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「皇室の名宝 2期 正倉院宝物と書・絵巻の名品」 東京国立博物館 平成館

meihou

東京国立博物館 平成館で開催中の「皇室の名宝 2期 正倉院宝物と書・絵巻の名品」に行って来ました。
作品画像はこちらでご覧ください。

初日の開館前には3000人もの人が行列をなしたと聞き、びびりまくっていましたが、本日金曜夜間は入場待ちの列もなくスムースに入館できました。

2期は会期が11月12日~11月29日(日)と会期中無休(当初誤った情報を記載していたため訂正)とはいえ非常に短い。
最初、観覧順序通り第1会場に入りましたが、既に人波で作品はまるで見えない。
「これは駄目だ。」と踵を返して、出口から見て行く計画に変更。
前日読んだサライ最新号の山下裕二先生と緒川たまきさんとの対談で、山下先生が逆から回ると良いとおっしゃっていたのを思い出した。

これが大成功。

私がたどった鑑賞順は次の通り。

出口から入ると第3章「中世から近世の宮廷美 宸翰」の狩野派作品から展示は始まる。
冒頭は、狩野永岳≪散手・貴徳図衝立≫。永岳は≪源氏物語図屏風≫と2点出ているが、いずれも思わずうなりたくなる出来栄え。
京都狩野の力量を見せつける。
更に同じく京狩野の狩野永納≪寛永行幸図≫で画技の高さを証明してくれた。

狩野派と言えばこの人、狩野探幽もやっと出番で大活躍。
≪唐子遊図屏風≫≪井手玉川・大井川図屏風≫≪源氏物語図屏風≫で本気の探幽を見た。
探幽作品は数多く残っていて、よく「これが本当に探幽?」と首をかしげたくなるような・・・な作品も割とあるが、今回は本気オーラが全作品から漂っていた。
やっぱり、本気出すととにかく上手い。探幽が狩野派の代表格と言われるのも無理はなかろう。

そんな探幽の弟子、山本素軒≪琴棋書画図屏風≫にも圧倒された。この作品は冒頭の衝立の次に見た時、いきなり立派な6曲1双屏風で、リストに立て続けにチェックを入れた。以後、どんどんチェック作品ばかりになって、チェックするのをやめてしまった。
どれも素晴らしいから、全部☆になってしまう。

作家名不明の≪御即位行幸図屏風≫は屏風部門のNO.1。
探幽の唐子や素軒の琴棋も素晴らしいが、一番じっくり眺めて、ず~っと張り付いたのはこの屏風。
洛中洛外図とはいかないが、登場人物が非常に多く、またその様子も様々で、見たままを描いたのだろうか?脇役扱の人々の様子が端折られることなく、細かく楽しく描写されている。

狩野常信の≪糸桜図屏風≫も忘れられない。
「簾屏風」といって、屏風に実際に簾を取りつけたもの。簾の上からも、桜の作品を描いていた。
この屏風がインテリアだとしたら、相当立派な装飾品となる。

一連の狩野派作品群に感動した後、俵屋宗達≪扇面散屏風≫が妙に下手に見えた。
中に風神雷神と同じキャラがいたのは楽しい。琳派らしく、デザイン性に優れた屏風だった。

次のコーナーで第4章「皇室に伝わる名刀」と題し、太刀、短刀の名工作品が10点披露されていた。
刀は全く分からないけれど、ぬらりと光る刀身を見て艶めかしさを感じてしまった。いやオーラというべきか。
他に香箱セットなど雅の香漂う作品が続く。

この後、再び第3章に戻り、天皇の書作品(宸翰)が展示されているが、ここもサラリと流した。

第2会場の目玉は出口から回ると最後になる。
第2章「古筆と絵巻の競演」。NHK日曜美術館で特集されたばかりの≪春日権現験記絵≫巻1・5・19の合計3巻がぜ~んぶ惜しげもなく披露されていた。
しかし、私が行った6時過ぎ時点では、この作品に人だかりが三重になっていたため、一旦退散。

それでも≪蒙古襲来絵詞≫(下)だけは、頑張って並んで最前列で見た。
mouko

蒙古はそれほど横幅が長くないため、どの時間帯も人が並んでいる。
これがあの日本史教科書に必ずと言って良いほど出てくる元寇を紹介する作例。
ず~っと写真でしか見たことが無い作品は、ほとんど時代を感じさせず、マンガかアニメのような感じ。
それにしても、今思えば日本史の教科書の方が余程美術の教科書になっているのではなかろうか。
図画工作、美術の教科書で覚えている作品は、小1最初にもらった教科書のルドンの花束だけ。

春日権現に後ろ髪ひかれながら、ようやく第1会場へ。
第1会場も後ろから見て行こうと思ったが、入った瞬間またしても混雑(ここは小野道風や古筆切れなどの書の名品を展示)していたので、ここも後回しにして、正倉院宝物を先に見ることにした。
入口に向かいつつも正倉院宝物は気になるので、空いている所からどんどん見て行く。
この方法を取ると、作品を見落とす危険性があるため、リストに見た作品はチェックして行った。

どれもこれも甲乙つけがたい素晴らしさであり珍品ぶりだった。
≪木画箱≫(法隆寺献納宝物の文様は明らかに西方の意匠が見られて、こんなものがこの時代にと今更ながら驚き、≪螺鈿紫檀阮咸≫の装飾は、先日拝見した奈良正倉院展の阮咸より小型だが、裏の鸚鵡デザインはお見事。華麗さ100点満点。

今年は奈良と東京で正倉院の名宝をこんなに沢山見ることができて本当に幸せ~。
≪黄金琉璃鈿背十二陵鏡≫の碧と黄色と金色の鏡に残欠に赤い靴に・・・あぁもう書ききれない。

ここでやっと入口にたどり着いたがこの時すでに1時間以上経過しており、入館した時大勢いた観客もやっと減って、最前列でゆっくり見られる状態になっていた。
そこで、私の目をとらえたのは≪人物埴輪 女子頭部≫。
この埴輪の愛らしさといったらない。空洞になっている目は、どこか怖さもある。

≪聖徳太子像≫(法隆寺宝物)奈良時代も忘れ難い。
奈良時代の絵画で記憶しているものと言えば、絵因果経くらい。
絵因果経はあくまで経文だが、この聖徳太子像は正真正銘絵画。仏画の一種と言われたら、それまでだが、奈良時代の仏画もめったと、いや見たことがないかもしれない。
それにしても、奈良時代とは思えぬ状態の良さ。

ここから正倉院宝物を間に挟んで書の名品が続く。
書に関心のある私にとって、本当に凄い作品ばかりだった。ガラスケースに吸い寄せられ離れられず。

王義之≪喪乱帖≫唐時代
王義之の書真筆(11/17修正。王義之の真蹟は絶無と言われている。)を敷き写しした摸本。う~ん、これ見るだけでも再訪しても良い。

書作品で今回一番気に入ったのは小野道風≪玉泉帖≫。
真行草と書き分けた玉泉帖は、濃淡、太さ細さ、繊細さ力強さ、あらゆる要素を持ち合わせている名品中の名品。
展覧会を見終わった時、頭にこの道風の書と春日権現がぐるぐる回っていた。

≪安宅切本和漢朗詠集≫伝源俊頼の料紙の美しさといったらもう・・・。
目に焼きついた。通常だと、全画面展示されることはめったにないが、今回は春日権現に続きど~んと全部見られるようになっていたのがとても嬉しい。
キラキラ切り紙を貼ってみたり、雲母を取り入れたり、料紙部門ではNO1。

他に伝橘逸勢の書も好みだった。書はもう一度見に行きたい。

ここで閉館まで30分を切った。
最後に残した春日権現と≪絵師草紙≫に戻るため、第2会場へ向かう。
ついに三重になっていた人の垣根が消え、一列になっていた。

ところで、第2会場入口には前述の小野道風の肖像画があるが、パロディちっくでとても書家の様子とは思えない。先の名筆とこの人物像のアンマッチさが本展最大の驚き。

さて春日権現との対面。
まず、絹本絵巻であることが気になる。鎌倉時代の絹本絵巻って他に何があるだろう。。。ほとんどが紙本ではなかったか。
修復のために科学調査した所、絹本でも大変に上質な生地を使用していることが判明。

絵具も最上のものを使用しているに違いない。
さもなくば、あれほどまでの発色を現在にまで伝えられないだろう。無論、皇室所蔵で展示回数が少なかったことや修理を完了したばかりということも要因だろう。

一場面一場面、ひとつたりともおろそかにできない。
脇役も背景でさえも丁寧で美しい描写。鎌倉時代の絵巻で作者も判明して、一巻たりとも欠本がない貴重さにひれ伏したいくらいだ。
明日の日曜美術館再放送で我が目で見たものを復習しよう。


第2期は正倉院宝物、絵巻物、書など混雑を呼びやすい作品が多いため、鑑賞時間と鑑賞順序に要注意。私も、もし正当に第1会場から回っていたら、最後まで時間内にたどりつけなかったかも。
第1期は過去に見たことのある作品も結構あったけれど、今回は展示物のほとんどが初見だったため、時間が必要だったこともある。

1階に法隆寺宝物を現在の匠たちが模造した作品が展示されていますので、こちらもお見逃しなく。

*11月29日(日)まで。お早めに。

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よめこ様

春日権現はNHKで再放送されたばかり。
でも、実物を楽しめたのですからお互い良しと
いたしましょう。
あの森、あの色の美しさ、決して忘れられません。

No title

昨日(11/17)の午後に見てきました。
冷たい雨だというのに、結構な混み具合でしたが、
「出口から見る作戦」のおかげでしっかり見られました。
「春日権現」のことをよく知らないまま見に行ってしまったことに
今更ながら後悔しています。
発色の美しさには本当に驚かされますね。
勉強していけばよかった…

一村雨さま

こんばんは。
一村雨さんは、社会科の先生でいらっしゃったのですか。
かつて伺ったやもしれませんが、やっと情報が脳にたどり着きました。

> 歴史の教科書は文化史があるから、古今東西の名作が掲載されているんですよ。
> 青少年へのアート摺り込みに多大な影響があるのですね。

間違いなく、美術の教科書より歴史の教科書による摺り込み影響は
多大です。
テスト勉強やら何やらで歴史(私は日本史)の教科書はボロボロになってました。

No title

土曜日夕方に出かけました。
私も会場の回り方、参考にさせていただきました。銅鐸とかしっかり見ていたら
タイムオーバーだったことでしょう。
歴史の教科書は文化史があるから、古今東西の名作が掲載されているんですよ。
青少年へのアート摺り込みに多大な影響があるのですね。
(元社会科教師より)

せいな様

こんばんは。
効率良くご覧になれたようで、何よりです。
私も遅めの時間を狙って再訪したい。
どうしても書をもう1度見ておきたくて。
しかし、会期が短いなぁ。。。

kazuponさま

コメントありがとうございます!
こんな内容で申し訳ないですが少しでも
お役に立てば幸いです。

21世紀のxxx者さま

逆回りは今回みたいな最初にどん詰まる展示では
効果的ですね。
空いてる所から見ないと、全く進まないですから。

蒙古と春日権現は鎌倉時代のものとは思えぬ状態の良さでした。
2期は絵巻と書好きにはたまりません~。

No title

本日行ってきました!
memeさんの記事を拝見して逆回り作戦を決行したのですが
これが大成功。十分堪能することができました!

No title

私も行ってきたのですが、かなりの混雑でしたね。逆に回るとは発想もなかったなあ。たしかに鑑賞時間も並じゃなかったですw

書が好きな方にはやはり2章は凄い内容なんですね。私は疎いのでどれくらいのものか測りかねました。それにしてもどの作品も保存状態がよくて奇跡的な貴重さでしたね…。
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