スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「夜の美術館と現代アート茶会 気韻生動」 掛川市二の丸美術館・二の丸茶室 

kakegawa

掛川市二の丸美術館と二の丸茶室で開催された掛川現代アートプロジェクトvol.3「夜の美術館と現代アート茶会 気韻生動」に参加して来ました。

イベント概要は次の2部構成。2月6日(土)と7日(日)の夜に2回ずつ計4回(1回あたり参加者15名限定)開催され、私は7日(日)の17:20~の回に参加させていただいた。

●夜の美術館
掛川市二の丸美術館所蔵品の日本画名品や煙草道具などを作品が制作された約30年前の照度で鑑賞する。

美術館から掛川城二の丸茶室にわらじを履いて移動。待合に通されゆず湯をいただき広間へ移る。

●現代アート茶会
「記憶に残す現代アート体験」を実現するために、現代アーティストをゲストに迎え、お茶会に使える道具を1つ、職人的な技を持つ方とコラボレーションして、作っていただくプロジェクト。
第3回目の今回はアーティストの名和晃平さんが、この茶会のために制作した風炉先屏風のお披露目茶会となる。茶会には、ゲストととして名和さんと本イベントプロデューサーである山口裕美氏も参加。

初日6日(土)に参加された静岡大学人文学部・平野雅彦教授のHP(以下)に、茶会や作品画像等詳細が掲載されています。
http://www.hirano-masahiko.com/tanbou/1069.html

ほぼひと月前、Twitterでの呟きに、本イベント開催とリンクを見つけた時は我が目を疑った。
エルメスギャラリーでの個展をはじめとして大人気の名和晃平さんとアートプロデューサーの山口裕美さんがゲストの茶会って、そんな凄いイベントが本当にあるの?!

ありました。本当に。夢のようなひとときを過ごさせていただいたので、以下拙い感想をご報告しようと思います。

参加前の予習不足はお恥ずかしい限りだが、「夜の美術館と現代アート茶会」は今年で回を重ねること3回目。
1回目ゲストはミヤケマイさん    ⇒ 掛軸「初まり、始まり」
2回めゲストは中村ケンゴさん    ⇒ 棗(アクリル製) 銘「スピーチバルーン・イン・ザ・ヒノマル」
と既に掛軸と棗が制作されており、今回は待合でこの2作品をじっくり鑑賞。

イベント開催経緯は、主催者である「掛川の現代美術研究会」の発足に端を発す。同会の活動は、掛川の街なかにあるアート作品をお掃除したり、傷んでいる所がないかなど点検したりという活動から始まったそうだ。が、ある日代表の山本和子氏(掛川おかみさん会の会長も兼務)が、山口裕美氏の著書「現代アート入門の入門」(光文社新書)を読まれ、。「現代アートで街を、掛川駅前から掛川城、そして二の丸美術館を元気にできませんか?」著者の山口氏に連絡を取ったことから様相は一気に変わって来る。
山口氏曰く、「3回程ご連絡いただいて、こちらから連絡しなければいけないという気持ちにさせられた。」という一気呵成(山口氏の言葉をそのまま引用)な押しもあって、山口さんとの交流が始まった。

そして、山口氏の発案によりこのイベント「夜の美術館と現代アート茶会」の開催にこぎつける訳だが、そのあたりの詳しい顛末は、山口氏のHP「Yumi Yamaguchi Contemporary Art Lab 」に詳しいので、ぜひご参照ください。とても面白い。
http://www.so-net.ne.jp/tokyotrash/produce/06kakegawa.html

まず夜の美術館鑑賞から。
二の丸美術館所蔵作品は、個人コレクターの寄贈による煙草道具、工芸品、日本画の三本柱。
中でも煙草道具のコレクションは渋谷のたばこと塩の美術館と並ぶ収蔵品とのこと。
先に煙草道具を拝見したが、LED懐中電灯が用意され、照明の落ちた暗い環境でLEDで照らして道具を鑑賞というレアな体験はオツ。個人的には煙草道具に使用されていた古布が興味深かった。布は劣化しやすいのに状態良く保存されている。

次に開催中の「鈴木コレクション・館蔵品による「日本画名品展」の鑑賞へ。こちらは長くなるため、詳細は明日にまわすが、冒頭にあった海野勝≪屋島合戦扇的図≫紙本着色は、この美術館にこそ相応しい作品だと思う。昨年の「皇室の名宝展」1期で素晴らしい象嵌置物≪太平楽置物≫≪蘭陵王置物≫に魅了された海野勝の肉筆画を拝めるなんて、それだけで満足してしまった程。

先を急ぐ。

いよいよ茶会。
参加者15名のうち、6名のご婦人が置物で参加をされており、更に男性の方でスーツを着用されていた方が2名。
茶会なので、さすがにジーンズはまずかろうと避けたのは今更ながら賢明だったと思う。

本当に立派な茶事だったのである。

まず待合に通され、ゆずの香のお茶「九重」(仙台・九重本舗玉澤)をいただく。
明かりは和ろうそくのみ。
蝋燭の明かりというのは、こんなにも風情あるものかと改めて感じる。江戸時代にタイムスリップしたような感じ。

ゆずのお茶はほんのり甘くて実においしい。清廉な甘さというのがぴったり。
その後、床にあるミヤケマイさんの掛軸と中村ケンゴさんの棗を適宜拝見する。個人的には中村ケンゴさんのアクリル製棗が気に入った。アクリルという素材と赤と白のコントラストがポップなんだけど、なぜかマッチ。
棗は食べ物ではないけれど、美味しそうと思ってしまった。
中に抹茶が入っているのだろうか。透けて緑色が見えているのも良し。

そして、いよいよ広間へと。
ここでも明かりは和ろうそくのみ。お部屋が広いので数本の燭台が用意されている。
ほの暗さがたまらない。

お正客だけは避けるべし。私が参加した回のお正客はお着物姿の6名の方で「先生」と呼ばれてらっしゃる方だった。
茶道に精通しておられることは、身のこなしや正客としてのお話っぷりで素人でも分かった。

名和晃平さんの新作は、グル―シリーズの風炉先屏風、銘「神獣」。
*グル―とは接着剤の意。熱でとかしてピストル上のグルーガンで形を作って行く。

風炉先屏風は、通常のグル―ドローイングのように平らに置かれていない。部屋の隅に炉が切ってあるので、結界(お正客の先生曰く)となるよう中央で折れた状態で置かれている。
作品画像は冒頭の平野教授のHPをご覧いただけば一目瞭然。
茶会直前まで手を入れられていたというその作品は、龍、それこそ神力を備えた獣のようでもあるが、やはり私には延々と増殖する細胞(セル)に見えた。
また、屏風自体の作成には山種美術館の「速水御舟展」の作品にも関わった京都の有名職人様(お名前を失念)が担当された。

後で登場される名和さんよれば、「グル―は絵画としてでなく、彫刻として見て欲しい」とのこと。

茶会に話を戻す。
お手前は、前述の「掛川の現代美術研究会」代表・山本氏が勤められる。
ここでの驚いたのは、おもてなしの「点心」と一献(吟醸生原酒&掛川里山栗焼酎」の美味しさ、手のこみようである。
吟醸生原酒は毎年2月4日の立春の日の朝に搾られる超限定酒「立春朝搾り 平成二十二年度庚寅二月四日」(島田市・大村酒造)。お味はやや甘口だが、香高し。
掛川里山栗焼酎「自ら自ら」(芝川町・富士錦酒造)も初体験だったが、こちらもほんのりと栗のお味が口にほんわかと広がる。

お茶だけでなく吟醸日本酒と栗焼酎も!!!
本当によろしいんですか?いただいても。という気持ちにさせられる程、美味しかった。
お運び役は、ユニクロの名和さんパックマンTシャツでキメた「現代美術研究会」男性会員の皆様がご担当。

卒なく堂に入ったに所作に感心する。
私がもう少しアルコールに強ければ、もう1杯さかずきを受けたのにと・・・残念。

「春の点心」(掛川市・月茂登)と題されたお料理がまた美味なることこの上なし。
お酒と同じく、基本的にできる限り素材は、地元掛川産のものを使用している。

・ 菜飯       掛川初馬の月茂登女将実家のすずな、すずしろ
・ 豚のにこごり   掛川ポーク
・ 卵焼き      掛川上内田のさくら卵
・ 天ぷら      浜北のスナップエンドウ、ふきのとう
・ 酢の物      掛川はっさく、掛川のほうれん草など
・ 小吸い物     シラス真蒸 御前崎のしらす 
            梅干し 掛川の梅

どれも忘れ難く明確にお味を記憶しているのに、なぜか梅干しだけ記憶がない。暗くて食べ忘れた?
中でも「豚のにこごり」は名和さんの作品をイメージして料理長が新たに考案されたそうで、プルプルとしたゼリー状の食感とピクセルのイメージを重ね合わせたのかと推測。

お道具に移る。

床の間には通常掛軸などがあるが、今回は掛軸かわりに山口氏所蔵の名和さんビーズ≪スーパーマリオ≫がいました。ちっちゃいカラフルなマリオが5体。ガラスの粒も小さめで、羊とか先日のエルメス「L_B_S」で巨大なビーズシリーズを拝見したばかりなので、小ささが逆に新鮮だった。

水指は切子硝子のものを使用。
ガラスを冬の茶事で使用するのは、本来ならあり得ないのだろうが、ビーズシリーズと併せて使用すると違和感はまるでない。

山本氏のご挨拶やお道具説明などがあり、山口裕美さんのご紹介とアート作品や作家の名和晃平さんの紹介と茶会は楽しく進んで行く。
二の丸美術館所蔵品の煙草盆も、さりげなく畳の上に置かれていて、参加者一堂に順次回され、触ったり、煙管をもったりと鑑賞した。この煙草盆の説明は二の丸美術館の学芸員の方が行って下さったが、明治期のものだとか。
普段、ガラスケース越しにしか見られないものを触れるという貴重な経験にまたも高揚する。

宴もたけなわになる頃、にいよいよ名和さんの登場~。って茶会ゆえ拍手はなし。

グル―についての説明や作品への思いを訥々と語られる。
ワタリウム美術館での講演会と比べると、どこか照れくさそうなご様子とお見受けした。

和やかな雰囲気に背中を押され、思い切って名和さんへお尋ねしてみた。
「ワタリウムでの講演会でテクスチャーを重視しているとおっしゃっておられましたが、、テクスチャーとはどんな意味で使われていらっしゃるのか?」

名和さん「テクスチャーは触感の意味。本当はこの風炉先屏風も実際に触って欲しいと思っている。自分にとって触感は触った時の感触というだけでなく、目で見た時の感触も含めて重視している。」

なるほど、だから冒頭でグル―は彫刻とおっしゃっていたのだった。
思えば、ビーズもグル―もscumも触感を刺激される作品たちということに気付く。

名和さんの作品を二つも前にして、素晴らしいゲストとの会話と美味しいお料理とお酒をいただき、次に茶菓子⇒薄茶が供される。

茶菓子は3点。うちひとつは「辻占 福寿草」(金沢市・諸江屋)で、中を割ると私のには「いいものハこれ」とビールジョッキと杯のイラストがちっちゃく描いてある。
主菓子の「梅花蓍蕷饅頭」(掛川・梅廼家)はお饅頭の皮がしっとりして、格別美味しかった。
お抹茶も掛川産「若葉の白」(掛川・松下園)。
掛川は「煎茶の生産主体で、抹茶は作られていなかった。煎茶用の茶葉と抹茶では生育方法がまるで異なる。」と私の席の近くにおられた現代美術研究会の女性会員の方に教えていただく。

名残り惜しいが、楽しい時が経つのは早いもの。あっという間に1時間が過ぎ、茶会は終焉を迎える。
ご正客の立派なご挨拶(おもてなしへの御礼と総括感想)で無事茶会は終了した。

本当に夢のようなひととき。

心づくしのおもてなしをして下さった掛川の現代美術研究会、掛川市二の丸美術館、名和晃平さん、山口裕美さんら関係者の皆様に心より御礼申し上げます。

掛川には資生堂アートハウスを訪ねて何度か来ていたが、お土産に頂戴した『掛川ミュージアム&ギャラリーMAP』を見ると、市内には二の丸美術館をはじめ、ねむの木美術館、ギャラリーなどもあると知った。
掛川アート巡りにMAPは最強アイテムになること間違いなし!

来年も抽選に当たるよう(今年は倍率2倍!)お祈りしつつ、終りとします。
長文にもかかわらず、最後までお読み下さった方、ありがとうございます。

注:記事アップ時から第1回ゲストアーティストのミヤケマイさんのお名前と名和さんのビーズシリーズをピクセルシリーズと誤表記していました。
この場を借りて、深くお詫び申し上げます。

*2月9日23:25 修正。

コメントの投稿

非公開コメント

遊行七恵様

コメントと励まし有難うございます!
掛川頑張ってますよ~。

修復に、かなり手こずりました。
今日はFC2強制終了せず、安堵。
ってことは、やっぱりPCでなくFC2サーバーに
関係して落ちまくるんでしょうね。

No title

こんにちは
memeさんの興奮と歓喜がよーく伝わりますよ。
シロートのわたしもドキドキしました。
掛川もやりますね~

ところで直ってよかったですね。

noelさま

こんばんは。

こんなにも長々とした文章をお読みいただいて、本当に有難うございます。
しかし、間違いだらけで、ビビリました。
「九重」をご存知とは、さすがです。

No title

詳細レポありがとうございます~ 本当に夢のようなお茶会だったのですね!うらやましい!「九重」のお茶は美味しくて好きなのです。 次のレポも楽しみです。
カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
ブログ内検索
twitter
最近のエントリ
カテゴリー
最近のコメント
最近のトラックバック
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
カウンター
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。