スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「いけばな 歴史を彩る日本の美」 江戸東京博物館

ikebana

江戸東京博物館で開催中の「いけばな 歴史を彩る日本の美」に行って来ました。

すご~くざっくばらんに言ってしまえば、いけばなの歴史をたどる展覧会。美術展というより歴史やいけばながお好きな方なら間違いなく楽しめると思う内容だった。

下記展覧会構成を見ていただければ、それだけでおよその展覧会イメージはつかめるのではないか。
プロローグ いけばなの源流
第1章 いけばなの成立
第2章 豪華になるいけばな
第3章 流派の誕生といけばな大流行
第4章 はなの器
エピローグ いけばなの近現代と広がり

今では日常何気なくしている投げ入れも、源をたどれば仏に供える供花から始まった。年代的には15世紀の室町時代の京都で発生し、16世紀に確立したと解説パネルに記載されていた。いけばなの成立に関わる歴史を私は本展で初めて知り、意識することができ、それだけで足を運んだ甲斐はあったというもの。

確かに第1章で展示されていた室町時代の様々な花伝書や≪立花図屏風≫(華道家元池坊総務所蔵・江戸時代)などの図を見ると、現代の供花に近いものが紹介されている。
この頃、ただの供花が鑑賞用としての立花へと発展していったそうだ。そう思うと、室町時代というのは歴史上の派手さはないが(日本史を習っていた時、室町時代は地味だと思っていたのは私だけ?)様々な文化の発生時点として非常に文化的に重要な時代なのだと実感した。
そして、その背景に足利義政をはじめとする室町文化の担い手の存在を忘れてはならないのだ。
ということから、足利義政を紹介する映像が第1章では流れていた。

展示品の中では≪文阿弥花伝書≫(鹿王院蔵)に「花をたしなむことで現世を楽しみ来世で救われる」と仏教観につながるようないけばなの心得が記載されていたことが特に印象深い。
来世で救われるかどうかまでは分からないが、「花をたしなむことで現世を楽しむ」という言葉は現代にも通じる。

第2章で江戸時代前期に武家屋敷で儀礼の飾りとして立花が取り入れられている様子を紹介。
ここで、凄いのは安土桃山時代(1594年)に豊臣秀吉の前田邸へ御成りの際に、池坊専好(初代)が招かれて立てた花をCGで再現した映像があったこと。
実際に現在に遺されている≪池坊専好立花図≫華道家元池坊総務所や殊院蔵のもの、≪池坊専好立花図屏風≫野村美術館蔵などからも、もちろん当時の立花の様子はわかるのだが、このCGは見ていて面白かったし、邸に対してその立花がどれほど大きいものだったかというサイズが理解できたのが収穫。
最近のホテルやお正月に東博本館に展示されていたいけばなより、ずっと大きくてダイナミックだった。

池坊専好(初代)は僧侶だったというのも恥ずかしながら今回初めて知った。

第3章では公家や武家に広まった「立花」の流行がいよいよ町人層にまで及び展開していく様子を紹介している。
第3章で、何より興味深かったのは、江戸時代前期~中期には「立花」が男子のたしなみとされていたことである。
今でこそ、いけばなは男性より女性のたしなみとされるのが一般的(除く職業華道家)だが、そもそも男子が教養の一環として「立花」を学んでいる書物≪男重宝記≫江戸東京博物館蔵などが展示されているのが目を引く。

その後、中期以後複雑な立花より手軽に楽しめる「投入花」・「生花」が人気を集め、ついに女性のたしなみとして今度は≪女重宝記≫京都文化博物館蔵などで「生花」のノウハウ本が発刊されているのが実に楽しい。

また、庶民の文化を語るこの上ない材料である浮世絵にもいけばなの流行は描かれている。何点も関連する浮世絵が展示されていた中で、ものすごく発色や状態が良い鈴木春信の1枚≪浮世絵美人寄花 南の方 松坂屋内 野風 藤≫個人蔵があったのに驚く。
また、≪青楼美人合姿鏡 巻之一・二≫西尾市岩瀬文庫からは、江戸後期に遊女にとってもいけばながたしなみのひとつとなっている様子が伺われる。

第4章では視点を一気に花器へ向け、名品を紹介する。
私のお気に入りは、≪砂張舟花入 銘淡路屋船≫野村美術館蔵と野々村仁清の「色絵瓔珞文花生」仁和寺蔵。
前者は天下の三舟といわれる花器で、これがインドネシアの祭器だったとは、そしてそれを花器に見立てたあたりが心憎い。
仁清のらっぱ型の花器は今回初めてみたが、なるほど重要文化財もむべなるかなといった仁清らしい色絵が素敵だった。

エピローグでは明治から大正期のいけばなの展開を当時の資料で紹介。
ここでは、ジョサイア・コンドルが日本のいけばなを初めて世界に紹介したとされる書物≪The Flower of Japan and The art of floral Arrangement≫1891年が印象的だった。やはり、コンドルの著作は一度読んでみたい。

上記コンドル著書はじめ、展示作品の一部はブログ「フクヘン」他で紹介されています。⇒ 「フクヘン」はこちら

展覧会を見終わったら、お部屋に生花を置きたくなった。東京に来てからお花を買うことってなくなったなぁ。私自身のの生活文化の貧しさをつくづく感じた。

*1月17日(日)と会期終了はまもなく。お見逃しなく。

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

いけばな~歴史を彩る日本の美~ 【江戸東京博物館】

昨年末に久々に江戸東京博物館に行って、「いけばな~歴史を彩る日本の美~」を観てきました。意外なことに江戸東京博物館には去年はこれし...

コメントの投稿

非公開コメント

カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
ブログ内検索
twitter
最近のエントリ
カテゴリー
最近のコメント
最近のトラックバック
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
カウンター
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。