スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「白樺派の愛した美術」 神奈川県立近代美術館 葉山

shirakaba

神奈川県立近代美術館 葉山で明日(12/20)まで開催中の「白樺派の愛した美術」を見て来ました。

この展覧会は、京都文化博物館⇒宇都宮美術館⇒ひろしま美術館と巡回し、神奈川近美葉山が最終の巡回先である。
京都でご覧になっている遊行七恵様から本展の評価の高さは聞き及んでおり、早く行かねばと思っていたが、結局会期最終日前日になってしまった。

しかし、やはりはるばる葉山まで行って良かった。
ここ最近展覧会が入れ替わるたびに葉山へ行っているが、いつも作品リストが作られておらず、どうせ今回もないだろうと思っていたら、今回は作品リストがしっかり作られているではないか。展示作品数が200弱ほどあると思われるので助かった。今日は図録購入を見送ったけれど、次回葉山か宇都宮美に行った時に買っておこうと思っている。

本展の主旨は、雑誌『白樺』創刊100年を迎える本年、その同人たちや『白樺』に関わった人々「白樺派」が、園時代に何を刻み、私たちの時代に何を残してきたのかを改めて考えてみようというもの。

良い展覧会だと感じるか否かの判断基準は、私の場合、展覧会主旨が展示を見て行く中で鑑賞する側(私たち)に上手く伝わってくるかどうか。本展はこの基準から行けば、最初から最後まで『白樺』とは何か、そこに関わった人々の画業、夢、考え等が展示を見て行く中でつかむことができた。

私が思う本展の見どころ

1.雑誌白樺の表紙
これがずら~っっと並べられた様は実に壮観な景色だった。冒頭にこの表紙群が展示されていたが、一番ここで時間を取られた。表紙で取り上げられた作品数の多さ第1位の作家はレンブラント!第2位はセザンヌ、第3位がゴッホである。
西洋美術が日本に漸く入り始めたばかりの頃で、白樺でのセザンヌ、ゴッホの高評価が今日まで日本での人気の高さの源だというのは興味深い指摘だった。
しかし、彼らが何故とりわけセザンヌ、ゴッホに傾倒したのか、このあたりをもう少し知りたい。
現在人気の印象派作家は、白樺派には不人気で、彼らはどちらかと言えば表現主義の作家を好んで選択していた。
この展覧会と松戸市博物館で開催中の「日本の表現主義」展と合わせて見るとより、理解が深まるかもしれない。

これら表紙に採用されたゴッホ、セザンヌの油彩も展示されているが、私は一番のお気に入りのレンブラントの版画で恐らく一度も見たことがない≪アルミニウス派説教師ヤン・アイテンボハールト≫町田市立国際版画美術館にいたく感動した。やはりレンブラントは版画であっても格が違う。

また、ロダンの存在も忘れられない。
今日、当たり前のように私たちが目にすることができるロダンの彫刻も、白樺メンバーにより日本に初めてブロンズ像が紹介されることとなったのだ。

まさに、全てはここから始まった。

2.西洋版画の名品
前述のレンブラントの版画だけでなく、白樺派が採用した作家の版画作品が多数出展されている。
・ウィリアム・ブレーク
・フランシスコ・デ・ゴヤ
・ピーテル・パウル・リュベンス(ルーベンス)
・アルブレヒト・デューラー
・マックス・クリンガー
・オーブリービアズリー
・ハインリヒ・フォーゲラー

中でも、最後の3名クリンガー、ビアズリー、フォーゲラーの版画の素晴らしいことと言ったら・・・。あぁ、何で今日図録買うのやめたんだろう私。ビアズリーの『サロメ』の挿図のための素描集からの作品は、ちょっと町田久美さんの作品に通じるところがある。
更に私を狂喜させたのはフォーゲラーだった。
わずか2点≪早春≫≪愛≫だが、≪愛≫は女性の着衣の模様から作品周囲を飾る模様まで精緻で美しい。

版画好きにはたまらない展示内容だった。

3.白樺派の画家及び白樺派に関わった画家たちの作品
白樺派同人の作品より、白樺の活動に何らかの形で関わったという作家の作品が良かった。
岸田劉生、河野通勢、バーナード・リーチ。
彼ら3人の表紙絵や挿絵作品は、油彩とは違った魅力がある。

劉生やリーチの表紙や装丁作品は過去に何度か見ているが、河野の≪長與善郎『項羽と劉邦』挿絵原画・下絵≫豊橋市美術博物館は本当に素晴らしかった。松濤美術館の回顧展にもこれは出展されていなかったように思う(後で確認する)。水墨による挿絵だが洋画家とは思えない筆使い。
劉生もそうだが通勢も日本画であってもその力量は抜群だと思う。

白樺展のポスター類や実現することなく終わった白樺美術館に関する各種資料も見逃せない。
白樺美術館のために、セザンヌ作品が寄付金で購入され、兵庫の実業家が購入したゴッホの「向日葵」(戦災で焼失)まで用意されていたが、この後松方コレクションや現大原美術館のコレクションの存在が明らかになり計画は頓挫した。

この時代の最先端を行っていた雑誌『白樺』は、今の私たちの目から見てもかっこ良かった。

*12月20日(日)まで開催中。オススメです。

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

白樺派の愛した美術

白樺派の愛した美術展についても書く。 京都文化博物館のあと、全国巡回する。 とにかく白樺派は日本に後期印象派やロダンを紹介した、と...

コメントの投稿

非公開コメント

遊行七恵さま

フォーゲラーの展覧会があったとは、う~んもう1回やって欲しい。
クリンガーでもフォーゲラーでもどっちでも構わない。
ビアズリーでも良い。

七先生に頷いていただけるなんて、光栄です!

こんばんは
この展覧会は本当に面白いものでした。
元々白樺派が好きなわたしなので、どうしてもヒイキな目で見てしまいますが、memeさんの文を読んで、「そうそうそうなの!!」と大いに頷いてました。

フォーゲラーは何年前か、東京ステーションギャラリーで回顧展ありました。
どこかでクリンガー展がみたいです。ブンカムラとか・・・
カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
ブログ内検索
twitter
最近のエントリ
カテゴリー
最近のコメント
最近のトラックバック
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
カウンター
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。