スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「斎藤真一展 瞽女と哀愁の旅路」 武蔵野市立吉祥寺美術館

武蔵野市立吉祥寺美術館で開催中の「斎藤真一展 瞽女と哀愁の旅路」に行って来ました。

saitou

前期・後期と入替があるのは知っていたけれど、どうしても都合がつかず後期だけやっと拝見することができた。

斎藤真一作品は昨年の東京都美術館で開催された「日本の美術館名品展」で初めて出会い、強く印象に残った。

本展は、前期は旅愁あふれる初期作や、明治吉原を再現した絵草紙の世界を中心に、また後期は赫い瞽女(ごぜ)の作品群や、さすらいや街角の風景を中心に構成し、画家自身の残した言葉とともに斎藤真一の約120点の作品を紹介するものです。
展覧会詳細は、美術館HPをご覧ください(↓)。
http://www.musashino-culture.or.jp/a_museum/

しかし、この展覧会本当に行って良かった。
盲目の旅芸人・瞽女(ごぜ)の作品ばかりクローズアップされることが多いようだが、後期の最後に展示されていた街角シリーズにも惹かれた。

瞽女シリーズで使用されている「赫」は文字通り「赫」であって「赤」ではない。
もっと人間の情念やどうにもならない愛情、宿命、哀愁のようなものをこの色から強く感じた。

≪お春の祈り≫1974年、春が想い人と駆け落ちする連作は女性の視点で描かれている。
どうにもならない春の気持ちが、作品からひしひしと伝わってくるのだ。
斎藤は男性であるのに、なぜかくも女性の気持ちを伝えるような絵を描けるのだろう。
一連の作品を通してそれが一番凄いと思った。

今回私が一番好きな作品は≪玉の愁い≫1987年であったが、この何気ない油彩を見た時、自分を見ているかのようにはっとしたのだ。
この作品は1人の女性が座って、机に置いてある玉(多分、水晶玉)を愁いを帯びた表情で見つめている姿を描いている。
何というか、この女性の気持ちが手に取るように伝わって来て怖いくらいだった。
玉にこめた思い、それは何だろう?
日常の退屈さ?
好きな人への実らぬ思い?
もっと切実に迫った問題?
自身の未来が見えるのだろうか?

この作品1枚だけで、いかようにも小説が書けそうな感じ。藤堂志津子さんの小説の表紙に使用して欲しいなと思った。
また、私は斎藤作品の水彩画も好みだった。
≪青い瓶の中≫1988年、≪纏めてみたい額の中の時間≫1988年、ちょっとメルヘンチックな水彩画は「赫」の強い印象とは裏腹に優しい作品。

初期作品の実作は前期展示だったため、見逃してしまったが≪自画像≫1938年は関根正二の作品を彷彿とさせる。
帰りにこの作品のポストカードを買った。

瞽女シリーズに共通して感じたのは、岸田劉生の影響である。
特に作品に画中枠を作り、模様や飾文字を入れているあたり、劉生作品にもよく見られる手法だった。

「越後瞽女日記」を拝見していると、斎藤のペンは走り、絵画だけでなく文字も美しく、文章も達者であることがよく分かる。
展示室を出た所で、映像コーナーがあって過去に放送されたNHK出演番組を2本流していたので、そちらもしっかり拝聴した。
一度に何枚もの作品を同時平行で制作していた様子がよく分かる。

まだまだ、思いはいろいろあるのだが上手く言葉にならない。
ぜひ、実際に作品を見ていただければ、その作品の素晴らしさが分かっていただけると思う。

武蔵野市立吉祥寺美術館は、昨年も「動物画の鬼才・薮内正幸の世界展」などで楽しませていただいたが、本当に他所ではなかなかやらないような好企画をして下さる。
同館が入っている伊勢丹吉祥寺店は3月に閉店が予定されているが、同館はこれまで通りの運営を続けるようで一安心。来年度も素晴らしい企画展を楽しみにしている。

なお、今回は常設の荻原雄記念室の「萩原英雄のイソップ絵噺」全51点も見ごたえがあった。

kitsune

こちらも併せて楽しめます。

*2月21日(日)まで開催中。入館料はたったの一般100円です。オススメします。

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

「斎藤真一 瞽女と哀愁の旅路」(後期) 武蔵野市立吉祥寺美術館

武蔵野市立吉祥寺美術館(武蔵野市吉祥寺本町1-8-16 FFビル7階) 「斎藤真一 瞽女と哀愁の旅路」(後期) 1/20-2/21 「盲目の旅芸人、瞽女(ごぜ)に強く惹かれ」(美術館HPより引用)、その姿を絵画に記した画家、斎藤真一の業績を回顧します。武蔵野市立吉祥寺美術

斎藤真一展 瞽女と郷愁の旅路 【武蔵野市立吉祥寺美術館】

昨年末に武蔵野市立吉祥寺美術館へ「斎藤真一展 瞽女と郷愁の旅路」を観に行ってきました。100円で観られる展覧会でしたが、非常に濃い内容...

コメントの投稿

非公開コメント

はろるど様

いやはや、この展覧会は本当に素晴らしかったです。
余すところなく斎藤真一の魅力を伝えていたと思います。
初期作品の前期を見逃したのは、拙かったですね、お互い。

> 瞽女の心情、あの赫の効果も借りてグッと伝わってきましたね。一枚一枚の絵からドラマを感じました。

⇒ 仰る通り。まさに1枚1枚ドラマが生まれそうでした。

> しかし入場料100円にはびっくりです。武蔵野市、さすがですね!
さすがなのですが、伊勢丹閉店ですし、今後美術館としての運営を継続して
いただくことがまず第一。
良質な展示をされる美術館なので、大変貴重な存在だと思っています。

No title

こんばんは。私も名品展で鮮烈な「出会い」をして以来、とても心に気にかかっていた画家でした。こうした形で回顧展に触れられて本当に良かったです。

>どうにもならない春の気持ち

瞽女の心情、あの赫の効果も借りてグッと伝わってきましたね。一枚一枚の絵からドラマを感じました。

しかし入場料100円にはびっくりです。武蔵野市、さすがですね!

出会いがあるから様

はじめまして。
コメント有難うございます。
素人がだらだらと見たまま思ったままを綴る拙い内容です。
今後もご愛読いただければ幸いです。

21世紀のxxx者さま

こんばんは。
これは、本当に熱くなる展覧会でした。
後期だけでも拝見できて良かったです。
作品から気持ちが伝わって来るって、
ありそうでなかなかない経験です。

No title

素晴らしいブログを読ませていただきありがとうございます。
これからも更新頑張ってください。

No title

こんばんは。
私は前期に行ってきたのですが、後期も行きたいと思っています。
「赫」の持つ叙情的な風情は心にダイレクトに来て印象深い展覧でした。これで100円は本当にお徳ですよね。
伊勢丹が閉店になってもここは続くんですね。よかったー。
カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
ブログ内検索
twitter
最近のエントリ
カテゴリー
最近のコメント
最近のトラックバック
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
カウンター
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。