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「第2回 恵比寿映像祭」 東京都写真美術館

昨年を第1回として今年が第2回目の開催となる東京都写真美術館で開催中の「第2回 恵比寿映像祭」に行って来ました。
第1回を観ていないので、1回目との比較はできないが、展示上のいくつかの問題点を除けばなかなか楽しめる内容だったし、ここでしか見ることのできない映画も上映されているため、気になる作品があれば、是非足を運んで見られることをオススメする。
第2回の今回は、「歌(うた)」なるものを手掛かりに様々な映像について考えるもの(展覧会案内より)。

3階から地下1階までを使用し、全館あげての展示となっているが、3階から順に展示内容を追っていく。

イントロダクションを抜けて、最初に目に入るのはフィオナ・タン≪ダウンサイドアップ≫2002年。モノクロの上下反転した映像作品。影を利用して見せているので、最初は上下反転していることに気がつかない。反転していようがいまいが、この影を活かした映像はとびきりの美しさだった。個人的には本展のベスト。フィオナ・タンはインドネシア生まれのオーストラリア育ちで現在オランダで活動中。このモノクロ映像で、今週の土曜日にあるアルフレッド・ジャー作品との映像作品上映「歌をさがして」に行くかどうか思案中。
体調が悪くなければ行くのだけれど、昨晩の激しい頭痛を考えると二の足を踏む。

次に、おなじみのアンリ・カルティエ・ブレソンのモノクロ写真。

ブレッソンの写真を観ている頃からどこかで聞き覚えのあるピアノの音が流れてくる。グレン・グールドのバッハ作品『ゴールドベルク変奏曲, アリアBWV988』を映像編集技術によって、ティム・リーは自身の手で映像再現した。

正面には昨年東近美で初めて知ったヴィト・アコンチの映像「テーマソング」1973年でこれは初見。アコンチの映像は基本的に自作自演なので、映像そのものの印象よりアコンチの個性的な顔立ちの方が記憶に焼きついて離れない。
むしろ、隣にあったアコンチへのオマージュ作品(アコンチ作品のエロチックなリメイク)「フレッシュ・アコンチ」に昨年観た「こじ開け」と同じ場面が登場して、本作品がアコンチ作品のリメイクと分かったが、登場人物が全裸なのが過激。

仕切りの向うに4点作品を出展していたのが、カタリーナ・ズィディラー。一番面白かったのは≪SHOUM≫2009年。BGMに流れる曲(タイトル不明)は絶対どこかで聞いたことがあって、ついついノリノリになってしまう。この曲を言葉としての意味ではなく、音として文字化して紙に書いている映像が流れている。異言語であれば、言葉は意味として脳が理解できず、単なる音としてしか認識できない。それを視覚化して表現した作品。

ミン・ウォン、これはちょっと良く分からなかった。
アルフレッド・ジャーは過去にギャラリーで観たことがある。今回も鏡面を使用した作品。でも、これらに歌のテーマを探し出すのは困難だった。

中央には山城知佳子の映像作品が数点。沖縄で生まれ育った彼女が海に素潜りする映像があって、これも「歌」というテーマを脇に置いておいて、久々に青い海の中を観たという鮮烈な印象が残った。更にこの映像では水中での他者とのからみもある。何を訴えているのだろうか。

2階の展示へ。
2階は観賞者参加型の展示作品が何点かある。
ナム・ジュン・パイクの≪参加型TV≫は、マイクを持って歌を歌うと、目の前にあるTV画面の二次元映像の形が変わるというものなのだが、恥ずかしくて誰も歌わない為、画像の変化が分からない。もう少し、他にやりようがなかったのだろうか?あの展示室で歌を歌うってかなり、いや相当の勇気が必要だと思う。

暗幕をくぐるとTEAM生西の≪おかえりなさい、うた-Dusty Voices Sound of Stars≫と題した本展のための新作音声インスタレーションがある。発砲スチロール製の長椅子が沢山室内に置かれ、思い思いの場所に座り、音の世界に浸る。音が鳴るたびに、天井から下がる電球の光が明滅する。
目をつぶって聞いていると、様々な歌の思い出が語られる。このインスタレーションがもっとも本展タイトルにマッチしている気がした。

エンネ・ビアマンはポラロイドカメラによる写真、しかしこれがとても素晴らしい!やジョナス・、メカスのフィルムをそのままプリントしたような写真、アンダース・エドストロームと展示室内の3名による写真展示は見ごたえがあった。個人的にはビアマンの写真が気に入った。

タシタ・ディーンは≪緑の光線≫2001年と題して、水平線に落ちていく夕日の映像を見せる。ただそれだけなのに、海の緑と夕日のオレンジの色の取り合わせが絶妙。

藤本隆行・真鍋大度・石橋素の≪Time Lamps Plant/偽加速器2010≫は摩訶不思議。作品は2つあって、どこをどうつながっているのか今もってよく理解できていないが、LED照明が変わると、中央の機械式植物の動きがくねくねと変わる。この動きが単調でなく、かなり長時間眺めていても飽きることがない。どのくらい動きのパターンを持っているのだろうか。

地下1階展示室では、都築響一≪デュエット≫、カラオケは人生の縮図=まさにそうかもしれない、の展示と高嶺剛の絵画、素描など脳内宇宙を表現する作品世界を展開していた。

全体として、「歌をさがして」というテーマ性が分かりやすい作品そうでない作品とに二分される。一般の鑑賞者がふらりと訪れて、このテーマだとかなり難解ではという印象を受けた。テーマなど関係なく、個々の作品で観て行く方が楽しめる気がした。

毎日、1回の上映室で貴重な映像作品を上映している。上映スケジュールはこちら。私は、シリン・ネシャットの初長編映画「男のいない女たち」-現代イラン史をひもとく歌を鑑賞、更に開催2日目には吉増剛造 レクチャー・パフォーマンス「貧しさ・・・・詩人の眼gozo Cine」に参加した。
シリン・ネシャットの映画は映像も美しく、普段身近にないイランの一面を垣間見る内容だが、後味は悪い。
吉増剛造さんのパフォーマンスは凄かった。ほぼずっと話づくめ、それでもまだ語りきれないような状態。文章なのか詩の朗読なのかその境目は私には理解できず、切れ目なく際限なく続く言葉の羅列はまさしく「うた」そのものだったと思う。バックに流れる映像はアイルランド風景を映した作品(詩人イェーツへのオマージュ)が美しかったが、萬鉄五郎を追って制作された映像もまた、萬作品の力強さがそのまま伝わって来る内容。

*2月28日まで開催中。

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