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「色彩の詩人 脇田和」展 川越市立美術館

wakita

川越市立美術館で開催中の「色彩の詩人 脇田和」展に行って来ました。

脇田和は、1908年に東京で生まれ、15歳で渡欧17歳でベルリン国立美術学校に入学し人体デッサンや版画の技術を学ぶ。この時代に15歳で渡欧ということは素封家のお生まれなのだろうか。
1930年に帰国し、小磯良平、猪熊源一郎ら新制作派協会(現・新制作教会)を創立。戦後はヴェネチア・ビエンナーレなどの国際展や東京藝術大学教授を勤め、97歳で亡くなるまで豊かな色彩感覚が画面に響く作品を残している。

脇田和の名前や作品を知ったのはいつだったろう。
まだ割と最近、多分童画展か何かで拝見したのではなかったか。
今回の展覧会では、脇田美術館の作品を中心にベルリン留学時代の作品を含む初期から晩年までの油彩代表作約50点、素描、版画など約10点により脇田和の世界を紹介するもの。

作品は年代順に並んでいたのだが、順序が分かりづらかったため、真ん中を一番最後にみることになってしまった。
スペースがそれほどないため、やむを得ないのだろうが、もう少し分かりやすい案内表示をして欲しい。

初期の作品は、ベルリン留学なのだけれど、マティスに似ていると思った。そうかと思えば、ピカソっぽい対象をデフォルメする手法も既に現れていて、後の作品では更にそのデフォルメが進み、具象絵画は抽象に近い作風になっていく。
同じ世田谷に住んでいた猪熊弦一郎もマティスやピカソに影響を受けた日本洋画家の一人だけれど、脇田和も渡欧中に彼らの作品に感化されたのだろうか。
特に≪女≫1937年世田谷美術館蔵や≪二人≫1942年はマティス風に見えた。
初期作品では≪婦人像≫1930年東京藝術大学の青の背景に力強い線で描かれた女性の顔の作品が強く印象に残る。
同じく≪金太郎≫1952年脇田美術館も黄色の身体の金太郎の腹巻?は黒で、強い色彩で迫って来る。

かと思えば、≪子供と兎と花≫1946年脇田美術館は、童画の世界観が色濃く現れていて、「私が最初に脇田和っていいなぁと思ったのは、このやさしい色合いの作風だったことを思い出した。

作品リストに好きな作品をチェックするのだけれど、気付けば半分以上の作品にチェックが付いている。
私は猪熊弦一郎がかなり以前から好きだったけれど、猪熊作品より色の使い方は優しく上手い。
この色彩を見ていると、パウル・クレーを思い出す。
特に気になったのは、赤色ベースの作品と緑色ベースの作品。
赤を代表するのは≪亜熱帯の漂流物≫1983年脇田美術館、≪暖帯≫1985年脇田美術館。
緑を代表するのは≪緑雨時≫1981年資生堂アートハウス、≪おやすみさん≫脇田美術館だろうか。

1980年以後は油彩にコラージュ技法を取り入れ、独特のマチエールに更に拍車がかかる。
描かれているものはクレーのようにはっきりとした形態を取らず、デフォルメされ見ていると色のリズムに取り込まれるような感覚が起こって来る。色といっても、先日拝見した絹谷幸二氏の作品とは異なり、強い原色をそのまま使うというのではなく、淡い色がベースで部分的に黒や褐色、原色を使用することで曖昧さを緩和している。

モチーフでは鳥を描いた作品が多い。作品名に「鳥」が入っている作品は11点ある。

一番好きな作品は≪移り香≫1993年脇田美術館、他には≪画房夢想曲≫2000年脇田美術館、≪燃える楽譜≫1987年、≪一つ咲く花≫1996年。

版画作品は、油彩で見せる色彩がなく1920年代制作の木版とアクアチント、メゾチント1975年の4点が紹介されているが、こちらではベルリンでの教育の影響をより感じる。ちょっとドイツ表現主義作家の版画作品風なのだ。

素描やスケッチブックもあり、脇田作品を知るには満足できる内容だった。
一度、軽井沢の脇田美術館にも行ってみたい。

<関連イベント>
■講演会「脇田和の素顔(仮題)」
2月20日(土) 14:00~15:30
講師:脇田智 脇田美術館理事長
申込先着80名、参加費無料
申込/1月17日(日)9:00から電話・ファクスにて川越市立美術館まで。

■担当学芸員によるギャラリートーク
2月13日(土)、3月7日(日) 14:00~
参加費無料(要観覧券) 申込不要


なお、同時開催中の特別公開「相原求一郎<北の十名山>」相原求一郎美術館所蔵も素晴らしかった。内容については次回の記事にて。

*3月14日(日)まで開催中。

コメントの投稿

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noel様

こんばんは。
第一生命ギャラリーは一度行ってみたいのですが、確か土日は休み?
でしたよね。
脇田和展と今日記事にした相原求一朗作品+雪岱小展示で川越まで
行く価値ありです。
蔵の街探索も楽しいですよ~。

こんにちは。脇田和作品は日比谷の第一生命ギャラリーに常設展示されているので、出光に行った際によく見に行きます。やっぱりクレーと通じる雰囲気に惹かれますね(音楽性というか)
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