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康本雅子×Tucker×束芋 ダンス・ライブ「油断髪」&束芋「断面の世代」 横浜美術館

横浜美術館で開催中の「束芋 断面の世代」展関連イベントの康本雅子×Tucker×束芋 ダンス・ライブ「油断髪」に行って来ました。

ダンス・ライブは19時半開演でしたが、その前に1時間自由に束芋「断面の世代」展を鑑賞できます。
ダンスや演劇にはあまり関心のない私ですが、今回のダンス・ライブと来年1月16日、17日に開催される演劇は、見た方が良いのではないかと、映像とのコラボレーションってどんなものなのか?と興味を掻き立てられ、更に申込先着50名には束芋デザイン本展限定のキャンバスバッグがプレゼントされると知り、慌ててネットで申込しました。

この時点で既にダンスライブのみのチケットは完売。もとから演劇とのセット券を購入するつもりだったので、申し込めたのは良かったのですが、先着50名は無理だろうとバッグは諦めモード。
しかし、届いたチケットを確認したらバッグ引換券が付いていた!うれし~。

最大の問題は、ライブ当日12/25は金曜で仕事あり。休めない。横浜に18時半にたどり着けるのかということでしたが、なせばなった。たどり着きました。

正面脇の入口には入場待ちの行列がずらりとできていて、やっと入場し、まずは座席取りして、それから2階の展示室へ向かいます。ライブは「団地層」の映像が流れる入口正面の巨大スクリーンの前で行われ、それを囲むように座席、最前列は座布団席が用意されていた。

足早に展示を見て行きます。
最初の展示室は暗い。暗い中、横一列に吉田修一作の新聞小説「悪人」の挿絵原画がずらり。
線の美しさはさすが。一番最初に束芋の作品を見た時、浮世絵風だと感じたけれど、今回は町田久美さんが描く線にちょっと似ていると思った。
それにしても、挿絵原画もこんな風に展示すると作品が映える。野口里佳「光」展もそうだったが、束芋も野口里佳も同じギャラリー小柳の扱作家さん。
展示方法には、ギャラリーの意向も反映されているのだろうか。
入場する時、ギャラリー小柳のオーナーと杉本博司さんのお姿を見かけた。もしかすると、杉本氏のアイディアだったりして(勝手な想像)。

最奥にスクリーンがあり、回り込むと「油段髪」(映像)が。
私、この作品名を「あぶらだんぱつ」だと思っていました(恥)が、正しくは「ゆだんがみ」。
「ゆだんがみ」も「あぶらだんぱつ」もどっちでもいいけど、意味が分からない。
作品を見てもやっぱり意味が分からない。この作品がベースでダンスライブが行われるらしいが、どんなダンスになるのだろう。

次の展示室で、あっと驚くことになる。
映像作品「団断」が3Dのような立体的なスクリーンで上映されている。空間を巧みに使用した演出である。
このスクリーンで見ると上下感覚が曖昧になって、それが団地(?)の部屋の中を何層かに分けて見せて、まさしく生活の断面を切り取って観客に見せる。
ただしこの作品も「油断髪」同様、いつものようなストーリー性があまり感じられなかった。

最後の展示室には2つの映像作品、いずれも新作。
「ちぎれちぎれ」は入口が狭く、一度に沢山の人が見ることができなかったため、先に「BLOW」を見る。
これは、原美術館で開催された「ヨロヨロン展」で見たお気に入りの「真夜中の海」に近い見せ方だが、更に進化していた。
観客が映像の中に取り込まれる感覚を味わえる。
自分が水の中に入ってしまったような、水中から外に映し出される風景(映像)は次はどこから、何が飛び出すのだろうというドキドキ感と高揚感を得られる。
私はこの「BLOW」が一番好きだった。

「ちぎれちぎれ」は、束芋らしい身体をモチーフにした映像だが、今回はもろに身体そのまんまを扱っている。
鏡を使うことで、「団断」と同様に空間認識を曖昧にさせている。
本展での束芋作品は空間の使い方にこだわりを見せているのが特徴的。
逆に、テツ様がブログで書かれているように、私自身がこれまで束芋作品に一番強く感じた毒気やグロテスクさ、不気味さが薄まっている。
もっと言えば、ストーリー性が映像作品にほとんど感じられなかったのは、ちょっと残念だった。

ギャラリー小柳で見た束芋個展「HOUSE」のような物語的な作品を期待していくと肩すかしに合うかもしれない。
しかし、本展は横浜美術館という広い展示空間を最大限に使用した結果、空間インスタレーションとしての面白さを映像で上手く表現していたと思う。その点ではとても楽しめる。

さて、待望のダンスライブ。
Tuckerはエレクトーン奏者との肩がきだが、そんな甘っちょろい方ではないようにお見受けした。
ギターらしきものを奏で、太鼓も叩かれ、更にシンセサイザーも操り、自在に音を作り出していた。束芋の「油断髪」に合わせる音楽は束芋本人の希望で「不穏な感じ」を出さねばならず、普段そんな音を作ったことがないのでとても苦労されたと、最後のトークで語っておられた。

耳をつんざくような音響が始まり、映像が流れ、康本さんのコンテンポラリーダンスが始まる。ダンスの善し悪しを語る資格など毛頭ないが、とっても楽しかった。ひとつひとつの動きを見ていると、さりげなく映像とシンクロしているのが分かる。
映像を見、ダンスを見、Tuckerさんの演奏ぶりを見、目が6つ欲しいと思った。

あっという間の30分。できることなら、もう1回見たい。

ライブ終了後、束芋を含め3人の方のトークセッションが行われ、競演のきっかけや裏話が披露される。
即興演奏を常々されているTucker氏は「とにかく大変だった」と奮闘と苦労ぶりを語られていたが、反面束芋は、彼女自身の中に確固としたイメージが出来上がっていて、それを共演者の2人に打ち出すアーティスト魂の強さが印象的だった。康本さんは、この両名の間に立ち、映像と音楽を結びつけるダンスを創作。
最後の影絵のようなダンスは、まさに先の二人の橋渡しの役目を果たしていた。
元々、油断髪は前述の「悪人」という新聞小説の登場人物「金子みほ」をイメージして制作されており、ダンスライブもその延長線上、つまりダンスと音楽があって本当の意味で完成したと束芋さん発言。

ダンスライブとトークについてはogawamaさんのブログで素晴らしい記事を書かれておられます。ぜひご参照ください。
<参考>
本展についての束芋インタビュー記事⇒こちら
康本雅子さんのダンスに関する過去のインタビュー記事⇒こちら

なお、6本目の新作映像は1月16日、17日の演劇で使用されるそうです。

過去ログ:束芋 「ヨロヨロン」展 原美術館 束芋苦手とか書いてる・・・。    

*3月3日(水)まで開催中。

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