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「鈴木コレクション・館蔵品による日本画名品展」 掛川市二の丸美術館 はじめての美術館65

kakegawa2

前回の「夜の美術館と現代アート茶会」の続き「夜の美術館編」です。

掛川には、資生堂アートハウスの展覧会を見に結構訪れている。直近では昨年12月に「小村雪岱展」を見に行ったばかりで、今回も二の丸美術館へ行く前に、現在開催中の「山名文夫展」を見て来た。
*「小村雪岱展」過去ログ ⇒ こちら

資生堂アートハウスは新幹線駅側方向にあるため、反対の北口には行ったことがなかった。
今回初訪問した掛川市二の丸美術館は掛川城、御殿がある「掛川城公園内」にあった。掛川駅から徒歩で約10分。
二の丸美術館HP ⇒ こちら

北口を出てまっすぐ歩くと、すぐにお城が見えてくるのでいくら方向オンチの私でも迷うことはない。
駅周辺や駅からお城のある大手門までの道を「掛川アートプロムナード」として、「Public Art&Design」と題したリーフレットで街なかのアート作品を紹介している。リーフレットは、「現代アート茶会」を主催していた「掛川の現代美術研究会」で編集・発行しておられる。

さて、掛川市二の丸美術館は、大手門を通り、お城の天守閣を横に見つつ、ちょっと奥に入った場所にあった。
純和風建築で、一瞬お城の施設なのかと見まごう程。

30年前の明るさで美術館内を鑑賞するという粋な企画が今回の売り物。
特に日本画を見る際の照度へのこだわりは、若冲作品はじめとした日本美術コレクターとして著名なジョー・プライス氏の提唱する所でもあり、過去に開催されたプライスコレクション『若冲と江戸絵画』では照度を変えて作品を鑑賞するという試みがとても印象に残っている。以後他の美術館でも徐々に照明を落とす、またその反対の過程で作品の見え方を楽しむという展示方法を時折見かけるようになった。

鑑賞させていただいたのは、同館で開催中の「鈴木コレクション・館蔵品による日本画名品展」と常設の煙草道具などである。
鈴木コレクションは、昭和54年(1979年)に故鈴木始一氏から掛川市に寄贈された近代日本画44点を有する。

1階が第二展示室、地下一階に第一展示室があり、まずは1階の第二展示室の作品12点から鑑賞。
作品リストがちゃんと用意されていてて嬉しい(近頃作品リストのない美術館も多いので)。

冒頭は前回も書いた通り、明治の彫金家の海野勝「屋島合戦扇的図」(制作年不詳・紙本着彩)。
有名な屋島の戦いの一場面を描いた歴史画であるが、繊細な筆使いで思わず唸ってしまった。船の上の扇を掲げた姫の美しいこと。
海野の日本画というのは他にもあるのだろうか?
彫金家としての海野の絵の上手さ、あれだけの象龕細工を作るのだから、絵の上手さも当然かもしれないが、下絵でなく本画であることに感動した。
他ではなかなかお目にかかれない作品だと思う。少なくとも私は初めて海野の絵画作品を目にした。

次に、竹内栖鳳の双幅「鴉」(紙本・墨画)1901年が登場。栖鳳は他にもう1点「秋の実り」(絹本着色)という小ぶりな作品が出展されていたが、ちょうど村松梢風著『本朝画人傳』巻七(中公文庫・絶版)で栖鳳の部分を読んでいた所だったので、これも興味深く眺める。「鴉」のようなあっさりした墨画は栖鳳作品の緻密なイメージとかなり違った。宮本武蔵の水墨画を思い出してしまった。

そして、海野勝の日本画の続いて、注目したのは速水御舟(1894-1935年)「赤城路の巻(草稿)」1916年作(41.2×183.5)。御舟22歳頃の絵巻草稿である。ネットで検索したら、青梅市立術館が「赤城路の巻」を所蔵されているようで、これが完成作なのか同じく下絵か草稿の類なのかが気になる。
密集した松の樹木と向かって左に山(だったと思う)。御舟が劉生の影響か超写実画などに取り組む前の作品だろう。

他に再興日本美術院に出品された山村耕花「宋三彩劃花壺(壺三題の内)」1922年や次回東近美で個展開催の小野竹喬「秋の山」1950年頃が印象深い。

地下1階へ降り、第一展示室へ。こちらの方が広めの空間になっていて24点が展示されていた。
美人画の伊東深水「鏡獅子」1940年頃、安田 靫彦「水仙」1940年、川端龍子、横山大観と近代日本画のBIG NAME作家作品が続く。

その中で目を惹いたのは、前田青邨「櫻」(絹本着彩)、福田平八郎の「りんご」(紙本着彩)、そして最後の方に展示されていた川端龍子「狩の雨」(紙本着彩)であった。
特に、福田平八郎「りんご」は面白い。へたの部分が黄色で、確かにリンゴと言えばリンゴなんだけれど、1階で先に見ていた同じく福田の「猫柳」は福田作品らしいのに、リンゴは妙にリアルで彼らしくない作品なのだった。

川端の「狩の雨」は第一展示室でのマイベスト。やはり好きな作家の作品をごひいきにしてしまう。
「狩の雨」は墨のにじみを上手く利用して、情緒漂う美しさがあった。

最後は、駆け足になってしまったのが残念だけれど、他に奥村土牛「金魚」(紙本着彩)1951年、徳岡神泉「櫻」、中川紀元「鯉」、結城素明「初夏の花」にチェックマーク。

お土産の中に、今回も展示されていた東山魁夷「萌春」1950年頃のポストカードが入っていたのも嬉しいご配慮でした。
コレクターの故鈴木氏は、本当に日本画がお好きだったのだろうなと感じる作品たちです。

*2月14日(日)まで開催中。
次回の企画展は「日本画にみる風景-富士を愛でる 山水から風景画へ」と本館リニューアル改装中により休館中の静岡県立美術館の日本画コレクションより風景画を展観するもの。
開催期間:2月20日~3月28日(日) 3月6日(土)午後2時より展示解説あり。

最後に夜の美術館鑑賞後に写した掛川城です。

kakegawa2

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