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「美しの和紙-天平の昔から未来へ-」展 サントリー美術館

washi

サントリー美術館で開催中の「美しの和紙-天平の昔から未来へ-」展へ行って来ました。

この展覧会をかなり前から楽しみにしていたのに、気付けば第2期までの展示は既に終了し、第3期に突入していた。第3期までの展示作品でいくつか絶対に見たい作品があったので、慌ててサントリー美術館に馳せ参じたが、2期までの展示だった和泉市久保惣記念美術館の「法華経第一方便品第二」を見逃したのは痛かった。くぅ~。

私は古筆切や美麗な料紙が大好きで、中でも法華経や過去に一度拝見した平家納経などこの世のものとは思えない、これは紙でなく神ではないかと思う程、神々しい美しさであった。
油断して、作品リストをチェックしないからこんなことになるのだ・・・と深く反省。サントリー美術館は展示替えが多いので、やはり要注意だ。

本展は、古筆切だけでなく和紙の多彩な世界と素材としての和紙を見つめ直し、その魅力を紹介するもの。広く和紙全般の用途を工芸品として宗教の場での使用と「そういえば、これも和紙だった」的な私たちの生活で和紙がどんな風に使われているかを改めて思い出させてくれた。

展示構成と印象に残った作品を挙げる。作品リストはこちら。展示替えが多いのでご注意ください。

第1章 和紙の成り立ちと展開
古筆切や料紙が好きな人間にとっては堪らない世界。

・紫紙金字金光明最勝王経巻第三 奈良国立博物館
まず、和紙そのものに注目。得も言われぬ高貴な紫色の紙。扇紙とキャプションに書いてあり、メモにも書いてあったが、果たして間違いないか。
次に紫紙にしっかりした筆跡の金の文字。使用されている金泥の量が多いことは一目で分かる。奈良時代の経典が今も色鮮やかな金色を留める。

・法華経法師功徳品(久能寺経) 平安時代 五島美術館 重文 10/19で展示終了
五島美術館の古筆コレクションの素晴らしさは会期は終了してしまった「秋の優品展 絵画・墨跡と李朝の陶芸」でしかと確かめた。法華経はこちらにお出ましになっていて、これを見られただけでも大満足。完本8帖が残る貴重な品。

・伊勢集断簡(石山切) 平安時代 五島美術館 10/19で展示終了
この石山切を見て、徳川美術館で2年前に開催された「王朝美の精華・石山切」展を思い出した。あの頃、ちょうど料紙に魅せられたばかりで、最初に行った展覧会だった。今にして思えば、奈良博で平家納経に感動し、次に行ったこの展覧会はあまりにもゴージャスな内容で、稀有な機会であったがそれに気付かず惜しいことをした。。いまだに、この展覧会をしのぐ内容の古筆切展に出会ったことはない。
(参考)過去ログ:http://memeyogini.blog51.fc2.com/blog-entry-186.html

今回、本展で石山切を見て本展の図録を買おうかと思ったが、図版が小さかったのでパスし、代わりに2年前の徳川美術館の展覧会図録を買うつもり。この1冊があれば国内の石山切の大半が掲載されている。

・大手鑑「筆陣毫戦」 
手鑑とは、厚手の紙で作られた折帖に、古筆の断簡を貼り込んだ作品集。古筆を手軽に鑑賞できるところからこの名で呼ばれるようになったという。
古筆を愛でつつ折帖をめくる・・・雅だなぁとため息が出る。

・佐竹本三十六歌仙 源順 10/12で展示終了
ちょうど白崎秀雄著「鈍翁・益田孝」上下を読んでいた折、この三十六歌仙を切り離し、くじびきでどの部分を購入するかの場面が出て来た所で、興味深かった。サントリー所蔵作品はどのような経緯で収まったのだろうか。

第2章 祈りの造形
ここでは東大寺のお水取りなど宗教儀式の場で、和紙がどのような形で使用されているかを展観する。
・紅帖紙 熊野速玉大社 国宝
こちらは、和歌山県立博物館の展覧会で拝見したばかり。しかし21帖の内の2帖となっているため、他の19帖の方を見たのかも。これもピンク色で美しい。キラキラと輝いていた。

・華籠(紙胎漆塗彩絵) 万徳寺 重文
紙を漆で塗って作られた籠。

お寺でも神社の儀式でも和紙は多様な形で使用されていると知った。

第3章 和紙の伝統を繋ぐひとびと
ちょっと見方を変えて、室町時代、江戸時代と和紙職人が登場する絵巻や屏風などにより、当時の職人の様子を紹介する。

・職人尽図屏風 6曲一双 江戸時代 個人蔵 10/12までその後サントリー美術館所蔵品と入替
この屏風絵は面白かった。和紙職人だけでなく、様々な職人が1階と2階で作業している様子を描く。この屏風を作った目的がよく分からない。誰が何のために作ったのか。これも風俗画なのか不思議だった。

第4章 暮らしを彩る和紙の世界
第4章では江戸時代から近代までの和紙を使用した数々の工芸品や絵画などを展示する。
階下の展示室に降りて行く階段踊り場に、2mもの大きさのイサムノグチ「あかり」があった。

ここでも「吉原遊興図屏風」(江戸時代・奈良県立博物館)や春信の浮世絵「嫁入」、「扇面貼付屏風」(桃山時代・個人蔵)等々が登場していたが、私が最も注目したのは主に日本民芸館所蔵の紙製の羽織、半纏の衣装数点だった。
夏は涼しく、冬暖かい機能性ある和紙を使用して衣服を作る。西洋人からしてみれば、紙製の衣服など考えも及ばないだろう。
しかし、和紙特有の強さがあれば衣装にしても大丈夫。更に洗うこともできるとか。
「染葦文紙衣羽織」(個人蔵)はじめ、和紙というだけでなく意匠、デザインも優れていて、「花丸文紙布団」に至っては、軽くて暖かそうで欲しいと真剣に思った。

「千羽鶴雛形」(国立国会図書館)、「小笠原龍諸式折形雛型」など、折形の実例集など初めて見たが、様々な場面で美しい実用品として和紙が活躍しているのだと感じ入った。

大阪市美の「芦辺蒔絵屏風形香合」は上から見たらきっちり真面目な仕上げなのに、側面で猫が至る所じゃれて遊んでいる様子がとても愛らしかった。

最後に和紙を実際に触れるコーナーがあり、こちらも手触り、柔らかさ、強さ、更には香まで感じ、和紙それぞれの特徴を知ることができてとても楽しめた。見るだけでなく触ったことで、例えば石山切もこんなにしっかりした紙なのかな?と思いを馳せることもできる。

作品の大半が入れ替わるので、時期を改めて是非再訪したい。紙ファンなら必見です!

*11月3日まで開催中。

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