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「菅原健彦展」 岡崎市美術博物館

sugawara

明日11月8日(日)で会期が終了する「菅原健彦展」を岡崎市美術博物館で見て来ました。
本展は、この後11月15日(日)から練馬区立美術館に巡回します。
関東一円の皆様も、「岡崎なんて無理~行けない」と思わずお付き合いください。

<展覧会概要>
*展覧会公式HPはこちら。クリックするたびに、トップページの作品画像が変わる!
菅原健彦は1962年東京練馬区に生まれ、多摩美術大学日本画専攻を卒業。在学中、加山又造、中野嘉之らに学びました。
1994年、五島記念文化賞新人賞受賞により1年間のドイツ留学を経て帰国後は山梨県内の山間部に転居。1998年、MOA岡田茂吉賞絵画部門優秀賞受賞。2001年より滋賀県大津市近在の山中に転居、京都造形芸術大学教授となり、2004年第2回東山魁夷記念日経日本画大賞を受賞し、それまでの制作活動が高く評価されました。
本展では菅原健彦の初期作品から新作までの代表作約40点を紹介します。

■作品画像は作家さんご本人のHPで見ることができます⇒こちら


菅原健彦氏の名前は現代作家の日本画には疎いため、本展で初めて知ることとなった。
チラシを見た時、見に行くか迷ったが結局行って正解だった。
岡崎市美術博物館の展示空間を狭いと思ったことは、あまりないのに、今回に限って言えば狭かった。作品が大きすぎるのだから、仕方ないことかもしれない。

展示はほぼ制作年代順に約40点が紹介されているのに、40点とは思えない充足感がある。

冒頭の作品、≪操車場≫1989年、≪首都高外環≫1993年ことに、後者を見た時すぐにアンゼルム・キーファーだと思った。
地元の名古屋市美術館の常設コーナーにキーファ-の≪シベリアの女王≫がよく置いてある(展示替えあり)。真っ先に浮かんだのが、≪シベリアの女王≫だった。
具象と抽象の間をさまようような日本画。
マチエールがまた独特の作り込みをしていて、初期作品はベニヤ板に岩絵の具や箔、顔料を使用し、バーナーで焼いているような感じ。荒々しい。
モチーフに採り上げているのも、日本画では珍しく構築物、建造物(例えば高速道路やジャングルジム)のようなハードなものが目に付いた。
≪谷中Y字路≫1993年では、自身のY字路ブームに重なり現代日本画によるY字路表現を楽しみ、長崎県の軍艦島の通称で知られる端島を描いた≪黒い船-端島≫1993年は、不穏さが全体に漂う廃墟の恐ろしさが増幅されている。

図録を後で読んだところ、やはり菅原氏は最初、同じく日本画の横山操氏の作風を好み目指しており、その後海外へ行った際、キーファーの作品を見て感銘を受け、横山+キーファー風の画面作りをしていたとのこと。
その目的は、初期作品で見事に成功している。

しかし、ここから作風はどんどん変化していく。

1995年のドイツ留学を経て、改めて日本の自然を見つめ直し、大きなひとつの転換期を迎える。
その代表作が≪淡墨桜≫2001年。
この作品は六曲一双の屏風仕立てで、これまであった色をほぼ排除し、白と黒の墨表現で勝負している。
桜を墨で描くが、たらしこみを使っている部分もあれば、作品が桜を描いているのか?分からないほど枝がうねり、ちょうど狩野永徳「檜図」のように枝はうねり狂う。
激しいストロークで桜を描き、身体全体を使うアクションペインティングなのか?と思わせるほど。
以後、このストローク中心の技法と墨で描く自然をモチーフとした大型作品が続く。

≪雲水峡≫2004年、≪無名の滝≫、≪聴音無量≫2004年などは、どれも空気を震わせるかと思うような迫力と緊迫感が画面から溢れていた。
鮮烈な印象を残す。

そして、最近のニュージーランド滞在でこれまでのモノトーン画面から一転し、光を帯びたような明るい色彩が使われた作品が登場。
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≪Pupu Springs≫2007年(上画像)は、これまでの滝を描いたような白黒ストロークの激しさから、淡い美しい色彩のストロークへ変わることで、その印象も大きく変わった。
淡い緑や紫は過去の作品でもほとんど見かけなかった。初期作品で色は使用されていたが、茶褐色や緑青ばかり。
この光あふれる新作がまた良い。

展覧会の最後には、本展のために制作された5m×10mの巨大作≪雲龍図≫と6m×8mの≪雷龍図≫を新たに制作。
この2点を見るだけでも足を運ぶ価値は間違いなくある。
新作を制作するにあたり、アメリカ・フリーア美術館所蔵の俵屋宗達≪雲龍図≫を参考にするため、わざわざ現地に飛び、現物を見に行ったそうだ。
こうして、完成した≪雲龍図≫≪雷龍図≫はもちろん、菅原独自の個性溢れる画面が完成されている。
かなりの長時間、二つの絵の間に立って、それぞれをじっくり眺める。

菅原氏は現在47歳、ちょうど私が行った時、菅原氏によるギャラリートークがあったが時間がなく参加できなかったため、お姿だけしっかり拝見した。
若々しい様子で、さっそうとしておられた。
まだまだ、これからも新しい風を日本画に巻き起こして下さることは間違いない。

愛知県近郊の皆様は、本展をお見逃しなく。
また、関東圏の皆様も、練馬区立美術館でぜひご覧になることをお薦めいたします。

*11月8日まで。

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はろるど様

こんばんは。
初期作がお好みに合うだろうと思い、推薦しました。
ナンパされたみたいで、大変でしたね。

岡崎は練馬と逆で、最後に雲龍図などの新作でした。
もう1度見に行きたかったのですが、時間切れ。
今後の作品にも期待したいです。

No title

こんばんは。ご推薦ありがとうございました。

雲龍図はちょうど入口の吹き抜けの高い場所で対になるように掲げられていました。
手狭な箱を器用に使った展示です。感心しました。

初期作の方が個人的には好みです。
近作はどちらかというと次の展開への過渡期(こんなことを言ったら怒られるかもしれませんが。)のような気もします。

すぴか様

こんばんは。
ビックリ仰天の大作揃いでしたでしょう。
茨城県の天心五浦記念美術館にも菅原さんの作品が
出展されているようです。
今月23日まで開催中です。

No title

こんにちは。
昨日行ってきました。もう最初からノックアウトです。《雲龍図》をくぐって
第1室に入るようになっているので、まずそこから、ひっかかり、入ってすぐ
《新宿風景》《首都圏境》《246》と続くので、全体を見回すのはとても無理で、
またゆっくり見ようということに、しました。
新しい人に久しぶり、大興奮です。ありがとうございました。

すぴか様

こんばんは。
実物をご覧になったら、さぞかし驚かれることと思います。
大きさもさることながら絵肌もしっかりご覧になって下さいませ。
特に最新作は凄いことになっています。
ご感想楽しみにしています。

No title

こんばんは。
菅原健彦氏、はじめてしりました。
練馬区立美術館に是非行きたいと思っています。
すばらしい絵ですね、実物を想像してしまいます。
ありがとうございました。
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