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横浜美術館コレクション展 【特集展示】自画像/肖像画に学ぶアートの歴史、【写真展示】都市へのまなざし

今日で終了するのに気付かず、記事にするのが終了日となってしまったが、束芋展が開催されていた(これも今日が最終日だった)横浜美術館コレクション展が、以前に比べ格段に面白くなっていたので記録として残しておくことにした。

私見だが、横浜美術館クラスの公立美術館であれば、相当数の所蔵作品があるのが通常。私が過去に行った全国の公立美術館で目を見張るような常設コレクションを持っていたのは、南から福岡市立美術館、大阪市立美術館、愛知県美術館、静岡県美術館などが浮かんでくる。今回取り上げる横浜美術館の所蔵作品数は2008年9月現在で約9750点、我が地元愛知県美術館は2009年3月現在で約7400点となっている。

これだけの所蔵作品を持っているのだから、見せ方次第で企画展同様の魅力、むしろ常設作品目当ての観客があっても良いと思う。しかし、現実は企画展目当ての観客が大半で、現在開催中の愛知県美の「大ローマ展」は人気で、私が訪れた時も多くの観客で賑わっていたが、なぜか企画展を観た後の所蔵作品展用の5つの企画室にいる観客はまばら。
愛知県美術館の展示室レイアウト ⇒ http://www-art.aac.pref.aichi.jp/info/profile.html
大半の観客は所蔵作品展を見ないで、企画展だけで帰ってしまうのだった。美術館の係の方が、「企画展のチケットで所蔵作品展もご覧いただけます。」の呼びかけが空しく響く。

同様の現象はこれまでの横浜美術館でも見かける光景だったが、今回はかなり様変わりしていた。
①動線
全ての企画展を観ている訳ではないが、少なくとも束芋展までの横浜美術館の企画展の観客動線は、この束芋展と全く逆で写真展示室をスタートとして最後に【特集展示】自画像/肖像画に学ぶアートの歴史に行くような流れができていた。
横浜美術館3階のレイアウト(PDF) ⇒ http://www.yaf.or.jp/yma/guide/informationplan_japanese.pdf

ポイントは、これまで最後になっていた写真展示室、写真ゆえ関心がない方も多いのか、ダリの部屋まで行って帰られる観客が多かった。関心がないというより、都合よく帰りのエスカレータはダリの部屋の出入口すぐにあるため、その少し奥にある写真質の存在に気付かなかった可能性もある。

ところが、今期より企画展の動線を逆にし、更に企画展につきもののグッズや図録などの物販コーナーを写真室のまん前に設置。私が所蔵品展に行ったのは2月末だが、物販コーナーは最初からあの位置だったのか?昨年12月25日のダンス・ライブ(12/25)では、ライブ開始前に企画展だけを鑑賞できたが、位置は違ったような気がする。

いずれにせよ、束芋展の「ちぎれちぎれ」と「BLOW」は一度に観賞できる人数に限りがあるため動線を固定化したのが幸いしていた。
観客は企画展から、写真展示室に進むか、踵を返して企画展側のエスカレーターに乗るかの選択となるが、多くの観客は逆回りをよしとせず(?)写真展示室にほぼ流れていたのは非常に興味深い。

②【特集展示】自画像/肖像画に学ぶアートの歴史、【写真展示】都市へのまなざし 

次にコレクション展の展示室の中で、もっとも変化をしていたのが上記2つの展示。観客の動線順から行くと、【写真展示】都市へのまなざし:須田一政、石内都、金村修、米田知子から。この4名の写真家による「都市」を被写体とした連作シリーズの展示がとても良かった。見せ方、作品の展示方法、更にはシリーズの中からの展示作品の選択が見事で、4人の作家の個性が顕著に現れていたと思う。米田知子の≪川≫1995年を展示ラストにするあたりが泣かせる。元々川や海や湖など水景写真に弱いので特に忘れ難い。
 
写真展示室⇒ 日本画・工芸 ⇒ ダリ・シュルレアリスム ⇒ ブランクーシの部屋 ⇒ 【特集展示】へと進む。

【特集展示】自画像/肖像画に学ぶアートの歴史はプチ企画展になりそうな内容。何度も観ているお馴染の作品も見せ方を変えるとまた違った角度から鑑賞できる面白さをここで学んだ気がする。
タイトルにあるスラッシュ「/」は分母分子を表すもので、肖像画枠組みに自画像があることを示している。この肖像画の変遷を通してアートの歴史も展観しようという試み。展示構成は、次の通り。
1.ロシアと日本にみる近代肖像画の始まり
2.日本における近代肖像画の展開
3.浮世絵にみる肖像画とその余韻
4.近代ヨーロッパの肖像画
5.近代日本洋画の肖像画と自画像
6.現代日本画による肖像画
7.現代美術と肖像画
8.現代美術の自画像と肖像画
9.日本現代美術の自画像と肖像画
10.現代における自画像と肖像画の行方

ラストの「10.現代における自画像と肖像画の行方」で展示されているのがウォーホル≪キャンベル・スープⅡ≫1969年だけなのは解せなかったが、ウォーホルは現代なのか?、構成は面白いし浮世絵などは芳年や豊国、長谷川潔への流れで充実。所蔵作品だけだと厚みのある分野とそうでない分野が、どうしても出てくるが、さすが横浜美術館、所蔵品だけでこれだけ楽しめる内容で見せてくれるのだから凄い。

更に、ホワイエではイサムノグチの所蔵作品6点全てをまとめて展示。これまた、何度か見ている作品なのに見せ方で新たな魅力を引き出してくれていた。

③「ヨココレ通信」の創刊
展示中の所蔵作品と作家についての話題や展示での工夫などから、コレクションの魅力を紹介する目的で本年2月より「おためし」創刊号として発行。創刊号では各セクションの担当者から「展示のみどころ」などを紹介している。紙面最後には館長の逢坂恵理子氏の「館長室のティータイム」と題してA4半分程度の文章を掲載。読み応えのある紙面づくりになっていた。「ヨココレ通信」は展示室内に置かれているが、1階の総合案内でコピーをいただける。なお、作品リストも同じく1階の総合案内で希望すればいただける。

長くなってしまったけれど、横浜美術館の新しい試みに1美術ファンとして感謝するとともに、熱い期待を寄せている。コレクション展の展示作品はフラッシュなしなら撮影可能というのに気付いた。次回からはカメラも持参しよう。

*文中の特集展示、写真展示は終了しています。

途中にあった河野通勢≪自画像≫

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