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「根来」 大倉集古館

negoro

大倉集古館で開催中の「根来」展に行って来ました。

「根来」(ねごろ)とは根来塗、すなわち黒漆を塗った上に朱漆を塗り重ねた漆器のこと。
その名の由来は、和歌山県にある真言宗の総本山・一乗山大伝法院根来寺の仏具や什器として作られたものと言われている。

私が初めて根来塗に出会った時のことは今でも忘れられない。
それは今から8年程前に初めて京都の細見美術館に行った時のこと。展覧会の内容は根来と関係ないものだった(多分琳派)と思うが、細見古香庵のコレクションが最後に展示してあって、その中に根来があったのだ。
≪根来亀甲文瓶子≫と≪黒根来双蝶文瓶子≫は間違いなくあった。特に後者の蝶、というか蛾のような大きな図柄はちょっとグロテスクで強烈に印象深かった。
今回は残念ながら細見美術館所蔵品は出展されていないようだった(展示替えで前期にあったのかは不明)。

その後も、様々な展覧会で根来塗を見かけることはあったが、本展のように根来一本で行われる企画展には出くわしたことがない。
昭和41年に現在のMOA美術館、当時熱海美術館で「根来」と題した展覧会が開催されて以来だそう。
この熱海美術館での「根来」展図録は、ネットで調べたら45,000円~50,000円と恐ろしい値段が付いている。

残念ながら作品リストは用意していないとのことだったが、作品名はどれも似たような名前だし、所蔵先の多くは個人になっていたため、あってもあまり意味がなかったかもしれない。

元々仏具、什器用に制作されていたものなので、用の美を成していなければならないが、経年使用によって、朱漆がはげて下地の黒漆が顔を出している所に風情や美や枯淡の美を感じるもので、何とも日本的、日本人の美意識を象徴するかのような品物である。

古今東西、漆がはげた所の風情を楽しむ人類が他にあるだろうか?
根来に美を感じるとは、すなわち日本人であることの証のようにも思われる。

しかし、これだけ沢山の根来の漆芸品を取り揃え、作品の見せ方にも工夫を凝らしていたことをまず評価したいと思う。
大倉集古館が別の美術館のように見えたほど、その雰囲気を一変させていた。

とりわけ、古筆や古写経と合わせた展示は、根来を仏具、什器を超越した立派な美術作品に見せていたと思う。
1階にあった、「東大寺二月堂焼経」+須田悦弘さんの白椿一輪(木彫)+根来の取り合わせは、台になっていた古材がもっと古くてひなびていたら言うことなしだったのに。
それにしても、あの、「東大寺二月堂焼経」は杉本博司氏所蔵のものではあるまいか?表装の銀箔と深い緑の裂を使用していたのが似ている。
須田さんは、ギャラリー小柳が担当しているアーティストだし、組み合わせとしては至極無難。
これ、あくまで勝手な憶測です。
展示の様子はブログ「フクヘン」で画像が掲載されている⇒こちら

お気に入りの根来は沢山ありすぎて、とても紹介しきれない。
両口銚子や富岡鉄斎旧蔵の硯台や、姿の良い湯桶、足付盥(六地蔵寺)などなど。

時代の中心は室町時代が最も多く、次に鎌倉、桃山時代と時代が新しくなるにつれ、デザイン性が高まるように感じた。
根来の亜流と言って良いのか≪漆絵紅葉文大鉢≫室町時代など、赤と黒だけで、ここまでやったかという感動を覚えた。

図録がなかったので、ショップにあった雑誌『目の眼』を購入して、本展企画者の田島充氏(ロンドンギャラリー主人)と白洲信哉氏(白洲次郎、正子の末裔)の対談で、田島氏が根来とマーク・ロスコの絵画をたとえて話をされていたのが興味深かった。
確かに、ロスコのシーグラム壁画で使用されていたような赤と黒の世界はどこか共通している。

menome

無論、根来の魅力は単に赤と黒の2色だけにあるわけではなく、形の美しさという点も見逃せない。

多分、観賞者の誰もが自分のお気に入りの根来を見つけたことだろう。
漆の耐久性、用の美、枯れの美を堪能し、日本人DNAを深く感じる展覧会だった。

なお、図録は12月下旬に完成予定だが、お値段は確実に一万円を超すようです。
雑誌『小さな蕾』も大倉集古館で販売していますが、この雑誌amazonでは既にusedしかありません。

tsubomi

*12月13日まで開催中。

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根来展、須田さんの椿、大倉集古館

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翠さま

情報有難うございます。
やはり、細見所蔵の根来は出ていませんでしたか。
それは、ちょっと残念ですね。

出てなかったと思います

>今回は残念ながら細見美術館所蔵品は出展されていないようだった(展示替えで前期にあったのかは不明

前期をみましたが、細見の所蔵品はなかったと思います。
どちらも印象強い作ですからあれば、めもしていたかと。
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