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「川喜田半泥子のすべて」 そごう美術館

handoroko

そごう美術館で3月22日(月)まで開催中の「川喜田半泥子のすべて」に行って来ました。
美術館HP ⇒ http://www2.sogo-gogo.com/common/museum/archives/10/0211_handeishi/index.html

この展覧会は、年初に銀座松屋で開催され、横浜のそごう美術館に巡回している。既にアートブロガーの多くの皆様は銀座松屋での展覧会をご覧になっており、感想も続々とアップされているため、今回は個々の作品についてでなく、展覧会を通じての感想をまとめてみたい。

銀座松屋の展覧会に行かなかったのは、過去の経験により松屋では落ち着いて鑑賞できないのではないかと危惧したからである。松屋での展覧会は、狭い会場に観客がひしめき、落ち着いて鑑賞できたことがない。行ったタイミングが悪いのかもしれないが、逆にそごうは展示空間が広く、さすがに美術館と銘打っているだけのことはあり、ゆっくりと鑑賞できる。今回の半泥子も思った通り、自分のペースでゆるゆると元気いっぱいの器たちを眺めた。

川喜田半泥子(かわきた・はんでいし)は、我が地元愛知県の隣、三重県で実業家としても活躍しつつ、陶芸、書、画に堪能で、そのいずれもが余技とは言えないレベルにある粋人。彼の存在を知ったのは、昨年江戸東京博物館で開催された「写楽 幻の肉筆画」展だった。この展覧会の目玉、写楽の肉筆画(扇絵)を真蹟と鑑定した確認作業の中で使用されたのが、川喜田家(半泥子)のコレクションで現在は石水博物館所蔵「老人図」だった。このあたりの詳細は、写楽 幻の肉筆画」展図録p23~24に図版入りで掲載されている。

石水博物館は、三重県津市にあり、津市の素封家である川喜田家十六代当主久太夫(号が半泥子)が昭和5年に設立した財団法人石水会館の文化施設であった。写楽だけでなく同館が所蔵する扇面は200点以上にものぼると言われている。昨年、三重県立美術館で開催された「大橋歩展」の後、ついに石水博物館に足を運んだ。
石水博物館は2011年の移転新築オープンに向け、急ピッチで作業を進めているが、現在は半泥子が頭取をかつて勤めた百五銀行関連の会社が入居する津丸の内ビルの一室を間借りしている。
スペースは極小で、ふた坪あるかないかだろう。その狭い空間に半泥子の創意が満ち溢れていた。焼き物、書、画。書画はの類は特に展示数が少なかったが、やきものは既に、本展が最初の巡回先であった岐阜県陶芸美術館で開催されていたにも関わらず、見ごたえがあるものが多く、ひとめで気に入ってしまった。
作品にも魅了されたが、個人的には半泥子のビジネスマンとしての顔と数奇者としての顔、二つの顔を持った人の生きざまに一番関心を持った。

古今東西、今月発売の雑誌『東京人』4月号の特集に取り上げられているようにコレクションをもとに美術館を造った富豪は数多いが、自身も制作者、アーティストとなって作品を作る、しかも玄人芸になっている人物は他に例をみない。三井財閥の益田孝は書や陶芸もしたが、アーティストとしての半泥子には及ばないと私は思っている。

なお、半泥子の評伝は「おれはろくろのまわるまま―評伝・川喜田半泥子」千早耿一郎・日本経済新聞社・1988年があるが、いまだ入手できていない。

rokuro


本展では、石水博物館で初めて半泥子の作品を観た感動が再び蘇るような自由自在、闊達な作風を随所に見せてくれた。通常であれば、とてもやきものとしては使用できない割れやかけもそのままを活かしたり、蒔絵をほどこすなりして、欠点が逆にみどころになるような、いわば「逆転の発想」の連続。

また、彼の作品の中ではとりわけ、焼き物の水準の高さが評価されているが、土自体へのこだわりを捨てる。土に関心を強い関心をもつがゆえ、遠く大陸にまで陶土の調査に出掛けるが、結果半泥子の到達点は「やきものは、どんな土田ってできる」だった。全てをあるがままに受け入れる精神、これぞまさしく「茶の湯」の神髄ではないのだろうか。

本展覧会はそごう美術館の後、以下の2会場を巡回します。

・4月3日(土)~5月30日(日)・山口県立萩美術館・浦上記念館
・6月8日(火)~7月25日(日)・三重県立美術館

特に、半泥子のお膝元である津市の三重県立美術館への巡回が楽しみ。地元開催だけに、嬉しいおまけがついてきそうな予感がする。そうでなくても、同じ市内にある間借り中の石水博物館を再訪したい。写楽の「老人図」に出会うのは同美術館移築オープンあたりで公開してくれるのではないか。

この記事を書いていて気付いたのだが、そごう美術館の関連特別企画「半泥子の茶碗による茶会」が2月に2日間各2回の計4回開催されていた。これ、行きたかった!!!
三重県立美術館の関連イベントにも期待。

~お詫び~
記事をアップした3月9日時点で川喜田半泥子の「田」が「多」になっていました。訂正させていただきました。深くお詫び申し上げます。

*3月22日(月)まで開催中。
石水博物館は、津駅をはさんで三重県立美術館と反対側・JR・近鉄・伊勢鉄道 津駅より三重交通バス岩田橋バス停下車 徒歩1分の津丸の内ビル2階にあります。

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ogawama様

こんばんは。
半泥子の作品集はないようですが、過去に半泥子展が開催
されたようで、同様に図録は神保町の古書店でごく最近
見かけました。
私の予想では2011年の石水博物館新築オープンの際には
同館で記念展が開催される筈。
名古屋と三重のセットでも良いかもしれませんね。

諧謔あふれる銘が好きでした!

No title

私は松屋の展示も見たのですが、デパートカードを持っててそごう美には無料で入れるので、先日再訪しました。
おっしゃる通り、松屋より集中して鑑賞できました。
導線が自然でしたね。
>通常であれば、とてもやきものとしては使用できない割れやかけもそのままを活かしたり
そのへんも、じっくり。
松屋で買いそびれた図録も購入して大満足です。
半泥子の作品集ってあまりないんですよね。
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