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「退任記念展 絹谷幸二 生命の軌跡 ars vita esta・vita ars esta」 東京藝術大学美術館

kinutani

東京藝術大学美術館で開催中の「退任記念展 絹谷幸二 生命の軌跡 ars vita esta・vita ars esta」に行って来ました。
展覧会の詳細はこちら

現代日本洋画界の重鎮、絹谷幸二の作品は折に付け見かけますが、ちょっと苦手な作家だった。
どこがと苦手かと問われると困るけれど、アクが強過ぎる所、グラフィカル的な所だろうか。

しかし、今回は藝大卒業制作2点から最新作まで平面、立体合わせて全50点で、見事にその画業を見せてくれた。
これで入場無料とは本当にありがたいと思ってしまった。
そのくらい、満足度は高い。
苦手だと思っていた作家を好きとはいかないまでも苦手ではなくなったには本当に嬉しい。
昨年夏の横尾忠則展も同様で、横尾さんは苦手だったのに脱帽した。今回もそれに近い。

絹谷幸二の平面作品、それも近作ばかりを私は見て来たのだろう。
今回、一番感銘を受けたのは、これまで見たことのない巨大な立体作品の数々と初期の作品やアフレスコ画である。
こんな面白い作品を制作されていたとは・・・恐れながら露知らず。

いきなり、エレベーターをおりると祝花の数々にまずは圧倒される。置ききれず展示会場にまで花が並んでいた。各界著名人ばかり。
そして、その花の香で満ちた空間で一番先に目に入るのが立体作品である。
・≪緑にしみる悲しみ≫1998年
・≪愛する者達・希望≫1997年
・≪Noi ami amo≫1998年
97年から98年にかけての立体作品が私は特に気に入った。
原色に満ち溢れ、立体化されると平面以上にこちらに訴えてくるものがある。訴えてくるものは、タイトルそのまんま。一番最初にあげた≪緑にしみる悲しみ≫は数ある立体作品の中でもやや異色かもしれない。もっともナチュラルでド派手な感じが無い。草か芝の上に青年が寝ころんでいる。彼の悲しみが芝にしみていくのか。

平面作品は奥に進むほど、古い作品になっている。
最奥に展示されているのが、東京藝大卒業制作の必須課題である自画像。遥か遠くを強いまなざしで見つめる姿は、古典的技法グラッシーで描かれたものらしい。
技法のことはよく分からないけれど、素人目で見ても他の作品とは違う技法だと分かる。
初期作品ではブルーが基調になった作品を手がけ、大橋賞や第34回独立賞を受賞する。
この時期の作品では≪諧音の詐術≫1966年が良かった。卒業制作の≪蒼の間隙≫1966年をより更に完成度が上がっている作品。
無駄なものは排除され、不気味な感じ。作者曰く、大学時代スキューバダイビングが好きでよく潜っていたそうで、これらのブルーの作品は海中をイメージして描いたようだ。

藝大卒業後、絹谷はベネツィアへアフレスコ画の研究をするため留学する。
このアフレスコ画の技法で描いた作品が3点出展されていて、これも本展の大きな見どころ。
≪アンセルモ氏の肖像≫1973年東京国立近代美術館蔵で1974年安井賞を受賞。
イタリア留学の成果。これまでの青のシリーズとは全く異なる画風の作品。この作品では赤を背景とした机、溶けてしまいそうなアンセルモ氏の顔がとりわけ印象深い。
この段階で、既にグラフィック的な感じを受け、以後の作品につながっていく技法、作風が見えてくる。

絹谷幸二は奈良市の出身。
そのため、作品全てに仏教観、無常を描くというテーマ性を感じた。
生命、愛、祈り、仏像、どの作品にも原色が溢れ、非常に力強い。そういえば、どことなく横尾さんの作品に似てるような気がしたのだけれど、私だけだろうか。

<関連企画>
■講演会 「想像力の鍛え方」
出演者:若尾文子(女優)、石井竜也(ミュージシャン)、大高 保二郎(早稲田大学文学学術院教授)
一柳 良雄(株式会社一柳アソシエイツ 代表取締役社長&CEO)、絹谷 幸二
日時:2010年1月11日(月・祝) 14:00-
会場:東京藝術大学 美術学部中央棟第一講義室定員:約160名(先着順)
聴講無料

■「作家による作品解説」
日時: 1月16日(土)、17日(日) 各日とも14:00-
集合場所: 東京藝術大学大学美術館 展示室3、4室(3階展示室)
参加無料

*1月19日(火)まで開催中。

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「絹谷幸二 生命の軌跡」 トークショー

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退任記念展「絹谷幸二 生命の軌跡」 東京藝術大学大学美術館に行ってきました。(1/8)     会期=2010年1月5日~1月19日〈3階展示室〉入場無料 退任記念の展覧会、たくさんのお花にかこまれて、華やかでしたが、やはり一抹の寂しさを 感じました。

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すぴか様

こんばんは。
作品を拝見していて、詳しく知りたくなってしまい、
椅子に置かれていた石川健次さんの著作を短時間で拾い読みしたのです。
作品も展示も濃い内容でしたよね。
ご本人の解説は私も関心があります。
記事にしていただけるのを楽しみにしています。

こんにちは。
今日一番にこちらの記事が飛び込んできました。
素晴らしい、私はいつの頃からか好きな作家で、
テレビなどでフレスコ画を習いに留学した頃
など知ってはいましたが、それ以上ではなく
あらためて教えていただきました。
ありがとうございます。
私もちらとは見てきましたが、作品解説の日に
もう一度行きたいと思っています。
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