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「原 三渓と美術-蒐集家 三渓の旧蔵品」 三渓記念館

横浜開港150周年記念特別展として「原三渓と美術-蒐集家 三渓の旧蔵品」展を見に三渓園に行って来ました。
展覧会詳細、作品リスト、展覧会チラシは三渓園HPこちら

ごく最近読み終えた白崎秀雄著「鈍翁・益田孝」上・下(中公文庫)において、原三渓と鈍翁とのつながり、
三渓が古美術蒐集を始めるきっかけや三渓園での茶会「大師会」の様子などを知ったばかり。
白崎秀雄は別著で「原三渓」についても書いているため、その人となりにまで言及する記述があり、鈍翁
の次は、三渓と思っていた所、本展の開催を知り早速行ってみることにした。

三渓が心血注いで作った三渓園は、前述の著作から私が想像していた庭園をはるかに凌ぐ壮大なものであった。
これは、もう庭園などという生っちょろいものではなかろう。
山県有朋の椿山荘の庭園など目ではない。
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椿山荘と同じような三重塔はあったが、庭園入口から望む三重塔は、はるか向こう。
いやはや、本当に凄いのである。
この大庭園、大公園の中に住宅を構えていたとは、一庶民の想像を超えて余りある。
それにしても、明治・大正期の数寄者のスケールは半端でないことだけはよく分かった。

今回、原三渓ゆかりの旧蔵品を他の美術館、個人所蔵家からお借りしての展覧会。会場は三渓記念館で、ここでは
抹茶席もあるが、内庭は外の庭に比べるとかなり貧弱で、垣根などなしにした方が良いのにと勝手なことを思う。

展示作品数は約40点と三渓コレクションは数千点に及んだというから、ほんの僅かに過ぎない。
しかし、40点と言えど当時の値段としては破格の購入額で競り落とした国宝「孔雀明王像」(東京国立博物館)と
これと比肩する仏画の優品とされる重文「焔魔天像」(Miho Museum)などコレクションを代表する名品を
集めている。

以下、印象に残った作品と感想です。

・老子出関図 伝蘇漢臣 元時代 重要美術品  畠山記念館
現時代の中国絵画の優品。非常に状態が良い上に、細部の描写、殊に右下の白い花がアクセントになっている。

・羅漢図 蔡山 元時代 重要文化財 東京国立博物館
こちらも迫力ある羅漢。羅漢の人間性まで表現しているかのような厳しい顔つきをしている。

・日課観音 源実朝 鎌倉時代
鎌倉幕府三代将軍実朝は日課で観音を描いていたとは知らなかった。素人にしては上手い。観音のかすかな微笑みが
忘れられない。

・四季山水図 伝雪舟 室町時代 重要文化財 京都国立博物館
三渓が最期を迎えるとき、病床で広げて見た作品。思い入れの強さがしのばれる。三渓は雪舟真筆と信じていたが、
雪舟ではないとの評価を聞き非常に残念がったという。
毛利家由来の「山水長巻」風の巻物である。

・周茂叔愛蓮 伝小栗宗丹 室町時代
蓮のモチーフを扱った作品が他にも数点あった。

・孔雀明王像 (本展チラシ表掲載作品)
・焔魔天像 (11/6まで展示)
この2枚の仏画が並んだ壁面は圧倒的であった。孔雀明王の華麗な美しさもさることながら、隣に並ぶ「焔魔天像」
の一種妖艶さも勝にも劣らない。「焔魔天像」は背景色も独特の色合い。赤のような青いような紫のような色。この
背景が中央の焔魔天(怖い閻魔様ではなく優美)を引き立てているように思う。

・伎楽面(カルラ) 奈良時代 重要美術品 Miho Museum
伎楽面は過去にいくつか見たが、奈良時代のものでこれだけ状態が良いものは、法隆寺宝物館でかつて
見たことがある程度。
もう1点の個人蔵の伎楽面も素晴らしかった。

・御本立鶴筒茶碗(住の江) 李朝
この茶碗には、鈍翁と名古屋の数寄者如春庵こと森川勘一郎両名が発信者となっている電報一通が添えられていた。
三渓宛のこの電報は「鶴筒茶碗を買うべし」というアドバイス?強き薦めである。
当時の数寄者同士の交流が垣間見られる一品。
なるほど、二人が薦めるのも無理はなかろうという李朝の茶碗。正面に描かれた鶴の様子が良い。

・蓮池翡翠図 宮本武蔵 江戸時代 吉川英治記念館
・敗荷 原三渓 三渓園
三渓は武蔵を敬愛していたと言う。その武蔵の水墨画とよく似た枯れた蓮花を描いた三渓。
三渓は生糸で巨大な富を築き、美術蒐集を行ったが、関東大震災後、生糸の値段の没落と震災被害の影響で、
美術蒐集を控えるようになる。
かつての栄華を失った時の三渓の心情を表す作品なのだろうか。
これを描いた時の三渓の気持ちを想像してしまった。

・遊魚 前田青邨 三渓園
・狙公 橋本雅邦 東京国立博物館
三渓は当時の日本画家たちのパトロンでもあった。自宅(下画像)に若き日の青邨らを招き美術談義に花を咲かせたという。
遊魚は非常に前衛的な六曲一双の屏風絵。これを見られただけでも来た甲斐があった。
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*11月30日まで開催中。途中展示替えが数点あります。

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「原三渓と美術 蒐集家三渓の旧蔵品」展、おすすめです!!

横浜開港150周年を記念して、 11月30日まで横浜の三渓園内の三渓記念館で 「原三渓と美術 蒐集家三渓の旧蔵品」展が開かれています。   生糸貿易で大きな財をなし、 芸術のパトロンとしても知られた原富三郎(三渓)の美術コレクションはかつて数千点を誇り、 充実

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ジバゴ様

それほどまでに、孔雀明王を気に入られましたか。
仏画がお好きでいらっしゃるのであれば
醍醐寺の霊宝館にぜひ一度お運びくださいませ。
孔雀明王とは異なりますが、素晴らしい名品に出会えます。

孔雀明王は確か仁和寺だったかにもう1点素晴らしい作品が
合った筈です。
東博での再会まで他の仏画との出会いも楽しまれては
いかがでしょう。

No title

もう終わってしまいましたが余韻覚め遣らぬデスネ。
22日に横浜美術館の三渓旧蔵品も見たあと孔雀明王像に再会を果たし
夜景に輝く三重塔を後ろに This is it を本牧の映画館で見た一日でした。
次の日は東博の予定を変更して再び孔雀明王像に会いにいきました。
唯一残念だったのが会場に再入場が出来ないシステムでこの日は一度しか入ることが出来なかったことですね。これで当分は孔雀明王像とお別れかと思うと悲しいです。

鉄平ちゃん様

はじめまして!
コメントありがとうございます。
三渓園はお庭と建築がお好きならたまらないスポットですね。
更に今回はそこへ孔雀明王はじめ名品が揃いましたから尚更です。

原三渓旧蔵品はまだまだ沢山あるでしょうから
ぜひ来年も開催して欲しいですね。

初めまして

はじめましてこんばんは。
会期末まであと10日となり、慌てて見に行きました。
しかしまあ、あれだけ密度の濃い展覧会も
そうはありませんね。
期待以上に素晴らしかったです。
特に孔雀明王と地獄草紙をストレスフリーで見られたのは最高でした。

三渓園は紅葉の盛りにはまだ早いようでしたが、
秋の古建築公開もやっていましたし、
そちらも見応えが実にありました。
建築&庭巡りの好きな私にとっては
二重にも三重にも素晴らしい一日になりました。

ジバゴ様

はじめまして。
コメント有難うございます。

孔雀明王は素晴らしかったですね。
私はMIHOの仏画目当てで掛け込んだのですが
この2つが両隣になっている状態はお見事でした。

写真、隙間なくアップしてしまったので、混乱させて
しまいましたね。
配慮が至らず申し訳ございませんでした。
今後ともよろしくお願いいたします。

No title

はじめまして。
行ってきました。
んで、また行きます。
孔雀明王像をまた観たくて

上の写真よく見ると建物と鴨、別々に写したものだったんですね。
一瞬こんなアングルあったけ? と考えてしまった。

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