スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「所蔵水彩・素描展-松方コレクションとその後」 国立西洋美術館

suisai
水彩裏

「フランク・ブラングィン」展を鑑賞の後、同時開催中の「所蔵水彩・素描展-松方コレクションとその後」を観て来ました。

西洋美術館は、前回のブラングィン展記事中でも記載した通り、松方幸次郎のコレクションを基礎とし、1959年に設立された。2009年の開館50周年記念事業の一環として、ブラングィン展を開催し、本展は関連商企画として所蔵品の中から松方コレクションを中心に19-20世紀の主要な水彩・素描作品38点を紹介するもの。

全体を通じての感想は「松方コレクションはやっぱり凄い。」に尽きる。
小企画展ながらも、その質の高さは目を見張るものがあり、特に水彩は油彩ほど展示に対して強くないため、なかなか同館でも目にする機会がない。これ程の作品を所蔵していたのか!という驚きと松方コレクションなら「さもありなん」と感心した。

入ってすぐにドミニク・アングル≪ジェニー・ドラヴァレット(?)の肖像≫1817年(素描)がある。小品ながらもアングルの人物画特徴をよく示す作品。まずはこの作品をカメラにおさめる。話はそれるが、西洋美術館の常設は基本的にフラッシュさえたかなければ、個人で撮影可能。カメラのご用意をお忘れなく。

ドラクロワ、ターナー、モネと続きセザンヌへ。セザンヌは水彩が3点出展されている。特に、≪舟にて≫1900-1906年はセザンヌの≪浴女≫などを思わせるような色使い。
次にゴーガンだが、これは一風変わっている。扇絵になっていた。ジャポニスムの影響?西洋絵画で扇絵はあまり見かけないし、ましてゴーガンの水彩扇絵など初めてみた。≪マルティニック島の情景≫≪マルティニック島の牧草地≫
1887年(水彩)いずれも、島での風景を描いているが、油彩同様、ゴーガンの線や特徴的な色使いがよく出ている。

ドガを間にはさみ、いよいよお目当てのギュスターヴ・モロー2点が登場。
2点のうち、≪聖なる象≫1882年(水彩・チラシ表面))の美しさといったらもう、言葉にならない。この作品が本展チラシ表面に採用されている。実際に近くで作品を観ると池には蓮の花が、どこかしら西洋風の仏画を思わせる線描の細かさ。本展を観た後、東博で等伯展を観たが、仏画コーナーで見た≪善女龍王像≫と線描の細かさについては重なる所があり、この作品を思い出した。
しかし、あちらは背景には何も描き込んでいないが、こちらは夕暮れの風景で、遠方に山並みが遠く見える。象に乗っているのは聖女だろうか、天井からは天女(エンジェル?)が4人聖女を取り巻きながら飛んでいる。全体に睡蓮や象をモチーフに使用しているため、どこかエキゾチックな雰囲気が漂う。文句なく、今回38点のうちベスト1だった。

モロー作品の残る1点≪聖チチェリア≫1885-90年(水彩)は≪聖なる象≫ほどの描き込みの細かさは見られなかったが、背景の樹木、コバルトブルー色の山を前に立つ聖女が印象深い。

他にセガンティーニ≪花野に眠る少女≫1884-1885年(水彩)もなかなか他所ではお目にかかれない。こちらもモロー同様に松方コレクションであったものだが、現在は同館寄託作品となっている。草原に大の字になって眠る少女。大地の緑にいくばくかの野花が咲き、仰ぎ見るのはやや薄い青空。こちらにその気持ち良さ、空気まで伝わって来る。あんな風に昼寝できたらと思わずにはいれれない。

セガンティーニの後、これは!と思ったのはポール・シニャックの水彩3点≪グロワ≫≪漁船≫≪オンフルール≫20世紀初頭でこれも松方コレクションである。3点のいずれも、シニャックの特徴をよく示す海辺の風景や船を描いた作品。船を描いた作品を松方は好んだのだろうということが、これらシニャック作品からも伺われる。
拙い写真ですが、以下作品画像です。
なお、西洋美術館所蔵品検索より、展示作品画像は参照可能です。⇒ こちら

シニャック2
シニャック1
シニャック3

アングルとゴーガンの扇絵以外、本記事中で私が印象に残った作品として挙げているのは全て松方コレクションである。展示作品38点のうち、23点が松方コレクション(旧松方コレクション1点含む)であることも私自身興味深かった。
藤田嗣治の2点≪自画像≫≪裸婦≫1926年が松方コレクションになっているのは、松方と同時代を生きた日本人画家の作品をコレクションしていても決して不思議ではないのだが、何か意外な感じがした。当時のパリで人気作家だったから?はたまた作品自体に惚れた?同じ日本人としてコレクションしようという意識が働いた?どんな気持ちでコレクションに加えたのかが気になった。

*5月30日(日)まで新館2階版画素描展示室にて開催中。

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

所蔵水彩・素描展-松方コレクションとその後 @国立西洋美術館

 西美では開館50周年の記念事業として松方幸次郎に収集を指南した画家フランク・ブラングィンの回顧展が開催されているが、チラシやブログを見る限りマイタイプの画家ではないので、そちらはパスすることとして、ブラングィン展の関連小企画展として開かれている「19-20...

「所蔵水彩・素描展-松方コレクションとその後」

国立西洋美術館で開催中の 国立西洋美術館開館50周年記念事業「所蔵水彩・素描展-松方コレクションとその後」に行って来ました。 突然ですが、これなんだ? 何かの絵の一部。 はてさて、どんな作品。 それならこれならどう? もうお分かりですよね...

フランク・ブラングィン展 国立西洋美術館会館50周年記念事業

2/23-5/30 初日の23日は逃したものの、24日のお昼にいってきました。 平常の12時過ぎ、会場内はすいていました。 ちなみに、今回の展示は国立西洋美術館らしくない展示内容というか雰囲気があります。中世のコッテコッテのポスターのような絵画や、または肌の質感の表

所蔵水彩・素描展-松方コレクションとその後ー国立西洋美術館

所蔵水彩・素描展―松方コレクションとその後 国立西洋美術館                       ギュスターヴ・モロー 《聖なる象》 1882年 水彩、ガッシュ 2010年2月23日~5月30日 国立西洋美術館新館2階[版画素描展示室] 23日フ

コメントの投稿

非公開コメント

カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
ブログ内検索
twitter
最近のエントリ
カテゴリー
最近のコメント
最近のトラックバック
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
カウンター
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。