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「荻泉翁コレクション-藝に遊ぶ-」 世田谷区郷土資料館 はじめての美術館57

tekisenou

世田谷区郷土資料館で開催中の「荻泉翁コレクション-藝に遊ぶ-」に行って来ました。

荻泉翁(てきせんおう)って誰のこと?と思われる方も多いことでしょう。
荻泉翁こと、故・小林克弘氏は、古美術商を営む傍ら、近世文人画の研究に精力を傾け、学究肌の収集家でもありました。
特に、古美術・骨董の情報誌『小さな蕾』に60回にも亘り掲載された「近世文人画家の系譜古き画家の心に会う旅」は、骨董ファンのみならず研究者の間でも高い評価を受けていたそうです。

生前より同氏はご自身のコレクションを世田谷区郷土資料館に寄託されておられましたが、一昨年鬼籍に入られ、そのご遺志により「荻泉翁コレクション」が同館に寄贈されることになりました。

本展覧会は、コレクション全107点の中から選りすぐりの約50点を紹介し、小林氏のご厚情に謝意を表すとともに、近世文人画に造詣深かった個人を偲ぼうとするものです。

近世文人画が、現在密やかに私のマイブームとなりつつある昨今、本展の開催はブログ「Seachang's room」で知りました。

今回展示されている作品は、玄人好みと言って良いのでしょうか。名前を知らない作家もかなりありましたが、作品の出来は良い物が多かったです。
私が名前を知っている作家では、谷文晁≪富士三保清見寺図≫≪秋江独釣図≫、岸駒≪竹虎図≫、立原杏所≪雪夜書斎図≫、鳥文斎栄之画、蜀山人賛≪桜下花魁図≫、佐藤一斎画賛≪墨竹図≫、山東京伝≪美人図・残暑≫、桑山玉洲≪春暁富岳図≫、木村蒹葭堂≪渓山問奇図≫が挙げられる。

特に、谷文晁、岸駒の≪竹虎図≫、鳥文斎栄之の作品などは非常に印象深い。
これらの作品を見ていると、文人画の面白さがおぼろげながら感じられるから不思議だ。

私にとって文人画はどれを見ても似たような感じであったのが、今回の展覧会で実はそうじゃないってことが分かり始めた。
この3連休に群馬県立館林美術館でも地元が生んだ明治の南画家、岸浪百草居の展覧会(詳細はTak様のブログをご覧ください)を拝見し、また記念講演会で東京大学大学院教授の佐藤康宏氏による「日本の南画-江戸時代の新興美術運動-」を拝聴し、日本の南画の系統と流れは大体理解できた。

その上で、この「荻泉翁コレクション」を眺めて見ると(図録で)、別の面白さや視点が出て来た。

名前を知らない作家でも、むむこれは!と思う作品がかなりあって、いつかここで見た作家だと思いだす日が必ず来そうな気がする。
例えば、馬道良・馬孟煕の山水図双幅(1797年)は中国山水図?と思うような出来栄えだし、大岡雲峰の同じく山水図双幅も奥行感があって更に情緒があり、素晴らしい。
また、展示室内のあちこちにゆったり鑑賞できるソファや椅子が置かれているので、落ち着いて心行くまで鑑賞できる環境だったのも良かった。

この内容と質で入場無料は驚きだが、更に驚くべきは図録のお値段。
超破格の600円!!!
入場料の間違いかと思ったほど。
600円の図録だからどうせ小冊子ではないのと思ったら大間違い。

栃木県立博物館の狩野派展図録とほぼ同じ大きさと厚さ、127頁、図版はオールカラー、参考文献はもちろん4名の方の論文+落款印象研究成果まで掲載された驚くべき充実した内容。
本当に600円でよろしいのでしょうか?と言いたくなります。

大きな声では言えませんが、ごく最近拝見したとある公立美術館の1900円図録との違いはあまりに大きい。。。

図録買うだけでも行く価値あります。もちろん、繰り返しとなりますが実際の作品は、質の高いものが揃っています。

世田谷区郷土資料館は、東急世田谷線(そんな線があることを今回初めて知った)の上町駅から徒歩5分程度。2両編成の電車が都内の世田谷区を走っていたことにも驚きました。

*11月29日(日)まで開催中。月曜休館
開館時間:9時~17時(入館は午後4時半まで)

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世田谷区立郷土資料館で「荻泉翁コレクション―藝に游ぶ―」を観た!

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荻泉翁コレクションー藝に遊ぶ―

世田谷区郷土資料館 2009年10月31日~11月29日  荻泉翁旧蔵のつう~な江戸の主に文人画展。もう少し華やかなものも含まれていたように思いますが、それはまた別のときに出すのかな?丁寧に賛が読んでありました。図録が600円で128ページは驚きです。ちなみに入場も無料...

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oki様

ご返信遅くなり申し訳ございません。
関西名古屋と出歩き、今回はネットをせずでしたので
ご容赦賜わりたく。

世田谷線は、三軒茶屋で乗るつもりが、乗り場が見つからず
結局バスで上町方面に向かい、帰りに上町駅から初乗車しました。
まさか、2両(いや3両だったか?)編成とは。。。
ちょっと下町っぽい雰囲気の場所で楽しかったです。
ボロ市情報有難うございます。

No title

こんばんは、ご無沙汰しています。
さすがmemeさん、世田谷は代官屋敷まで来られましたか!
東急世田谷線は準路面電車で環七を渡るときは信号待ちしますね。
memeさんは三軒茶屋から行かれたのかな、小田急乗り換えで山下から行かれたのかな?僕はあのあたりに住んでいるんです。
郷土資料館ももちろん知っていますが、企画展示室が狭いので今回もたいしたことないだろうと思っていたらずいぶん違うようですね!
図録も刊行されていましたか、それを買いに行く価値だけでもありますね。
ちなみに12/15,16,1/15,16はボロ市が開催されます、それにあわせて郷土資料館も夜9時ごろまで開館しまして、刊行物を特設に販売しますので遠い方はそれにあわせるのもいいかもしれません。
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