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「第58回 東京藝術大学卒業・修了作品展」 東京藝術大学・東京都美術館

sotsuten58

先月のこと。横浜のBankART Studio NYK で開催された「東京藝術大学先端芸術表現科卒業/修了制作2010」が結構楽しかったので、先端芸術表現科以外の日本画、油画、工芸、デザイン、彫刻など各科の卒業・修了作品展にも初めて行ってみた。回を重ねること2009年度で第58回というから歴史を感じる。

さて、本展の規模の大きさたるや驚愕に値し、会場は東京藝術大学美術学部のほぼ全棟および大学美術館だけではおさまらず東京都美術館の地下3階と1階の展示室を借りての大規模な催し。
予定鑑賞時間を大幅に超過し、それでも全てを見終えることができなかった。

基本的に、大学卒業生の作品展示は東京都美術館、大学院修士生の作品は東京藝大に展示されている。

本展でのマイベストは、油画科修士修了生の石井香菜子「予兆」。
この作品は絵画棟の1階の114号室に展示されている。中に入った途端、暗闇と入口と中を仕切る壁が立ちふさがる。
壁をすり抜け、中を覗くとそこにあったのは暗闇の中に水のような真っ黒な液体がプール状のいれものに湛えられている。そこにぽっかりと浮かんでいるのは4つほどの灯篭のような三角錐の船のようなもの。
これが静かに静かにゆっくりと動く。
思わず黙り込んで見入ってしまった。
あの瞬間が今でも忘れられない。悠久の時を感じたと言ったら大げさだろうか。
先客が1人いて、その男性もじ~っと黙って立ちすくみ作品の静かな動きをただただ見つめていた。
後で、図録で確認したら黒い水だと思ったものは油のようだ。油・・・プールと言えば原口典之。でも、あの作品とはまた全然感じが違う。

あとは、個人的に一番好きな彫刻科で気になる作家さんが数名。
まずは、宮田将寛(みやたまさひろ)「心の影~自分を見つめる~」。
今知ったのだが、この作品テラコッタだった。鉄かなと思ったのだが、大間違い。
何より最初の印象が「かっこいい~」である。
彫刻家の修士生作品は構内の彫刻棟がメイン会場。普段なかなか入ることができない大学構内の風景も併せて楽しめるのが本展のもう一つの魅力でもある。
普段は修士生の作品制作の場となっている部屋が展示スペースだが、打ちっぱなしの簡素な部屋が彫刻にぴったりマッチしていた。
細長い人物とそれと同じ長さに伸びる影?をテラコッタで制作。
シュールというか、ストイックというか、この作品も威圧され押し黙って見つめるだけ。

木彫ですぐにでも作品が売れるのではと思った作家さんは人見元基(ひとみ・もとき)。
愛らしい動物彫刻で、彩色もカラフルで楽しい。

さすが技術的には秀逸な作家さんが揃っていて、どれも甲乙つけがたいが、これは凄いと思ったのは池島康輔(いけしま・こうすけ)「メメント・モリ」。樟で制作された裸体の男性とその台座となっている怪しげな波のモチーフがうねるうねる。
他に佐藤元彦(さとう・もとひこ)の「記念写真」も妙に気になる存在感。でも、それを言ったら岡本直浩(おかもと・なおひろ)「ジキタリス」も基本に忠実、上手い。上手いだけでは職業アーティストとしては不足なのだろうか。
最後に、TWS本郷での展示が記憶に新しい海谷慶(かいや・けい)の「Oasis」も再登場。

木彫が好きなので、甘甘。
彫刻好きなので、このまま学部生の展示で気になる作家さんを。
長尾睦美「待つ人」他3点。テラコッタと木の組み合わせ。優しい印象の作品。
田畑浩太「Triangler」ミクストメディアとあるが、材は何だろう?人物なんだけど、形がきれい。
稲田侑峰 「森の年輪」「年齢を重ねる」「雨を待つ」こういう素朴な木彫が実は一番好みだったりする。
塚本響子「blue sky blue」テラコッタ。テラコッタでの人物像って最近多いような気がする。これは女性の衣装の表現が面白かった。
中尾牧子、鏡を使用したちょっと草間弥生?といった角田優「胎内鏡」、石でも良い作品が何点か。
石川直也「アメダマ傘」は白い大理石で傘をさして座り込んでる女性を表現。これも形が良い。

・・・きりがない。

本当は日本画、油画でも気になる作家さんは沢山。通常各科で図録を作成しているが油画科だけ作成していなかったのは残念。冒頭の石井さんは油画なので、あったら買ってたと思う。更に油科では版画専攻の方も何人もおられ、これがまた良くて、修士のイングレシス・ベアトリスさんの作品は色といいデザインといい素敵だった。

意表をついて面白かったのはデザイン科の作品。
思わず商品化しては?と思うような作品がいくつもあった。
デザインの美しい物楽しい物は、一番身近で楽しめるアートなのだ。
中でも、修士でバーコードを絵画化していた「えコード」の小柳祐介さん、袋物のデザインをされていた方(お名前が~失念)あれは真剣に欲しかった。
学部生で、圧倒的存在感を放っていたのが佐々木英祐「パッション」。毛穴や汗まで表現する超リアル巨大絵画は恐怖すら感じたが、ド迫力。めちゃ上手い。

全卒業生、修了生の作品が掲載されている図録(確か2500円)もあり。
私は好きな彫刻科の卒業生(500円)、修了生(400円)の各図録かわりの作品集とポストカード集を購入。
修士のポストカードはそのまま飾れるのでこれは良いアイディア。

これらの作品群の中から、大学買い上げ作品が決まる。その結果もきになる。
そして卒業制作作品には、東京藝大では必ず卒業時に制作が課題とされている自画像も、もちろん一緒に展示されているのでお見逃しなく。

卒業生、修了生の卒業を祝福するとともに、今後の一層の活躍をお祈りいたします。
素晴らしい作品を見せていただき、心から感謝感謝。

*2月3日(水)9:00~16:30(入場は16時まで)
東京藝大会場だけでも、せめて19時くらいまで開催していただけたらと願ってやみません。

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