る等伯筆の仏画が前期・後期合わせて4点出展される。
今回予想外に等伯の作品が多数出展されていた。来年開催の等伯展を意識しているのだろうかと邪推したくなるほど。

・絵曼荼羅 長谷川等伯筆 室町時代 京都・妙傳寺蔵
本邦初公開作品。本展では、展覧会開催にあたり調査を行った結果、新発見作品が多く見つかり初公開を迎えている。既出作品でも、上記のような初公開作品がくつかあるのも展覧会の大きな見どころと言える。
この絵曼荼羅も、一見して等伯だとは到底分からない。曼荼羅自体が仏の背景の描き方が菱形模様で他ではあまり見たことのない緑色の模様で構成されている。状態も良いので、描線もしっかり追うことができた。

・弥勒下生変相図 李せい筆 高麗時代 妙圀寺蔵
本作も新発見作品。高麗わたり仏画の優品作が新発見されたのはうれしい。

この他、展覧会を通じて幾つも出展されている「日蓮曼荼羅本尊」、ことに妙顕寺蔵のものはバランス・大きさともに印象深かった。文字の本尊というのはどの仏教でも通低しているように思う。

第2部 日蓮とその時代
『立正安国論』を軸として書画類を通じて日蓮の生涯をたどる。

・立正安国論 日蓮筆 鎌倉時代 千葉・法華経寺 国宝
日本史の授業ではるか昔習い、受験時代に記憶した日蓮の「立正安国論」。名前だけは記憶の片隅から呼び起こしたが、もちろん、実物に見えるのは初。
元気の良い文字が、これを著した日蓮の勢いを感じる。しかし、これが原因で佐渡に流される日蓮。

・蓮池蒔絵三重箱 江戸時代 千葉・法華経寺
立正安国論を収めていた箱。この蒔絵は特筆ものの美しさ。更に好みだったのは、箱蓋の金具。これも蓮の葉と実をかたどられている。

・日蓮入滅図 江戸時代 ハーバード大学・燕京図書館
日蓮を聖化するために描かれたとされる。釈迦の代わりに横たわるのは日蓮その人。

第3部 京都開教と西国への展開
日像による京都開教以降、西国への法華の展開と隆盛を追う。

・洛中洛外図屏風(歴博甲本) 室町時代 10/25までの展示 重文
たばこ博物館で昨年出展されていたが、これをちょうど見逃したため今回初見。
人物が非常に細かい。室町時代のものとは思えぬ状態の良さ。

・加藤清正像 江戸時代 本圀寺蔵
かの清正も法華宗徒だったとは知らなかった。

・餓鬼腹茶入 南宋~元時代 本圀寺蔵
餓鬼腹とはよく言ったもの。ソロバンだまのように真ん中が見事に膨れている。珍しい形。

第4部 京都受難の時代
織田信長による安土宗論での敗北、豊臣秀吉の方広寺大仏殿千僧供養への参加強制を巡っておこった不受不施派の弾圧という、政治と信仰との対立により被った受難の時期を振り返る。

・信長公記 巻十二 太田牛一筆 建勲神社 重文
これがかの信長公の正史と言われる太田牛一筆かと眺めた。かつて、太田牛一を主人公とした小説を読んでから気になっていた。名筆とは言いがたいが内容はしっかりしているのだろう。上記安土宗論での顛末が記載される。

・瓦経 本能寺跡南出土 室町時代
信長と言えば本能寺の変が忘れがたい。そこから出土した瓦経にはしっかり判読できる経文があった。

第5部 復興と近世文化の開花
最終章では、法華信者であった狩野元信、長谷川等伯、本阿弥光悦、俵屋宗達、尾形光琳、尾形乾山の作品が一挙に展示されている。琳派ファンには堪らないだろう。

・本能寺切 藤原行成筆 国宝
様々な名筆に倣う行成の名品。ほれぼれする。

・赤楽茶碗 「加賀光悦」 本阿弥光悦作
多分2度目。光悦の立ち上がりがすっきりした赤楽茶碗。反対側には関西初出展の同じく光悦黒楽茶碗「時雨」が展示されている。

・色絵花唐草門水注 尾形乾山作 妙法寺蔵
これは乾山の中でも屈指の名品ではないかと思う。初めて見た。注ぎ口の部分だけ緑地で模様は赤の鳥?だろうか。水注全体は白地に赤の花唐草文で、丈夫だけ青になっている。デザインの妙。

・八橋図 尾形乾山筆 文化庁 重文 前期のみ
やや画面が窮屈。ただ、なかなかお目にかかれない作品だろう。初見。

・瓢箪茶入 銘「玉津島」 南宋~元時代 徳川美術館
小さな小さな瓢箪茶入れ。

・牛図 俵屋宗達筆 2幅 頂妙寺蔵
向きがそれぞれ反対になった牛を1頭ずつ描く墨画。

・太公望図屏風 2曲一双 尾形光琳筆 京都国立博物館蔵 重文
全ての線が太公望のへそに集まるようになっている構成は光琳らしい。

・観世音菩薩像 酒井抱一筆 妙顕寺蔵
あれ?抱一も法華宗?

・唐獅子図屏風 狩野山楽筆 四曲一双 寂光寺蔵 前期のみ
「皇室の名宝展」で永徳&常信の「唐獅子図屏風」が話題を呼ぶが、京狩野を代表して山楽に唐獅子図が展示されている。初見。これは、元気が良い。むしろ、こちらの方が永徳風だと思う。大きさも永徳級。

・厩図屏風 桃山時代 二曲一双 本圀寺蔵 
作者不詳だが、見事な描きっぷりで、かつ、とても面白い作品。左右に4頭ずつの馬が描かれるが、その表情が良い。京都町衆文化の代表作品としての展示だろうか。

全体として日蓮宗の背景を知らないと、やや難解な展示内容だと感じた。ちょっと予習が必要か。もしくは展覧会を通じ1回目で法華宗の成り立ち、流れの学習をし、2回目で復習というのも良いかもしれない。しかし、上記には紹介し切れなかったが他にも等伯の仏画が多数出展されている点で特筆すべき内容であった。

*前期展示:11月3日まで。後期展示:11月5日~11月23日まで。 

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京都国立博物館「日蓮と法華の名宝」

京都国立博物館「立正安国論 奏進750年記念 日蓮と法華の名宝 ―華ひらく京都町衆文化―」[10/10-11/23] ◇先祖代々の門徒であるものにとっては、日蓮上人はちょっと縁遠い存在である。しかもその過激に他宗を非難する態度にいささか嫌悪感も抱いてしまって、ますま

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