スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「大・開港展 徳川将軍家と幕末明治の美術」 横浜美術館

daikaikou

横浜美術館で開催中の「大・開港展 徳川将軍家と幕末明治の美術」展に行って来ました。

本展は横浜美術館開館20周年および横浜開港150周年の記念展です。開港の前後、国家の体制の大きな変革をはさみ、日本美術が江戸から何を受け継ぎ、明治になって新たに何を生み出していったのかを見つめます。

展示構成は次の通り。
第Ⅰ章 徳川時代
1.大御所家斉と幕末の徳川将軍
2.大奥の美意識
第Ⅱ章 開港の時代
第Ⅲ章 明治時代
1.明治政府と美術 (1)輸出用の工芸品 (2)西洋画の受容 (3)帝室技芸員と博覧会
2.明治の徳川家と美術
3.新たな美術の庇護者、横浜の原三渓
作品リストや作品画像(一部)は横浜美術館の本展HPをご覧ください。

事前情報を何も見ず出かけていったのだが、まず作品リストを見て驚いた。
理由の一つは展示作品数。展示替えを含め223点もある。
もうひとつは展示替え。
「ここはサントリー美術館?」と思ったほど(リストの作りも似ていた)で、第1期(①)~第4期(④)から4期までに分かれていた。
こんなに展示替えがあるとは、想定外。
しかし、リストをじっくり見てみると、基本的には前期・後期に分かれていると考えて良い。
ただし、以下の1期間だけしか展示されない作品が何点かあるため要注意。

<1期間のみ展示作品>
・小袖、腰巻、打掛、懐紙挟、煙草入、煙管入など大奥ゆかりの品。
・河鍋暁斎 絵画 5点
・橋本雅邦 「竹鳩之図」 三の丸尚蔵館 3期(10/23~11/4)まで展示

私が行ったのはちょうど3期にあたる日で、橋本雅邦の「竹鳩之図」を見られたのはラッキーだった。

展示内容については第1章、第2章は過去に江戸東京博物館などどこかで見たことのある作品が多かった。ほとんどの出品作品は徳川記念財団所蔵のものだからだろう。

そんな中、ひとつ目を惹いた作品があった。
・御拝領御大切之御細工物 家斉より松平春嶽に下賜 福井市立郷土歴史博物館
作品タイトルに「御」の字が3つも出てくるだけで、普通ではない。
これが見たら驚く。
おままごとセットですか~と言いたくなるようなミニチュアの瀬戸物や細工物、象牙の兎や鼠。
これを一体どう使用するのだろう?
松平春嶽と言えば、幕末の名君で有名。まさか、春嶽がおままごとでもあるまいし。
単なる鑑賞用なのだろうか。
工芸の粋を集めて作ったものだということは確か。

展覧会の中心は第Ⅲ章にある。
第Ⅲ章は、東京国立博物館で行われていた(終了)「皇室の名宝」展・第Ⅰ期の第二会場の続きだと思えば分かりやすい。

したがって、「皇室の名宝展」第Ⅰ期の明治の帝室技芸員らの仕事ぶりに感嘆された方には、ぜひ本展をお薦めしたい。

第Ⅲ章は、芝山蒔絵、瓢池園(これは六本木・泉屋博古館で展覧会開催中)の花瓶、高浮彫でお馴染の初代宮川香山の陶芸作品、オールドノリタケなどの工芸品から始まる。

次にチャールズ・ワーグマンを祖として、明治時代の油彩と言えばこの人高橋由一・五姓田芳柳・芳松、そして芳松の妹の渡辺幽香・浅井忠・山本芳翠らの明治期の西洋画の歴史をたどる。

更に前述の帝室技芸員と博覧会と題して、海野勝の花瓶、並河靖之の七宝、濤川惣助の七宝、二代川島甚兵衛の織物など工芸品と狩野芳崖・橋本雅邦・河鍋暁斎、水野年方、森寛斎らの日本画が揃う。

ここで注目すべきは所蔵先。
絵画は三の丸尚蔵館、東京藝術大学などからの作品が複数あり、いずれも見ごたえがある。
工芸は川島の織物を除き清水三年坂美術館からの出展がほとんどだった。

最後に、徳川慶喜と川村清雄、川村は旧幕臣であったゆえ、明治の徳川家の美術として慶喜作品と一緒に紹介されている。
川村清雄の作品は他でポツポツ見かけることはあるが、今回5点まとめて拝見し、特に「巨岩海浜図」「海底に遺る日清勇士の髑髏」(いずいれも静岡県立美術館蔵)の2作品は、過去の川村作品のイメージを一新する驚きを感じた。オーソドックスな肖像画しか見たことがなかったが、この2点は斬新な風景図に近いむしろ単なる風景でなく想像世界を描いたような作品。
時代ことに「巨岩海浜図」は大正時代の作品で、新しい息吹を感じた。

展覧会の締めくくりは、先にアップした三渓園での特別展が開催中の原三渓旧蔵作品。
(参考)三渓園訪問・感想記録http://memeyogini.blog51.fc2.com/blog-entry-853.htmlしたがって、三渓園と一緒にご覧になると良いと思う。
ここ横浜美術館では残念ながら古美術作品は出ておらず、三渓がパトロンになっていた下村観山、今村紫紅・小林古径、前田青邨の作品などが出展されている。
小林古径「極楽井」(東京国立近代美術館蔵)が特に印象に残っている。

なお、常設展でも本展に関連し、特に写真コーナーで明治期の写真を数多く見ることができ、合わせて鑑賞されることを強くオススメします。写真もかなり楽しめます。

*11月23日まで開催中。今から行かれる方は第4期最終期の展示内容となります。

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

大・開港展-徳川将軍家と幕末明治の美術 (感想前編)【横浜美術館】

ちょっと前になりますが、今月半ばの連休に横浜美術館に行って「大・開港展-徳川将軍家と幕末明治の美術」を観てきました。かなりボリューム...

コメントの投稿

非公開コメント

21世紀のxxx者さま

こんばんは。
横浜美術館の写真コレクションは東京都写美並みに充実してるので、
当たりもハズレもありますが、毎回必ずチェックしてます。

うかつと言えば、私も次回の「束芋展」のチラシをその場で読まず
帰宅後読んでチケット購入しそびれました。

No title

たしか私は2期だったかと思うのですが、この質・量には圧倒されました。
帝室技芸員のコーナーなどが好みです。

写真の常設だけは飛ばしたんですが、明治の写真なんてあったんですね…。うかつでした。
カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
ブログ内検索
twitter
最近のエントリ
カテゴリー
最近のコメント
最近のトラックバック
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
カウンター
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。