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「古代帝国の遺産 大ローマ展」 愛知県美術館

roma

愛知県美術館で開催中の「古代帝国の遺産 大ローマ展」に行って来ました。

本展は、昨年9月19日~12月13日まで国立西洋美術館で開催されたのをかわきりに、愛知県美術館、青森県立美術館、北海道立近代美術館に巡回する。
昨年国立西洋美術館で本展を観たけれど、会期末近かったので混雑していてゆっくり鑑賞することができなかった。しからば、地元愛知県美術館で再訪して。目的は≪モザイクの噴水≫。

国立西洋で本展を拝見した時、本展の目玉作品である≪アレッツォのミネルヴァ≫前3世紀(フィレンツェ国立考古学博物館)や大理石の彫像の数々も無論素晴らしいが、≪モザイクの噴水≫(↓)の美しさに圧倒されてしまった。

mozaic

運良くtwitterのタイムラインを追っていたら、栄・中日文化センターで「古代ローマ遺産 モザイクの輝き」と題して國學院大學の小池寿子教授の特別講座が開催されると知り、早速申し込んだ。

講座の前に予習をしておこうと、愛知県美へ先に行って「大ローマ展」と≪モザイク噴水≫をはじめとするモザイク装飾をしっかり目に焼き付ける。
(参考)愛知県美術館大ローマ展ブログ(展示風景や搬入の画像も!)⇒ こちら
     大ローマ展公式HP ⇒ こちら

最近愛知県美術館の企画展では、作品リストを作成して下さるようになった。
今回と前回から作品リストが置かれていてとても嬉しい。以前はリストがなかったので、作品についてのメモやお気に入りマークをチェックすることができず、非常に不便だったのに、改善して下さっていることに感謝。
私が行った時も、隣の大学生らし気男性が作品リストにメモやチェックをしていたので、私だけでなく他にもリストを活用されているお客さんを見つけて嬉しかった。

愛知県美術館での展示の方が、西洋美術館よりゆったりしていて、同じ階に全ての作品が展示されているため、空間的に作品群が見渡せたのがとても良かった。西洋美術館はちょっと手狭で、階も分かれているし、更には混雑が快適な鑑賞を妨げていたので、落ち着いて作品を観ることができず。特に小さなコインや宝飾品の展示ケースでは人が密集してしまい、頭越しにしか見られなかったが、愛知県美では小さな作品はできるだけ、展示ケースの位置が集中しないようにされていたのも良かった。
宝飾品は最後に暗く照明を落とした空間で、スポットを当てていてゴージャス感を創出した展示風景が印象深い。一番混雑しそうなものを最後にもってきたのも良かったと思う。
1か所だけコーナーを利用した展示個所があって、あそこだけが今後混雑するかもしれない。

さて、今回もやはり一番気に入ったのはモザイクコーナー「オティウム-楽しい暮らし」だ。ここでは、モザイク壁画を四方に並べ、ローマ人の別荘あるいは邸宅を模したような展示光景。
美しいモザイクに囲まれ、すっかり気持ちはローマ人になってしまう。

・地中海のモザイクはアウグストゥスの時代に繁栄したが、現在地中海沿岸諸国でモザイが残っている都市は非常に少ない。例えば、ローマ市内でモザイクを観ることができる教会はわずかに8つ。

・古代ポンペイの生活様式に合わせ、第1~第4まで4つの様式でモザイクは展開する。
ポンペイ第一様式 ⇒ 壁面やドアに絵を描く。擬扉。
ポンペイ第二様式 ⇒ 壁面に描いていたものを三次元的に描くようになる。
ポンペイ第三様式 ⇒ 室内の前面に外の風景を描く。室内にいながらにして外の景色を楽しむ。アウグストゥスの時代
ポンペイ第四様式 ⇒ 展覧会様式

古代ローマ人は室内を飾ることで生活を楽しもうとした。その後ルネサンス期に壁に絵を描く習慣がリバイバルする。

・ローマのモザイクは床にもある。モザイクの見方は床に水をかけ砂ほこりを落としてから見る。見事に絵が浮かびあがって来る。貴族のヴィラではモザイクのテーマによってどの部屋を飾るか決めた。装飾的効果。

・その後キリスト教徒たちが徐々にモザイクを自分たちの宗教へ取りこんで行く。ローマ時代のカンデラブルム(燭台)、カタゴンベなどローマ美術からの紋様を引用し始める。特にルネサンス時代にローマ時代のものが次々に発掘される。
グロテスク紋様(先日のニコラ・ビュフェ氏の壁画を思い出した)、組みひも紋様など、ラファエロの「聖三位一体」にも組みひも紋様が使用されている。組みひも紋様は神との約束を意味する。パターン画を描く職人が現れ。技術の継承が進む。

・キリスト教会では床にモザイクを使用しない、ここがローマ時代のモザイクとの大きな違い。キリスト教徒にとって天井は天国を意味するが、モザイクは光、光である神を具現化するのにこれほど相応しいものはなかった。したがって、光である神を足で踏むことはできないため、モザイク画を床に用いることなく、モザイクは天井装飾に使用される。

・古代ローマ時代は、下絵の上に石を貼り付けるが、キリスト教時代になるとモザイクガラスを使用することでより光が増すようになった。ローマではその後モザイクは廃れていくが、ビザンティンでは続く。

実際の講義では小池先生が訪れたローマやラヴェンナの教会など、現在も残るモザイクの遺構を豊富なスライド画像で見せていただきつつ解説が入る。モザイクの画像の意味、図像学に関する説明もあり、とても書ききれないが、やはり宗教美術、西洋美術を理解する上で、キリスト教や古代神話に関する知識はあるにこしたことはない。知っていれば、知っているだけ目の前の作品の意味が分かり楽しくなってくるのだ。

講座を受講することで、何気なく置かれていた燭台の飾や模様の意味、フレスコ画に描かれた鳩や聖杯に湛えられた水の意味を考えつつ鑑賞すれば、また違う発見もあるに違いない。

やはり、あと1回はローマ展を再訪して今回の講義を復習してみたいと思っている。

なお、愛知県美術館では企画展入場券で常設展示も楽しめる。西洋絵画(クリムト・ピカソ・ラウル・デュフィ)などの名画多数)、日本画(今回は近代日本画の名品が展示されている、小杉放菴の屏風は必見物)、更に木村定三コレクションでは村上華岳、土田麦僊、竹内栖鳳、幸野楳嶺、福田平八郎など京都画壇による日本画特集を開催している。
こちらも傑作揃いなので、ぜひ企画展だけでなく常設展示も見て行って欲しい。

同じく常設で開催されていた渡辺豪「白い話 黒い話」はまた別途。

*大ローマ展は3月22日(月)まで開催中。
★名古屋より西への巡回はありません。関西方面の方もぜひ。

チケット売り場で多少並ぶこともあるので、事前にチケットを購入しておかれることをオススメします。

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