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公募京都芸術センター2010 森川穣 「確かなこと」 京都芸術センターギャラリー南

morikawa

「公募 京都芸術センター」2010の入選作:森川穣「確かなこと」を観て来ました。

毎年審査員は交代しており、本年度審査員は映像作家の河瀬直美氏。126件の応募作品の中から、入選作は2点で森川穣(もりかわ・みのる)ともう1点は、寺島みどり「見えていた風景 - 記憶の森-」(ギャラリー北)と決まった。
*作家プロフィールは上記にリンクした展覧会HPをご覧ください。

森川は、細長いスリットを使用した空間インスタレーションとピンホールカメラで撮影した写真を展示している。

ギャラリー南の展示室に入ると、まず正面に見えるのは真っ白な壁に開けられた横長のスリット。
どこかで、最近こんなスリットを観たと思ったら、金沢21世紀美術館で開催中の「オラファー・エリアソン展」であったと思い出す。

エリアソンはスリットで光を表現したが、森川のそれは違う。
作品「確かなこと」はスリットを観賞者がまず覗くことから始まる。

スリットの向うは、最初目が暗さになれないため真っ暗だったが、次第に目が慣れてくると徐々に様々なモノが目に入って来る。
私の場合、最初見えて来たのは「くしゃくしゃに丸められた紙」だった。
そして、モノが見えてくるより前に生温かい空気の流れがあることを感じた。ちょっと湿っぽい匂いもしたような気がする。
徐々にスリットを覗きながら横歩きで進んで行く。
すると、観えるモノたちも違っていることにすぐに気が付く。
ゴロゴロした石、砂、正体不明のゴミのようなもの、いつの時代のものか分からないような古新聞etc。

最初、石が多いように思ったので、川岸にあるモノを集めて設置したのかと思いきや、大間違い。
これらは、全て会場となっている京都芸術センターの床下から集めたモノたちだった。

森川は公募作品制作にあたり、「この場所の地霊に向き合いたいと思った。」そして、その方法としてギャラリー南に向かうまでの廊下にその「入り口」を発見する。床下に続く排気口は釘止めされ閉ざされていたが、床下に潜り(もちろん許可を得て)普段人の目に触れない床下の地霊を地上に救い(掬い)出した。

スリットの奥には先の観えない闇と確かなモノたちの存在をしっかりと感じる。
視覚だけでなく、土埃の匂い、生温かい風、嗅覚、触覚までも刺激される。
ずっと圧し留められてきた時間が、漸く地上に出て流れ始めたような気がした。

平成12年4月にオープンした京都芸術センターは、昭和6年に改築され、戦前の番組小学校の特徴をそのまま残している元明倫小学校の既存施設をできる限り生かし芸術センターとしての機能を担えるよう平成11年に改修を行った建物。平成20年には、登録有形文化財として登録されている。

越後妻有トリエンナーレの廃校プロジェクトなど場所を変えて行えば、また違ったモノ、匂い、感覚を得られるのではないだろうか。その場所その場所で地霊の存在も異なるのか、はたまた地球ひとつの地霊は全て同じなのか、確かめてみたい。

展観が逆になってしまったのだろうが、展示室に続く廊下の各窓下にA4サイズほどのモノクロ写真が置かれている。この写真の下、すなわち窓の下にあるのが、前述の排気口。
写真は排気口に設置したピンホールカメラがとらえた画像、これが、一見すると杉本博司の「劇場シリーズ」を思い起こさせるような作品で、ちょうど排気口が白くなっていて、劇場シリーズの「舞台」のように観えたのだ。

写真は各排気口により黒白の強弱がまるで違う。
並んでいる写真を比較しつつ観ると面白さが分かって来る。各排気口における光の違いによる差のためなのだが、霊界への出入口を視覚化したようで、ちょっと怖い。

視覚、嗅覚、触覚と来て聴覚がないなと思っていたら、ちゃんとあった。
下記の通り「確かなおと」と題し、作品「確かなこと」をこの日だけのサウンド・インスタレーションとともに体験できる機会が設けられている。一体どんな音を聞かせてくれるのだろう。

●森川穣「確かなおと」
 時間 : 10 : 00-20 : 00 | 会場 : ギャラリー南

本作品の仕掛けは一体どうなっているのか、上からの壁はぶら下げているとして、奥には箱上のものが設置されていて、その上に床下のモノたちを置いたのか。

素晴らしい空間インスタレーション作品だった。
なお、森川の主宰する『Studio90』で別作品「雨の降るを待て」(予約制)も今回鑑賞して来たので、次回に続く。

*2月24日(水) 10:00-20:00 会期中無休・入場無料 オススメします!

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