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「速水御舟-日本画への挑戦-」 山種美術館

広尾に移転した山種美術館の新美術館開館記念特別展「「速水御舟-日本画への挑戦-」に行って来ました。
本日9時より放映されるNHK日曜美術館の特集は「速水御舟」。TV放映後は、美術館が混雑しそうなので、昨日(土曜)夜間に訪れた。開館記念特別展は休館日を除く毎日午後19時まで開館(30分前まで入場)しているのは嬉しい。

新装山種美術館では、以前なかったカフェが1階に設営された。ガラス張りで通りに面したカフェは、外からもよく見える。メニューをちらと確認したが和スイーツがそろっていて、お値段は高め。カフェの名は、速水御舟の作品にちなみ「椿」である。

展示室は地下1階。
以前の倍の広さになったそうだが、広くなった気がしなかった。理由は後述する。
本展監修者は山下裕二氏。そういえば、サントリー美術館の次回展「清方ノスタルジア」の記念講演も山下氏が登場。ご専門は室町時代の水墨画だったと思うが、近代日本画もご専門にされたのだろうか。

第1章:画塾からの出発
第2章:古典への挑戦
第3章:渡欧から人物画へ
第4章:挑戦者の葛藤
の4章から構成され、制作年代を追って約120点を展示。作品リストや概要などはこちら

本画だけでなく、習作や写生帖、御舟本人のパスポートや家族へのはがき、写真などなど資料関係も多数出展されているので、御舟ファンには見逃せない内容だと思う。
資料関係で注目したのは御舟が渡欧した際に持ち帰ったヨーロッパ絵画の写真資料。
これを見ていると、御舟がどんな作品に目を向け自身の制作に取り込もうとしたのかが分かる。
エル・グレコが気に入っていたようだ。

印象に残った作品は、最初の方に集中していた。
第1章
・≪瘤取之巻≫ 1911年
絵巻仕立て。画塾時代の最初期作品。
・≪山科秋≫ 1917年
柿の朱色は色の効果を計算した上で、使用している。

初期の作品は昨年10月に開催された平塚市美術館の「速水御舟-新たなる魅力-」の方が充実していた。同展には山種美術館所蔵作品は1点も展示されておらず、本展と平塚市美での展示、両者を合わせて御舟回顧展に相応しい内容になる。見る側から言えば、分けないで1度に見せていただきたいなというのが希望。

第2章
・≪炎舞≫1925年 重要文化財
やっと≪炎舞≫を見ることができた。初見。
思っていたより小さな作品だったが、その小さな画面には狂気さえ漂う。
燃えるような炎は渦を巻いて立ち上り、炎の回りに様々な色の蛾が飛ぶ。御舟曰く「もう1度同じ炎の色を出せと言われても出せないだろう」というほど、この炎の色は朱でもなく赤でもなく黒でもなくそれらすべての要素を持った不思議な色としかいいようがない。
画面は岩絵の具の特性からか、近づくとキラキラときらめいて、そのきらめきが炎の瞬きのように見えた。
御舟が岸田劉生を意識して精密画に取り組んでいた時代の傑作中の傑作だと思う。
もう1点重要文化財に指定されている≪名樹散椿≫1929年も、第2章で登場しているが、私はこの≪炎舞≫にコロリとなった。

・≪天仙果≫ 1926年
まだ若い青々しいイチジクと葉っぱを描く。
私が幼い頃、庭にイチジクの木があった。時期になるとたわわに実がなったが、その木になっていたイチジクの状態とそっくりで、幼い頃を思い出し懐かしくなった。

・≪紅梅・白梅≫ 各1幅 1929年
この紅白梅は、とても良かった。余白を多く取りつつ、梅の配置と枝ぶり、花の付き方どれをとっても見惚れてしまう。

この他、≪桃花≫1923年、≪百舌巣≫1925年も好印象。

第3章
この章のハイライトは修復を終え初公開となる≪婦女群像≫(未完)1934年やその大下図であろう。御舟は40歳1935年、突然腸チフスにより没す。
死の前年まで新境地となる人物群像に取り組んでいた矢先の死は、今更ながら惜しまれる。
完成していたら、どんな作品になっていたのか。未完作では彩色がほぼ手つかずなので、想像がつかない。

第4章
≪牡丹花≫≪白芙蓉≫と晩年の御舟の作品のイメージはこの第4章展示作品。平塚市美での解説でも晩年は小品ばかり展示されていたので、前章のような大作に取り組んでいたとはよもや思ってもみなかった。
最終章は第3章との比較で見ると面白い。


新しい山種美術館だが、展示空間は倍になっても仕切りが多すぎて、以前より狭くなったように感じた。例えば、≪名樹散椿≫は大画面なので、下がって見たいと普通は思う。しかし下がろうにも後ろがつかえていて下がれない。以前の展示室では最奥展示室の中央に長椅子が配され、長時間ゆっくりと名作を堪能することができたが、新美術館展示室には私の記憶する限り椅子がなかった。長時間立ち止まって見ているのは辛い。
更に、空間レイアウトが仕切りによってデコボコしているのも見づらい。章単位の区切りが分かりにくかった。

■ 『日曜美術館』の放送日程
10月18日(日) NHK教育 午前9:00~9:45
11月1日(日) NHK教育  ・再 午後8:00~8:45
10月1日(木)~11月29日(日)まで開催される
*『新美術館開館記念特別展 速水御舟―日本画への挑戦―』の出品作品と展覧会内容について紹介されます。

*11月29日まで開催中。
前期(11/1まで)・後期(11/3~11/29)で写生作品などに展示替えがあります。

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キリル様

こんばんは。
キリル様と全く同意見です。
椅子はあるにはあったのですね。気付きませんでした。
新装山種から足が遠ざかりそうです。

こんにちは。
山種には炎舞をはじめ傑作が揃っているものの、全体がすばらしかった平塚市美での展覧会がまだ強く印象に残っているので、つい比較してしまいます。
炎舞の後ろの、昆虫二題のあった部屋に一応椅子がありましたけど、千鳥ヶ淵のあの奥の部屋みたいな豊かな気分になれる空間にはなっていませんでした。とにかく仕切りをなんとかしてほしいものですね。
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