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「聖地チベット ポタラ宮と天空の至宝」 上野の森美術館

tibetto

明日から仕事始めという方も多い筈。
しかし、明日もう1日休みがある方もおられることでしょう。そして、明日は多くの美術館、博物館がお休みとなる月曜日。
今日はそんな明日も開館している美術館の一つをご紹介。

年末最終日大晦日恒例(と言ってもまだ2回目)上野の森美術館で「聖地チベット ポタラ宮と天空の至宝」展を見て来ました。
会期末が1月11日(月)と迫っているため、既にご覧になった方も多いと思います。
私が聞いた前評判ではものすごい「千手観音」が拝見できるとか。。。
いつも、自分が行くと決めている展覧会は先にご感想記事を読まない私は、今回も行ってびっくり、見てびっくり。
個人的には、これまで上野の森美術館で見た展覧会で一番感銘を受けました。

確かに、解説パネルなどは不十分な点も多かったですが、展示されていたのは文字通り至宝。
少なくとも、チベット密教についてもっと知りた~いと思わせるものがあったのは間違いなし。
とはいうもののチベットは政治的に複雑な問題が絡んでおり、本展開催にあたっても抗議運動が起こっているのも事実。抗議運動詳細はこちら

が、一方で展覧会が開催されたからこそ、抗議運動などによりその問題点を観賞者も考える機会になるのではないかと思うのはきれいごとに過ぎるだろうか。

確かに負の歴史についてこの展覧会では語られていない。しかし、ことチベット密教については多くを見せてくれているのは事実である。

私が「この展覧会は面白いかも」と思ったのは冒頭の展示作品≪魔女仰臥図≫。
そもそも魔女の身体をチベットにたとえてしまうという発想が凄い。仏教がチベットに伝来したのはおよそ750年頃だが、それが伝わる前の古代チベットを象徴するチベットの大地の下には魔女がいる伝説なのだった。
魔女を抑えるためには、八卦占いの結果12の寺院を建築することが必要で、寺が建設される前の土地は湖だったという。湖を埋め立てるための土を運んだのが山羊。
地名のラサの由来として、「ラ」がヤギ、サが「土」の意味であることから、この魔女伝説が国家創設にも絡んでくる。

という訳で、序章から引きこまれ、第1章「仏教文化の受容と発展」第2章「チベット密教の精華」第3章「元・明・清との往来」第4章「チベットの暮らし」とちょっと風呂敷広げ過ぎた感はありますが、最後まで飽きさせず、驚きと発見の連続だった。

千手観音の手の数にびっくりしたのとは別に、7世紀頃の釈迦如来像にも驚いた。
日本に伝わる釈迦如来で、チベットの釈迦如来のように両脚の様子が肉感的なものはない。衣を着用しているのかどうか分からないような存在感の無さ。しかも両脚の部分だけ。
ちょっとウルトラマンを思い出してしまった。

また、チベットの仏像の特徴として貴石を使用することも印象深い。修理したのか金ぴかなものがほとんど。トルコ石と金色でまばゆいばかり。

特に印象深かったもの。
・髑髏 
チベット密教において髑髏は非常によく出てくるアイテム。仏像も髑髏を首にまいていたり、更に高僧の頭蓋骨を法具に細工してしまっているものさえあった。

・タンカ(チベット軸装仏画)
これまて、非常に興味深いタンカの数々。チベットの仏画には全てカーテンのような覆いが付けられている。覆いは今回全て上部に巻き込まれていて、下ろすとどうなるのかは分からないが、それぞれ美しい色合いの布であった。そして、その覆いの向うにある仏画もこれまた精緻で色鮮やか。16~18世紀と比較的新しいからだろうか。

・性的行法、生理的行法
チベットでは、インドのヒンドゥーと中国仏教の両方が流れ込み独自の密教文化を作り上げた。
その成果は後期密教と呼ばれる様式からなら行法を産んだが、男女が合体する≪父母仏立像≫などにそれらの行法が表現されている。

ヨガ行者である≪ミラレバ坐像≫やら≪カーラチャクラマンダラ・タンカ≫などインドの影響を強く伺われる作品が多かったのも私が強く興味を持った理由だろう。最後に出てくるチベット医学もアーユルヴェーダの流れをくみ、チベット独特の形に変わったものである。これも非常に興味深かった。現在においても有益な内容だと思う。

自分の中で、見て来たものが消化不良になってしまっているので、明日にでも図録を持って再訪しようかと考えている。やはり、解説付きで再度見たくなってきた。

数年前、埼玉県近代美術館で「マンダラ」展が開催され、まだ名古屋にいた頃、埼玉は遠く見逃したことが悔やまれる。そちらを見ていれば、もう少し本展への理解が深まったことだろう。
とにかく、これだけの宝物が集まる機会はこの先あるかどうか分からない。
ご覧になっていない方は、ぜひ足を運ばれることをお薦めします。
文化の違いを日本にいながらにして、その目で確かめることができる。

*1月11日(月)まで開催中。
この後、以下へ巡回します。
<大阪展>
大阪歴史博物館
1月23日(日)~3月31日(水)
<仙台展>
仙台市博物館
4月20日(火)~5月30日(日)

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聖地チベット ポタラ宮と天空の至宝

上野の森美術館 2009年9月19日(土)~2010年1月11日(月・祝) 会期中無休 公式サイトはこちら 実は昨年中にバタバタと観に行っていながら、まだ記事にしていない展覧会が三つほどある。書かないと昨年の「阿修羅展」のように、年末に「今年のベスト10」に入れたく...

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遊行七恵様

七先生に誉められると、小学生が先生に誉められて嬉しい
気持ちが良く分かります。
今や「あるYogini」ではなく元「Yogini」状態ですが
この展覧会はもう1度見たい。
大阪かいっそ仙台博物館へ初訪問しようかと。

書き忘れましたが、フェルト布のようなものでできている幡も
すごく気になったんです。

こんにちは
この展覧会は書きようがなくて(迫力負け~)諦めたので、読んでいて色々と腑に落ちることも多かったです。
さすが「あるYogini」だとマジで感銘を受けてます。
ミラレパは映画で見ましたが、緑色になったのもリアルだな、とか「魔女の身体map」とか、色々そのとき気になったことも思い出しました。
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